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2012年11月 9日 (金)

人生はデジャブの連続。12年11月9日

最近、テレビとPCを止めておく時間が長くなった。おかげで、時間が少しゆっくり流れているような気がする。

肌寒くなったので、人形のお雪さんに母が作ったフエルトの羽織を着せた。袖にちっちゃなお雪さんの手を通しながら、母が「ごめんごめん。寒かったでしょう」と着せていた姿を思い出した。

お雪さんの前髪が少し延びている。髪の毛に使っている絹の穴糸のよりが緩んだためで、けっして不思議な現象ではない。伸びて不揃いになった分を切りそろえた。

午後、買い物へ出かける時、同じ階に住むおじいさんが玄関前に置かれたゴミ袋を見ながら「誰がゴミを置いたのだろう」と怪訝な顔をしていた。最近少し認知症が始まっていて、自分の家を間違えたようだ。
「お宅はお隣ですよ」と教えると、「最近、物忘れがひどくて」と頭をかきかき自宅へ向かって行った。
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昨日は酉の市へ出かけた。
40年以上、このお詣りは一度も欠かしたことがない。

王子駅で下車して都電荒川線へ乗り換える。真昼の日に照らされた都電の線路を跨ぐ陸橋の青い階段を上りながら、ここのシーンは以前もあったと思った。

デジャブは軽い喪失感を伴う。しかし、同じ記憶を繰り返すのは本当は良いことだ。デジャブを伴わない新しい体験は楽しいものだけではなく、殊に私の歳になると、老いとか病気とかとても重いものが多い。

都電を15人ほどが並んで待っていた。
その中で一番若いのが私で、80代の老人も混ざっていた。後10年も過ぎたら、この人たちの半数以上は消えて居なくなるはずだ。多分、私も消える一人だと思っている。

やって来た都電はレトロな作りだった。木目調の内装と暖かい照明が心地よい。乗客の殆どは老人で、ふいに、「千と千尋の神隠し」の浅瀬を進むと路面電車を思い出した。

酉の市は空いている真昼を狙ったが、それでも鷲神社には長蛇の列ができていてお詣りまで20分ほどかかった。Depa2

鷲神社から浅草の観音様へ回った。

本殿でお詣りしていると、傍らで若いおばあさん二人が孫らしい5,6歳の男の子に和気あいあいとおみくじを引かせていた。
「あっ・・・凶だわ ! どうしよう ! 」
私と同年輩の二人はうろたえて真顔になっていた。
気の毒になって声をかけた。
「大丈夫ですよ。私は6回連続凶を引いていますけど、悪いことは何も起きていません」
そう話すと二人はちょっと安堵していた。しかし、落ち込んだ気分は簡単には治らないだろう。

山門近くの売り場では5人連れの若い女性がおみくじを引いて二人が凶。最初に凶を引いた綺麗な女性は引きつった顔で落ち込んでいた。

浅草の観音様は日本一凶の比率が多いので有名だが、私の体験でもいい気分ではない。もっとも、私のように6回連続はまずいないと思うが・・・

画像は子供の頃の実話を元に描いた。
5,6歳の頃、田舎から博多へ連れて行ってもらった時のことだ。
田舎者の私は見たこともない立派なデパートの玄関で、本当に靴を脱いでしまい母や姉たちに大笑いされた。

画像「おじいちゃんのバス停」

おじいちゃんは 目をさました
「キツネたちと山バスで おばあちゃんと 旅行して来た」
おじいちゃんは 楽しそうに夢の 話しをした

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