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2012年12月11日 (火)

上野発の電車で小旅行の気分を味わった。12年12月11日

暮れになると九州の漁師町の知人たちから海産物や焼酎が届く。一人では食べきれないので、新橋の姉の店へ届けた。リュックに詰め込むとズシリと重くなった。

新橋は昔と雰囲気が変わった。昔は空いている店が少なく、飲みに行くと落ち着くまで数軒は梯子した。今はどの店も空いていて、流行っているのは格安の焼き鳥屋くらいだ。

「時代が変わったのだから、仕方がないね」
姉は暇でも焦った様子はなかった。子供の頃から浮き沈みが激しい家庭で育ったので私の身内は逆境に強い。一人で店を任されている姉はのんびり話していたが、従業員のいる店は大変なようだ。

客が入らない、ものが売れない、そう言われ続けて久しい。今回の選挙でも各政党は経済の賦活を約束しているがどれにも違和感を感じる。ものが売れないのは買いたいものがないからだ。食品や衣服は必要なだけあれば十分で、電化製品や車など不要不急の品は購買意欲を刺激しない。
その一方、本当に良い品は高くても売れている。私の使っている手作りの爪切りは高額だったが世界中に売れている。生産現場が新しい価値観を理解しないと、これから生き残るのはとても厳しい。

食品を渡してから、ゆっくり姉と雑談した。以前の姉はしみじみとした話しが出来なかったが、母と死別してから共通の話題が増えた。共に次に逝くのは自分との思いがあり、安上がりな死に方について盛り上がった。

新橋の店から銀座へ回って知人が出品している新人のグループ展を覗いた。新人ばかりでは集客力がないので売れっ子画家の知人の作品が加えられた訳だ。売れていたのは安いハガキサイズばかりで、4号以上の売約済みは皆無だった。これでは企画した画廊も憂鬱だろう。知人の作品は別格だが、大多数の新人作品は目新しさも若いエネルギーもなく、売れないのは当然だと思った。

日が暮れないうちに御徒町へ寄って食材を購入し、上野駅から高崎行きへ乗車した。京浜東北線が人身事故でダイヤが乱れているせいで、いつもより乗客は多かった。ボックス席が空いていたので腰掛けた。相客は小さな女の子と若いお母さん。数分後に足の悪いおばあさんが乗って来たのですぐに席を譲った。すると若いお母さんが女の子をだっこして席を空け私に薦めた。次の赤羽下車だから大丈夫と断っていると、更におばあさんが乗って来たのでそちらに譲った。

ボックス席傍らに立つ私と同年齢の男性を交えてボックス席の女性たちと世間話をした。足の悪いおばあさんは72歳で、大阪の病院で両膝を人工関節に代える手術をしたと話していた。私以外は高崎へ帰る人たちだ。後から来たおばあさんの話しでは、寒波のせいで、今朝の高崎は雪が舞っていたようだ。
赤羽までの10数分、小さな旅行をしたようなほのぼのした気分になった。赤羽で下車すると、高崎へ向かう相客たちは窓越しに手を振っていた。

今朝のニュースで上越国境の武尊山での遭難を伝えていた。東京から遠い距離ではないのに山はすでに厳冬のようだ。武尊山の若い二人は無事救出されたが、他の山では死者が出ているようだ。

写真は新河岸川。冬陽射しの午後の曳き船。

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帰宅してから、銀座で作品を見た女性画家に電話した。彼女は神奈川の裕福な旧家の出で、広いアトリエで制作している。彼女は私より二回り近く若い。43歳と中年になって絵描きに転向した私には絵の世界の先輩でもある。彼女には色々と絵市場について教えて貰い感謝している。

共に独り身なので話題は共通する。私の絵を喜んでくれた母と死別してから絵を描く意欲が薄れたと話すと、その気持ちはとてもよく分かると言っていた。彼女も母親を喜ばせるのが最大の喜びで、それが制作意欲に繋がっている。だから、母親が逝くのが恐怖だと話していた。
私が死別から2年半過ぎて、やっと自分の為に絵を描くことが出来るようになったと話すと、彼女はとても納得していた。

今日のニュースでは米国情報機関が4年かけて纏めた「世界潮流2030」が気になった。
これから20年間に18世紀から続いた西欧中心が反転し、経済政治の中心はアジアに移る。米国は軍事力と国力でトップは保つが、だんとつトップの位置は失なう。

中国はGDPで日本の2.4倍で世界一になる。人口が中国の10分の1以下の少子高齢化の日本が、経済力で2.4分の1を保つのは健闘していると私は評価しているが・・・ただし、中国も少子高齢化に入り、2016年をピークに活力は低下する。総体的に後退しているのは日本だけでなくヨーロッパも同じだ。

これは現代の価値観で計った予測で、2030年には物ではない心を重視した新しい価値観が生まれているはずだ。それはお金ではない生活の満足感によって計るもので、それだと予測は大きく違ったものになる。

私の経済予測もかなり違う。江戸時代の鎖国日本のような国の中で完結する省資源型経済へ収束し、大量生産による安価な商品ではどの国でも利益は出せなくなっている。食料とエネルギーの自給率の高い国は強く、その意味で米国の世界一は揺るがないはずだ。

極めて優良な農地を抱えている日本は完全自給は無理でも80%くらいは実現可能だ。エネルギーと資源も近海にメタンハイグレードとレアメタルが世界有数の埋蔵量がある日本の未来は暗くはない。一説では戦略的な理由で日本はその情報を世界に開示していないと言われている。

画像は昨夕の富士。

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