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2012年9月 1日 (土)

Eテレ・ニッポンのジレンマ 僕らの楽しい資本主義とフェルメールブルー 12年9月1日

目覚めると窓から涼しい風が吹き込んでいた。それは忘れていた秋の風だ。
昨夜は川向こうのライフでニュージランド産のリンゴを買って月明かりの道を帰った。そのリンゴは一日の今朝、仏壇に供えた。

昨夜のEテレで、「新世代が解く! ニッポンのジレンマ "僕らの楽しい資本主義" 」を見た。出席者の平均年齢は26,7歳。企業経営者に学者にと第一線にいて、利益を上げているのがすごい。

断じて良い年寄りなんかにはなりたくない私は若者たちのあら捜しをした。

真っ先に気づいたのは、ネジ1本、米一粒、一枚の絵、心を打つ音楽、そのどれも彼らは作っていないことだ。どうやら、彼らは新しい階級社会のお気楽階級に属しているようだ。
そして彼らには、自分たちを支えている底辺の若者たちへの視線が欠落していて、新味も面白さもなかった。

それでも彼らが出る幕があるのは、今の大人たちが愚かすぎるからかもしれない。大人はものの作り方やものの売り方は知っていても、お金の使い方も仲間の作り方も楽しみ方もしらない。それで、大人たちは彼らを必要としたのだろう。もし、大人が柔軟な頭を持っていたら、彼らの出る幕はなかったはずだ。

村社会を復活させ、つながりや助け合いを重視している点にはやや見るべきものがあった。しかし、それは時代が失ったものを再構築しているにすぎない。
今ある深刻な格差を埋めるのに、彼らが有効に働くとは思えなかった。それに対して出席者の古市と言う若い社会学者が問題提起していたが、具体性に欠け実行力は感じなかった。

社会がやるべきことは大人が柔軟な思考力を身につけることだ。そうすれば彼らは真っ当な若者世界へ復帰して背伸びする必要はなくなるはずだ。

そう言えば、大人が満々と自信を持っていたバブルの時代にも、番組を連想する情景が無数にあった。
当時、私の姪は大学を卒業したばかりだったが、ある女性企業家に目をつけられた。

企業家は若者の発想で自由に使ってみなさいと1億円を姪に提供した。姪は一瞬だけマスコミに注目され、あっと言う間に1億を使い切って会社を倒産させてしまった。

姪より番組に出席していた若者たちは有能だ。しかし、柔軟な思考力をなくし、人生の楽しみ方を知らない大人を相手にしている点は酷似していた。もしかすると彼らも、姪と同様にバカな大人が生んだあだ花なのかもしれない。

それにしても、お気楽な番組だった。
世界で起きるの天災被害金額の26%を引き受けている日本で、確実に起きる過酷な天災とエネルギー・食料問題と少子高齢化を若者たちは生き抜かなければならないのに・・・出席者たちは重い現実に目を背けているのでは、と思ったほどだ。

重いから、気楽にしてあげようとのNHKの親心かもしれない。しかし、若者はそんなことは期待していない。少々重くても現実を受け止めようとの姿勢を持っている。
今必要なのは、グイグイと苦言を呈する硬派の大人かもしれない。


8月は大して仕事をしなかった。気乗りしなかったのは暑いだけではない。好きな色が廃止された影響も大きい。
リキテックスのプルシャンブルーは好きな色だったが、8月初めに補充に行ったら廃止され、良く似た合成の色に変わっていた。新色は色味は似ているが品格がなく下品だ。工夫で元の雰囲気は出せるが釈然としない。

廃止の原因を画材屋は製造過程でシアン化合物が出るからと言っていたが、その程度なら取り除くのは簡単だ。むしろコストの問題だろう。しかも、放射性セシウムを吸着することで注目されているプルシャンブルーが廃止されるはずがない。
他社でも出しているが、色味がまるで違う。

他にも大好きだったフーカスグリーンが昔廃止された。こちらはホルベインが全く同じ色を出していたので、今もそちらを使っている。

絵描きに取って好きな色が廃止されるのはとても辛い。
しかし、逆に美しい新色が登場すると嬉しい。

フェルメールブルーと呼ばれる青がある。「真珠の耳飾の少女」が頭に巻いているブルーだ。一般的にはウルトラマリーン、日本画では群青と呼ばれている。

フェルメールの時代はアフガニスタン辺りから輸入した宝石のラピスラズリを粉末にして精製して作った。当時は、良質のものは金より高額だった。

中世絵画にこの青を見つけると、この色に出会ったヨーロッパの画家たちの驚喜が画面から伝わってくる。聖母マリアの衣服にもよく使われるので、マドンナブルーの別名がある。

フェルメールの時代の絵の具は画家が使うだけ自分で作っていた。大理石の上で丹念に顔料と油と練り上げる作業は弟子たちの仕事で、殊に高価なウルトラマリーンには細心の注意を払ったことだろう。
今のウルトラマリーンは合成であるが、売れっ子の日本画家は高価な本物の群青を使っている。

フェルメールは高価なウルトラマリーンを使ったが、晩年は零落し極貧の中、43歳で死んだ。オランダが戦乱に巻き込まれ、絵画市場が縮小したこと。パトロンが死んだこと。新人が台頭したことなどによるものだ。当時は描かれた人物の数で絵の値段が決められた。彼は群像を描かなかったのでその面でも大変だっただろう。

画像は9月1日の川口方面の空

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