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2012年11月29日 (木)

老い様々。12年11月29日

東京北社会保険病院下の桜並木に「何でも屋」がある。本当の名前は違うのだが、小さな店なのに野菜から佃煮、弁当まで揃え、店先では立ち飲みもできる。それで勝手に何でも屋と呼んでいる。
店主は私と同世代のインテリで純朴な人だ。彼は5年前に胃がんの手術をして命を取り留めたが、今も再発の不安を抱えている。

昨日は新橋の姉の店へ行ってから銀座へ回った。
クリスマス飾りのイルミネーションが美しい。知人の個展に寄ってから有楽町駅前のビックカメラでプリント用紙を買って京浜東北線に乗った。
北赤羽駅ではなく一つ手前の赤羽駅で下車した。我が家までは3キロの夜道。いつもは7時に閉めている桜並木の何でも屋がまだ開いていた。海苔が切れているのを思い出して店に寄った。

何でも屋の店主には85歳の母親がいる。頭も体も元気な人で、時折レジに立つ。そのおばあさんが春先に体調を壊し、今は回復したと聞いているがまだ姿を見ていない。
「お母さんはお元気ですか」
代金を支払いながら聞くと「何とか元気になってくれました」と応えた。

店主は礼を言ってから唐突に聞いた。
「篠崎さんは介護経験があるから聞くけど、親は必ず死ぬものなのに、どうして皆、いつまでもお元気でって聞くのだろう」
彼は不満げだった。そう言えば私も母の介護をしている頃、人に「お母さんはいつまでもお元気でいてください」と言われるのが嫌だった。しかし、死別して喪失感に晒されてみると、皆が「いつまでもお元気で」と言う訳が身を以て分かった。

「いつまでも生きていられては介護が大変だけど、死なれしまってからの喪失感も辛いですから・・・」
彼にそのようなことを話した。
「それは、死なれてみないと分からないことですね」
彼は応えながら、納得できない様子だった。老いや死を納得しようとしているのに、いつまでもお元気でと言われることの理不尽さを彼は感じているのかもしれない。

今日は画材の面相筆を買いに池袋へ出た。
帰りに、赤羽駅高架下のスーパーに寄った。野菜を買ってレジに行くと、80過ぎのおばさんがレジ前で戸惑っていた。足が不自由で、並ぼうとしても他の客に先にレジ台に買い物かごを置かれてしまう。可哀想なので、おばあさんから買い物かごを取ってレジ台に押し込んであげた。

そのようなおばあさんを見ると、死んだ母が生前もし一人暮らしだったら、そんな風にまごついているだろうと思ってしまう。だからついほっとけなくなる。
年寄りが老いるのは速い。そのおばあさんが一人で買い物へ行けるのはあと1年もないだろう。それから先、どうなるかは考えないことにした。

先日、深夜放送の「最後の忠臣蔵」2010年作を録画で見た。 ストーリーは今一だが、大石内蔵助の隠し子役の桜庭ななみの清楚な美しさに目を見張った。きちんと作られた時代劇を見ると、日本文化の素晴らしさを実感する。見終えた後も、凛とした清々しい余韻が残った。

画像は日本生命倫理学会の表紙に使った絵。この鹿の絵は人気があるので色々使う。

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