私たちと同様に日本も老いてしまった。8月18日
涼しい朝だ。曇り空からしばらく遠雷が聞こえていたが、今は蝉の声ばかりだ。時折、新河岸川の鉄橋を低い轟音をたてて列車が過ぎる。
仏壇の花持ちが良い。園芸番組で、茎の切り口を毎日新しく切ると花持ちが良いと言っていたのを実行しているからだ。今も、お盆の入りに替えた花が猛暑に耐えて生き生きとしている。
仏壇に灯明をあげに、日に一度は母の部屋へ行く。部屋に入ると母の香りがする。陽射しの香りに、着物と白粉の微かな香りだ。その時決まって、永遠はあり得ないとの思いが過る。母への懐かしさは、元気だった子供の頃や若い頃への思い出だ。
テレビは尖閣と竹島問題ばかりで見なくなった。
代わりに音楽を聴いている。音楽の中にはいつも変わらない世界がある。作曲したり、小説を書いたり、絵を描くのは永遠を固定する作業なのかもしれない。
昨夜は絵描き仲間から電話があった。血尿が出たので病院に行ったと言う。すぐにネット上の症例サイトを開いて、経緯に当てはまるの病名を話した。彼の場合、さほど心配はいらないかもしれない。診断を専門家に任せ、悩んでいない姿勢も健全だ。ぐずぐず悩んで病院へ行かないのが一番拙い。
それから互いに体調の話になった。彼は若い頃ラグビーをしていたので首にダメージがある。その後遺症で腕などに痺れがあるようだ。
私は若い頃鉄棒から落ちて尻餅をつき、背骨の一部が少しずれている。母の終末期に、それが原因で腰・右足に痛みと痺れが出た。放置できないので、急遽、腰痛体操を毎日続けたら痺れは消えた。今は右肩の神経痛だ。絵を描くのには影響ないので気にしていないが、老いを感じる。
「70あたりを境に、次々と痛い個所が出てくるよ。」
そんなことを彼と話した。母を介護して学んだのは、老いとは痛くて疲れるいことだ。変わらない人生などあり得ない。よくも悪くも、人生は変化しながら死へ向かって行く。
それから、彼と竹島尖閣問題を話した。
今までの韓国政権では禁じ手だった竹島訪問を李明博大統領がなぜ実行したのか。
低落した支持率回復のためと言われているが、真相は違う。
国際影響力が低下した日本は叩いても自国の不利益にはならない、と韓国側が判断したからだ。だから、政権が変わってもそのような行動が次々と起こると覚悟すべきだ。
中韓ともに欧米のような良識ある成熟した国家ではない。弱みを見せれば攻撃してくる。
日本が謝れば韓国が許してくれる、と考えるのは甘い幻想だ。彼らは力で日本を完膚なきまでに屈服させなければ満足しない。韓流ブームは表の笑顔で、その陰で憎悪が渦巻くように中韓国民は教育されている。
日中・日韓外交はバワーバランスの上で成され、互いの思いやりなど存在しないと覚悟すべきだ。
米国は日韓の対立を望んでいないが、日本政府の失態により事態は複雑になった。
2008年の自民党時代、ブッシュ大統領が訪韓する直前、ライス国務長官に竹島について検討させ、彼女は同島を「韓国領」に改めた。その結果、米国地名委員会では今でも韓国側の名称である「独島」と記載している。
その直後、町村官房長官は記者会見で、“米政府の一機関のやることに、あれこれ過度に反応することはない”と述べ、静観した。
これは外交上の大きな失策だ。自民党政権は公式に厳重抗議を米国に示すべきだったのに、今となっては、異議申し立てをしなかった事実が深刻に日本外交の足を引っ張り、国際司法裁判所への提訴にも悪影響を与えることになる。
日本の国力は弱くなったが、それは中韓も同じだ。
今、中韓は元気だが、日本以上の所得格差や失業問題を抱えている。更に中国では民族対立があり、将来に渡って安泰とは言えない。三国が老いれば争う気力は失せ、今の事態は収束するはずだ。
画像は足立野外彫刻展設置候補作品。
模型審査で私の作品は上位数点に残ったが、
最終的に有名作家が大賞を受賞して足立区の公園に制作されて設置された。
この作品の実制作は大変難しく、大賞を逃して私は深く安堵した。
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