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2012年5月22日 (火)

恋文三つ・・・ 12年5月22日

昔、恋文の企画を立てたときのものだ。
結局没になったが・・・

---宛先のない手紙---

 あなたの割ったワイングラスは 今も わたしのこころに 刺さったままです
 誰もいない寒い夜 わたしは そっと グラスの破片を触れてみます
 その堅く透明な疼きは たった一つの 消えることのない あなたの思い出です

 あなたは今 どこで 何をしているのでしょうか
 私のことを 思い出すことがあったら
 野菊が咲いたとか 裏山の木々が色づいたとか
 ありきたりの 葉書をください

 もし 葉書が来なくても 春になって 沈丁花が香り 青空が輝きを増す頃
 私はもう一度 手紙を書くつもりです

---切ない気持ちで---

  夏日差しはてなき空になにもなし
  きみの名は心に疼く薔薇の棘

 やはり恋いの句には力が入ってしまいます。
 現実ではありません。虚脱状態で ほとんど毎日仕事をしています。

 散歩していると街の一角で若い女占い師に、男の子達がむらがっていました。
 ちょつと可愛い子でしたので、手を握ってもらうのが嬉しいらしく
 順番の取りあいこをしていました。
 「青春だなぁ・・・」
 昼間の酔っ払いにぶつかりそうになりながら つぶやきました。
 そして、青春の二文字のことを考えました。
 「運命なんか知りたくない」と思い始めたのは
 「雑然と猥雑な東京が好き」と思い始めたのは
 いつからだったのか 考えました。

 そういえば、私はいつの間にか、若者達が騒いでいたように
 情熱を浪費しなくなってしまいました
 もしそれが大人なのなら なんと空虚なことでしょう
 情熱を浪費するのは 一見無駄のように見えますが
 今の私にはなくした宝石のように素敵です。
 だから大人になるのは悲しいことです。
 知らず知らずに無駄なく 生きているのが悲しいのです。

 あなたは とても不思議な人です。そこにいるだけで・・

  よそよそしポスターの顔きみに似る

---ちょっと嬉し気に---

 洗濯機はタオルケットを詰め込まれ ウンウンうなっていますので
 時おり 手を入れて助けてあげます
 そして 洗濯の合間にあなたへの返事を書いています
 だから この手紙はすこしせっけんの香りがするかもしれません。

 それにしても 人は同じことを飽きずに繰り返します
 生まれては死に 恋しては別れ 汚しては洗濯します
 どうせ同じことだから と止める訳にはいきません

 今日は散歩道の青空にポプラが光っていました。
 夕暮れの窓の 遠くに 風にそよぐ森を眺めました
 だから 生きているのは すばらしいです

 「風は、嫌いではありません」
 海辺の道で 乱れる髪をかきあげながら あなたは言いましたね

 あなたは風のような人です
 頬を優しく撫でていたかと思うと いつのまにか消えています

 だから 海が好きです
 手紙を書いている今も 海の音が聞こえます
 どのように時が流れようと 私の心から あなたと海の音は消えることはないでしょう


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Ma_3

Ma_4

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