記録映像は活字より、より真実を伝える。12年7月5日
マスコミ不信が蔓延している。それは報道を頭から信じるから起きることで、単なる情報源の一つと捉えれば真実は容易に見えて来る。その意味で深夜NHK教育の保存記録はとても良い情報源だ。それが意図的に編集されていたとしても、語っている人の表情や声の調子は隠しようがない。
先日の深夜、仕事をしながら聞いていた原発草創期の推進派要人たちの肉声は興味深かった。
驚くのは、安全神話と右肩上がり神話を信じる彼らのノー天気ぶりだ。この真実は活字では絶対に伝わらない。
彼らの会話によると、日本では始めにトリウム炉が提案されていた。しかし、核兵器製造の潜在能力を中ソに誇示するために、源田参議院議員などの右派からの圧力で現行のウラン燃料の現行型に急遽変更された。
トリウム炉とは圧力容器も水も必要とせず、なにもせず放っておけば停止してしまう原子炉で、現行型と比べると格段に安全だ。しかも、理論的に廃棄物はウラン炉の1000分の1。
世界のトリウム埋蔵量はエネルギー換算でウランの1000倍と言われている。
構造はシンプルで長期連続運転が可能だ。
現行型のような純化した燃料は必要とせず“雑食性”が強い。更に、一般住宅の居間ほどのスペースに設置できる程に小型化できる。逆に多量のトリウムを装入すれば数十年の安定運転が可能だ。
40年前、トリウム炉は米国で実証炉の段階まで進んでいた。
その開発が中止されたのは東西冷戦が大きな理由だ。トリウム炉は原爆材料のプルトニウムを殆ど生産しない。その戦略上の理由で扱いづらく事故の危険が伴うウラン燃料の現行炉がエネルギー源として採用された。
どのような技術的困難さがあったとしても、開発しかけたトリウム炉が中止されたのはかえすがえすも残念だ。
他にも原発関連の記録映像は、震災以来、NHK教育で何度も放映されてきた。
それによると、原発草創期、左派活動家たちは日本の核武装化に繋がるからと原発を反対してきた。しかし、政府が平和利用を全面に押し出して来るとすぐに反対運動は沈静化した。
その後、原発計画が起きる都度、建設反対運動が起きた。しかし、原発が稼働し始めると反対運動は思考停止し、積極的な安全への提言は殆どなされなかった。
今回の再稼働反対・原発廃炉推進・・の考えは多様だ。
1, 廃炉すべきで、それに伴う核廃棄物受け入れも、費用負担も受け入れる。--仮に原発廃炉税が新設されても受け入れる。
2, 廃炉すべきだが、自分の住む地域への核廃棄物持ち込みも費用負担も絶対に反対。
3, 再稼働反対で、足りない電力は節電で協力する。
4, 再稼働反対だが、クーラーは使いたいし、電力節約はしたくない。
5, 脱原発に伴う経済的損失と総ての負担は受け入れ、少々貧乏になっても構わない。
6, 脱原発と同時に福祉インフラの充実も望み、豊かな生活を享受し続けたい。
更に細分化できるが、大まかに分けるとこんなものだ。
ドイツが実現しつつある6番目が理想だが、今の日本にこのハードルはかなり高い。
2と4も実現は難しい。
何れにしても理想と現実の差は大きく、今の反対運動を見ていると拙い段階で思考停止してしまそうな気がしてならない。
昔描いた「サイゴン」に手を入れた
前の絵は雨に濡れた感じが弱かったので、より湿潤な光景にした。
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