NHKあさイチ・肌老化の原因物質AGEは1日25粒のアーモンドで減らす。12年5月30日
NHKあさイチ「イチおし美と健康の宝箱!ナッツ」の放映以来、店頭からアーモンドが消えてしまった。何しろ、アーモンドを日に二十五グラム=二十五個相当を五ヶ月間食べるだけで肌が若返り、しっとりとして張りがでると言うのだから、女性たちが飛びつくのは無理はない。費用も安く、他の美容方法と比べると経済的で確実な効果が得られる。さらにアーモンドの豊富な食物繊維は便秘に効果があり、コレステロールを下げる効果がある。アーモンドほどではないが、同様の効果はナッツ全般、クルミやピスタチオナッツにもある。
その仕組みは次のようなものだ。
肌の老化を進行させる原因物質の代表にAGE がある。老化物質・AGEとはAdvanced Glycation End Products=終末糖化産物の略称だ。その AGE の生成をアーモンドが阻止する働きがある。慶応義塾大学井上浩義教授の実証実験では、被験者たちは5ヶ月間のアーモンド摂取で肌の潤いと張りが増し、目に見える効果を実感していた。
アーモンドは一日二十五グラムを毎食後に分けて食べる。一日量は体の大きな人は多めに、小さな人は少なめに、アーモンドの過熱方法は油で揚げたものより焙煎した塩なしを推奨していた。
AGE を増やす原因は血糖だ。血液中の余分な糖が蛋白質と結合して AGE を作る。結びつく蛋白質の一つがコラーゲンで、 AGE が増えたコラーゲンは弾性を失って硬化し、シワ、たるみなどの老化の大きな原因となる。コラーゲンは血管、骨、肌、目、内臓、脳など殆どの部位にある。 AGE に変化するとその部位は堅く脆くなって老化を進行させてしまう。コラーゲンを多く含む骨は AGE が増えると褐色に変色して脆くなり、簡単に骨折する。血管に沈着すると弾力性が失われてカチカチになり動脈硬化を引き起こす。
AGE は殆どの老化現象、認知症、癌、高血圧に深く関与している。糖尿病合併症やアルツハイマー病などの病変部を調べると AGE が多く沈着しているのが確認されている。体内の AGE が増える一番の原因は血糖値が高いことだ。食事をすると血液中に糖分が増加し、エネルギーとして使いきれず、肝臓や脂肪細胞に取り込まれきれなかった糖分は血液中に残る。 その余分な糖分はタンパク質と結びついて AGE に変化する。だから、糖尿病で血糖値の高い人は常に体の中で大量の AGE が作られていることになる。逆に言うと、AGE を減らす食生活や運動は若返り効果だけでなく、糖尿病合併症を防ぐ効果につながる。アーモンド食は AGE が高く合併症に苦しむ糖尿病患者への朗報になりそうだ。
AGEを増やす要因に紫外線がある。表皮角質のケラチン繊維が紫外線によってAGE化し、シワやタルミが増加する。ストレスもAGEを増やす。ストレスによって血糖値が上がり、体内に血糖が増えるからだ。
AGE は食品からも摂取され蓄積する。食品中に含まれる AGE は次のようになっている。AGE 量が一番少ないのは牛乳。それから、 野菜・炭水化物・魚・肉・脂肪の多い食材の順に含有量が増えて行く。しかし、バランス良い食事をしていれば、取り込まれる AGE は体内で作られるAGEと比べて少なく、気にする必要はないと言われている。
食品中のAGE は調理法によって著しく増加する。 例えば鶏肉では、 茹で肉を1とすると、 焼くと六倍、 油で揚げると十倍に増える。カリカリベーコンは最悪で加熱前と比べ百倍に増加する。高温加熱ほどタンパク質と糖分が結合しやすく、AGE に変化する。 ゆで卵は調理時間が長い割にスクランブルエッグの半分程度と低い。
高温で加熱したり油で揚げたりしてキツネ色や褐色に変化した箇所、焼き目などにはAGEが大量に含まれる。それらを毎日のように大量に食べていると、AGEが蓄積して老化を早める。揚げ物などのファーストフードを頻繁に食べている人が早く老化するのは、そのような理由による。
同じ褐色や焦げ目でも、味噌、醤油、コーヒー、ココア、チョコレートなどはAGEを含むのに蓄積されにくい。それは未知の毒性を弱める成分かシステムがあるのでは、と考えられている。
体内で生成されるAGEは血糖値を上げなければ増えない。だから、減らす方法は糖尿病治療法と殆ど同じで、血液中の糖とヘモグロビンが結合したヘモグロビンA1c(HbA1c)が低い人は AGE も少ない。
糖尿病でも健康でも、食事はまず野菜類から食べて、ご飯を食べる。そして食後三十分から十分以上体を動かす。これで血糖値の上昇を防ぎ AGE は生成されにくい。
トマトなどに含まれているαリポ酸を摂取すると血糖起因のAGEの生成は抑えられる。αリポ酸はサプリメントとして市販されている。一緒にコエンザイムQ10を摂ると更にアンチエイジング効果がある。
私は酢と本味醂を豆乳に加えてヨーグルト状にしたものを毎日美味しく飲んでいる。血糖値を下げる食品に酢大豆がある。だから、酢豆乳も効果がある。本味醂を使うのはGI値が砂糖の七分の一と低く血糖値を上げにくく、有用アミノ酸を豊富に含んでいる甘味料だからだ。味醂風味の味醂は砂糖が使用されているので不可。本味醂は日本酒並みにアルコール分があるので、弱い人は注意が必要だ。
血糖を下げる代表野菜にゴーヤがある。ゴーヤは植物性インシュリンと言われているくらい効果がある。他にも免疫力を強化しガンを防ぐ働きがある。AGEの生成は高血糖である時間の長さに比例する。だから、できる限り素早く血糖値を正常化する必要がある。
後日談・・・放映後、御徒町のアーモンドの通販店に1日で1か月分の注文が殺到した。ちなみに、通常は一日売り上げ100kg〜150kgだったのが、わずか1日で三トンが一瞬に消えた。最新の研究では、久留米大学内科教授・山岸昌一氏はAGEを除去する物質を世界で初めて発見した。その物質が認可されるまでは、適度な運動や上記の方法で血糖値をコントロールし、アーモンドやトマトなどで蓄積を防ぐのがベストだ。
参考ページ
血糖値(グルコース)スパイクは時計を前にダラダラ食いで克服。高血糖・AGE・活性酸素での老化危機は一病息災に光明。令和元年10月19日
当ブログでアクセス数が多かった、高血糖・老化防止について記したベージを、以下の内容にまとめてある。
1・急激に血糖値が上下して血管を破壊し、老化を進める血糖値(グルコース)スパイク、について。
2・血糖と体内タンパク質が結びついた悪玉老化物質AGE、について。
3・慢性炎症の治療で血糖値は安定し老化を防ぐ、について。
「おじいちゃんのバス停」2番目シーン。
おじいちゃんは毎日バス停へ出かけた。
近況・・・絵本「おじいちゃんのバス停」を完成させて、Amazon Kindleの電子図書 にてアップした。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B79LKXVF
Kindle Unlimited 会員は0円で購読できる。
上記ページへのリンクは常時左サイドに表示。画像をクリックすればKindleへ飛ぶ。
絵本の内容・・おじいちゃんのバス停・篠崎正喜・絵と文。老人と孫のファンタジックな交流を描いた絵本。
おじいちゃんは死別した妻と暮らした家に帰ろうとバス停へ出かけた。しかし、家は取り壊され、バス路線も廃止されていた。この物語は、20年前に聞いた知人の父親の実話を基にしている。対象は全年代、子供から老人まで特定しない。物語を発想した時、50代の私には77歳の父親の心情を描けなかった。今、彼と同じ77歳。ようやく老いを描写できるようになった。
概要・・初めての夏休みを迎えた小学一年生と、軽度の認知症が始まったおじいちゃんとの間に起きた不思議な出来事。どんなに大切なものでも、いつかは終りをむかえる。終わりは新たな始まりでもある。おじいちゃんと山の動物たちとの、ほのぼのとした交流によって「終わること」「死ぬこと」の意味を少年は学んだ。
描き始めた20年前に母の介護を始めた・・このブログを書く8年前だ。
絵は彩色していたが、介護の合間に描くには画材の支度と後片付けに時間を取られた。それで途中から、鉛筆画に変えた。鉛筆画なら、介護の合間に気楽に描けた。さらに、水墨画に通じる味わいもあり、意外にもカラーページより読者に評価されている。それはモノクローム表示端末で正確に表現される利点がある。
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- コロナ陽性となって起きる不都合と差別。Go Toトラベルの見直しは非科学的。令和2年11月22日(2020.11.22)
- 新型コロナは蔓延しないと終わらない。終息を急ぐあまり、自殺者とシャッター通りを残す愚策は止めてほしい。令和2年11月14日(2020.11.14)
- 上手な嘘と嘘の見抜き方で、営業・企画・宣伝力強化。冷和2年10月29日(2020.10.29)
- 報道の変化に新型コロナ終息が見えた。人口激増に備えての昆虫食。令和2年10月19日(2020.10.19)
- 今日は10回目の母の命日。令和2年7月1日(2020.07.01)