ご近所にドライバーを貸した。12年11月3日
昨日、近所の方がドライバーを借りに来た。右手が不自由な方なので時間をおいて様子見に行くと悪戦苦闘していた。始めから手伝えば簡単だが、少しだけ自主的に努力してもらうことにしている。
彼が悪戦苦闘していたのは新しく購入した電子レンジのアースをつなぐ作業だ。
我が家のアースは大きなグリップがある無骨な旧式だ。これならドライバーなしでも指で緩めてアース線を簡単に接続できる。しかし、彼の部屋は最近改装したばかりで新式になっていた。
それは外蓋を開いた奥にネジがあり、アース線の先をカギ状に曲げてネジの抑え金の下に潜らせて引っ掛けてから締める方式だ。壁にフラットに収納されて見栄えはいいが、普通の人でも難しい作業になる。
「どうして、誰にでも出来る形にしないのだろう」
心の中で文句を言いながら素早く接合した。
彼は医師資格があり、以前は病院勤めをしていた。
しかし、40代で倒れ右手が不自由になって病院勤めを辞めた。今は年金暮らしの高齢の両親と暮らしている。老親の介護は間近かで、介護経験の長い私は介護施設や介護保険について何かと頼りにされている。
作業が終わると、傍らで眺めていた彼と父親が嬉しそうに礼を言った。
改装したての部屋の畳の匂いが心地良い。
明るい部屋で、三人で雑談していると心が暖かくなり、ふいに、賑やかだった頃の我が家を思い出して懐かしくなった。
家族はかけがえのない素晴らしいものだ。子供が生まれ、成長して家族を作り親を支える。その連続があるから多くの人は恐れずに老いることが出来た。
しかし、様々な理由で彼や私のように家族を持たない者がいる。ブログを書いていると、広大な人の広がりの中にポツポツとそのような孤独が見えて来る。
彼らの多くは覚悟の上のことで多くは語らない。しかし、慟哭のように小さな小さなうめきが、遠い風鳴りのように聞こえて来ることがある。
画像「おじいちゃんのバス停」
おばあちゃんの家は 霧の中に浮かんでいた
ぼくたちは ワクワクしながら バスをおりた
「霧が 晴れる前に むかえにきます」
山ウサギのしゃしょうさんが 言った
「お帰りなさい」
家の前で おばあちゃんが 待っていた
「前に会った時は赤ちゃんだったのに すっかり大きくなって」
おばあちゃんは うれしそうに ボクのほっぺを やさしくなでてくれた
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