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2012年8月14日 (火)

SNSの問題点と卵シリーズの絵の出来事。12年8月14日

今日もさわやかな風が仕事部屋を吹き抜ける。
開け放った窓からは蝉の声に交じって夏祭りの笛の音が聞こえた。心地よく明るい夏の午後だ。

10年以上前、パソコンを始めた頃、地域限定のネットワークに登録したことがあった。書き込みを数回したが、自分には向いていないと分かりそのサイトから離れた。

少しして、
「先日、あなたのことを聞いていた人がいたけど、何かあったの。」と近所の奥さんに聞かれた。
その日時を聞くと心当たりがあった。チャイムが鳴ったような気がして玄関を開けると、通路で40前後の男性が彼女と話しているのが見えた。
「あの日は1日絵を描いていましたよ。どうして私に直接聞かなかったのだろう。」
私は訳が分からず不審に思った。
「その人、お宅が留守だから家に来たと言っていたわよ。」
彼女も怪訝な顔をした。
後で、男はネットの管理人ではないかと思った。
文句があるなら直接聞けば良いものを、気の弱い人だったようだ。

その時、登録情報は本人が知らないところで一人歩きするものだと実感した。ネットに公開するリスクは知ったが、もっともっと怖い目に何度も会っているので、それくらいのリスクは気にならなかった。

ネットが発達してから、羊の皮を被っていた大衆がオオカミに豹変するようになった。ネットは匿名性が高いので、一見人の良い気弱な人が過激な個人攻撃を繰り返したりする。

昔は拡声器と呼ばれるおばさんがどの町内にも一人はいて、大事なことは絶対に彼女に話さなかった。その逆に、拡散機能を利用して、悪い噂を流す者もいたがそれほど広くは伝わらず、だいたい75日で雲散霧消していた。もっとも、噂に関わる人は簡単に特定できたので節度は守られ、今ほどひどい噂は流れなかった。

しかし、今の「拡散」は往々にして良識が欠如し、いつまでも変身し続けて行くので不気味だ。良い方向に使いこなしている、と主張する方もいるが、反論を拒否する炎上なる嫌な言葉もあるので、やはり好きになれない。原則、発信源を公開している情報は評価するが、匿名の情報は信頼しない。

画像「寂しい卵」
地表に横たわっているのはスタンリー・キューブリック監督の名作「2001年宇宙の旅」に登場するモノリス。絵は、モノリスによって人は知恵を身につけ、同時に孤独に悩むようになった・・・との寓話を描いた。

Mm_1

昔、役所後援のある団体のイベント広告のポスターを依頼された。急な仕事で納品までの時間がない。描き置きしていたこの絵があったので、緑あふれる地表と明るい空に描きかえた。
同時にデザインも頼まれていたので、イラストレーターを使って指定通りにロゴなどを配置した。

しかし、刷り終えてからトラブルが起きた。
役所の担当部署にポスターを提出すると、指定マークが1ミリ大きいから絶対に配布はならぬと言う。
それは双方の計測基準の違いで、役所は囲み枠の大きさ、私はマーク自体の大きさを計って配置した。その結果、枠線の1ミリ分大きくなった訳だ。担当役人はデザインを精密機械と同一視しているようだった。マークサイズが指定より50分の1大きいとしても誰にも分からないはずなのだが、役人の杓子定規に辟易した。

ポスターはA0サイズを2万枚刷り終えていた。
イベントは間近で今更刷り直しは不可能だ。困り果て、急遽つてを頼って、その役所に繋がる大物代議士に相談することにした。その日の深夜、議員と都内のホテルで会った。議員は一通りいきさつを聞いて、理不尽なクレームに深く同情し善処すると確約してくれた。

翌日、担当部署に出向いた。
「お忙しい先生のお手を煩わせなくても、ご相談いただければすぐに納得いたしましたのに。」
彼らは前日の横柄な態度から手のひらを返したように愛想が良かった。
かくて、ポスターは無事に全国各所に配布された。
後日、ポスターは関係役所にも配布されたが、実際に貼り出されたところは何処にもなかったと聞いた。

そのような経緯で、この絵は存在しない。
ポスターに使った描き変えた絵はその団体に寄贈した。
その後、この絵は下の卵シリーズの絵に繋がっている。

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