あっという間に七草。13年1月7日
早くも七草。去年の七草が昨日のことのように思える。年々、月日が過ぎるのが早くなって行く。
・・・七草なずな 唐土(とうど) の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に 七草生やす ・・・昔、母が口ずさんでいたように、七草をトントントンと細かく刻んだ。それから五穀米と出汁で七草がゆを作った。とても美味しい。
今回もおせち料理を作りすぎて、無理に一人で平らげている内に、ズボンのベルトがきつくなった。体重を計ると1.5キロ増えている。増加分は内臓脂肪だろう。元々、コレステロール値がとても高いので看過できない。正月から7日目にこのようなさっぱりした食事を摂る伝統はとても合理的だ。
今朝は松飾りを外して鏡餅を冷蔵庫にしまい、正月飾りは総て我が家から消えた。
お屠蘇は5日に飲み干しセットを洗って陰干しして置いた。屠蘇セットの箱をしまう時、次も無事にセットを取り出して飾ることが出来るだろうかと感傷的になってしまう。それでも年中行事は止めずに続けて行きくつもりだ。伝統に身を置くことでアイデンティティーを失わず、人生の喪失感を軽くできる。
毎年、正月には家族について考える。豪華な正月の食卓に一人の場面と質素だがにぎやかな家族に囲まれた場面。比較すれば後者が幸せに決まっている。それは全世界に共通することで、宗教、民族に関係なく新年の祝いは賑やかに迎えたいと願っている。しかし、近代の核家族化はそれを難しくした。私のように一人で新年を迎えた人はとても多い。正月は豊かさの意味を問い直す時期でもある。
東京北社会保険病院下公園の夕景。
小惑星探査機の「はやぶさ2」の計画がいつのまにか潰れた。
はやぶさ2には約300億円の費用がかかる。2013年度分として、文部科学省は114億円を要求しているが殆ど認められそうにない。そのことについてはマスコミも無関心で、世論の高まりは期待できない。
「はやぶさ2」が目指す小惑星1999 JU3に到達するための打ち上げチャンスは、2014年12月・2015年6月・2015年12月と3回しかない。もし、このチャンスを逃すと次の10年後の2024年しかない。そのころは小惑星探査機打ち上げのノウハウはほとんど失われている。
相変わらず、現場は優秀だがトップに戦略がない。それで想起したのはパナソニックとゴルフの石川遼との契約解消だ。石川遼の広告塔の効果は大きいが、パナソニック本体が大赤字で広告費用を削る必要に迫られてのことだ。
ソニー、シャープ・東芝などの他の電器業界も似たような苦境にある。苦境に陥ったのは韓国・台湾・中国との競争に負けた結果だ。この国際競争の真実は日本企業対日本人技術者を使った海外企業の戦いだった。そのように先端技術が流失したのは、企業トップが無能で優秀な技術者を腐らせ海外へ走らせた結果だった。
iPS細胞は山中教授の功績だが、実用化技術では海外に日本は大きく遅れをとっている。その原因は政策の拙さに尽きる。先の「はやぶさ2」同様に政治家と官僚に日本の未来を見据えた戦略が欠如していることにある。
未来を見据えると犠牲にする分野が必ず出る。困ったことにそのような分野ほど大きな政治力がある。だから、為政者は拙いと分かっていても未来を見据えた合理的な予算配分ができないでいる。そのような政府を許している責任の一端は国民にもある。
昨夕の奥日光遠望。
毎年、歳の近い知人たちを見送っている。今年も何人か見送ることになりそうだ。
彼らの殆どは病院で死に至までの終末期を過ごす。在宅で家族に看取られるのが一番だが、介護する側の環境と資質の問題があり現実には難しい。
独り身の私は死ぬと分かったらホスピスに入り、延命治療を一切やらず速やかに楽に死にたい。そのように速やかに死ぬ者が増えたら、破綻寸前の健康保険は改善するだろう。
しかし、いつ死ぬかの診断基準はとても難しい。ガンのようにほぼ正確に死期を予想できればいいが、老衰ではダメと分かってから2,3年生き続けることはよくあることだ。もし、そのような老人がホスピスに入ったとしたら、現実には死ぬ前に追い出され病院間を死ぬまで漂流し続けることになる。だから、死期がはっきり予測できるガンは案外良い死に方かもしれない。
昨夕の丹沢連峰。
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