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2012年6月25日 (月)

企画個展の売り上げノルマに画家は苦しむ。12年6月25日

作品展へ20日を残すのみで案内状書きに忙殺されている。絵を描くだけならどんなに忙しくても苦にならないが、案内状書きは気が重い。

個展は4年ぶりだ。毎年、作品展依頼は2〜3はあったが、母の介護と、死別後の心労を理由に総て断っていた。
今回のギャラリー・オカベはそのビルのオーナー企業の経営だ。会長は絵が大好きな人で、会長自ら釘打ちをして飾り付けてくれる。場所は山野楽器裏の1階と極めて良い場所だ。貸し画廊としてもたいへん人気の高い画廊だが、年に何回かは今回の私のような企画展も開催する。

裕福な画廊なので賓客を大切にする商売っ気はまるでない。それどころか、売れた絵を売るのを止めることさえある。絵描きにとって困ったことだが、反面、ストレスのないとても気楽な画廊でもある。

通常、企画展の場合は、画廊側から暗に売り上げノルマの圧力がかかる。売り上げから経費と画廊の利益を出す訳だから仕方がない一面もあるが、これは作家に取って大変な重圧だ。
ノルマを達せられず青い顔をしている画家たちが多くいる。
「気にするな。画廊より絵描きの方が偉いんだ。」
慰めても何の効果もない。誰も彼も本当に死にそうな顔をしていて、その重圧で先行きを悲観し心を病む画家もいるほどだ。

だから、品のない画廊は、それとなく画家の資産状況を聞く。なぜなら、もしノルマを達せられない時、画家が自ら自分の作品を買うように仕向けるのである。これは一般企業で、営業が売れ上げ目標を達成するため身銭を切るのと何ら変わりない。

私は引き受ける時に「私の作品は売れませんよ。」と前置きして受ける。それが嫌なら企画展など持ち込むなと、婉曲に言っておく。だから、重圧は感じないが、その画廊からの依頼は二度とない。
先に述べたように、ギャラリー・オカベにはこのノルマがないので実にありがたい。

案内状は1000通出す。はっきり言ってこの効果は2〜3%だ。案内状で来てくれるのは常連や知人を除けば1000通の内良くて30人ほどだ。絵に興味のない人にも案内状を出すので、当たる効率は極めて悪い。
それに対して、ネットの方は効率が良い。下のバナーをクリックしてくれる人は概ね私の絵に興味のある人だ。
だから案内状の10倍は効果がある。個展の世界もネットの発達で様相が激変したようだ。

掲載画像は絵本「父は空母は大地」の1場面だ。玄人には大変評価が高い絵だが、絶対に売れない絵だ。だから今までの個展では展示しなかった。今回は売れない画廊なので、このような売れない絵をできるだけ多く展示して、質の高い個展にしたいと思っている。

ところで、絵描きは一人暮らしが多い。
絵描きは家族がいた方が良い絵が描ける人と、いない方が良い絵が描ける人と二通りいる。バカバカしいことだが、絵描きが一番大切にしているのは描くことだ。だから、人によっては実にバカバカしい生き方をしていることになる。

バカバカしい生き方と自虐的に書いたが、それはアート系に共通する、幸せを求めながら否定する二律背反にある。
しかし、同じアート系でも工芸家の殆どは家庭を持つ。その違いは生活ができるか否かに原因がある。

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