エネルギー政策における原発再起動と、ノンポリ・オタクの怒れる論客・宇野常寛 13年2月17日
昨夜のNHKスべシャル、日本新生「どうするエネルギー政策」で原発と再生エネルギーが3時間に渡って討議された。去年、原発停止により火力発電所の燃料費が3兆円増加している。円安が進行しているので更に6000億は加算されそうだ。この状況は経済再浮上への大きな足かせだ。
再生可能エネルギーは固定価格買取制度を追い風に伸びているが、原発と火力を補うのは難しい。討論で感じたのは、経済が議題のエネルギー問題に重くのしかかっていることだ。もし経済が破綻したら、今抱えている膨大な高レベル廃棄物を処理する費用すらなくなり、最悪、原発や廃棄物保管所が廃墟化する危険をはらんでいる。原発は止めても再稼働してもリスクがあることを覚悟すべきだ。殊に核廃棄物保管は絶対に逃れられない重い課題だ。
再稼働について考えなければならないのは、福島第一の事故原因は人為的ミスで100パーセント防げた事故だったことだ。話題にはならないが、同じく津波被害を受けた福島第二原発は緊急安全策が功を奏し全ての原子炉が冷温停止している。第二も第一と同じ危機的状態であったが電源を人力で確保できたことで重大事故へ至らなかった。要はバックアップ体制が整っていれば事故は防げたと言うことだ。
福島第一の問題点は最初からGEの欠陥システムだったことだ。米国でも幾度となくその欠陥が指摘され対策を講じる機会があったのに監督官庁も東電も黙殺した。
津波については、建設場所は津波が到達しない海辺の高台であったにも関わらず、冷却水をくみ上げるのにコストがかかる、との理由で海面近くまで掘り下げて建設された。加えて、主電源室とバックアップ電源室、配電室、などの主要設備を海水に浸かる地下に設ける致命的な設計ミスがあった。
水素爆発については、100年前から高温の金属を扱う工場では天井に水素の抜き口を設けるのが常識だった。原発でもその危険があるのに、水素発生への対策がなされなかった。
更に、電源が落ちた時の原子炉の無電源で働く非常冷却装置が働かなかった。
緊急策の海水注入についても東電幹部が反対して遅らせている。
東電が後から渋々設けたベント設備には絶対に必要なフィルターが無く、膨大な放射性物質を拡散させてしまった。
今回の事故原因は官民の失策で、ローテクで容易に防げた事故であったことが明らかになっている。もし、真摯に対策を講じていたら今回の原発事故は起きず、自然豊かな福島の地を汚すこともなかった。繰り返すが、不可抗力の事故ではなかったことを再認識すべきだ。
視点を変えて討論にはなかったことから考察してみる。
現在、核爆弾と運搬手段を持った国が世界に10ヶ国ほどある。その核が暴発して被害が出るリスクと、原発再稼働のリスクはどちらが高いだろうか。事故への反省に立った安全策を講じれば、原発の方が遥かにリスクは小さい。
とは言え、核のリスクはゼロにすべきで、核兵器も原発もなくすのが一番の方法だ。しかし、すでに原発は深く経済と絡んでしまい、簡単には切り離せなくなっている。脱原発に成功しつつあるドイツですら、現在、9基の原発が稼働している。ヨーロッパ全体では150基が稼働中だ。世界では今後2000基近くの建設計画がある。言いたいのは、人類はすでに重大な危険と同居し、日本が再稼働させようとさせまいと、一蓮托生の運命共同体にいることだ。
それでも再生可能エネルギーは建設を緩めてはならない。エネルギーの地産地消を考え、消費地近くに蓄電システムと組み合わせた、低出力の水力発電、波力発電、地熱発電など広く設けることで、高コスト体質を改善できる。
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深夜はETV特集「ノンポリのオタクが日本を変える時・怒れる批評家・宇野常寛」を聞いていた。この33歳と若い論客は若者にカリスマ的な人気がある。出版人の集まりでも、彼の出版界への攻撃は淀みなく速射砲のように辛辣で、編集者たちはまともに反論すらできなかった。彼は雑誌は滅びると言っていたが、私もそれに近い考えだ。雑誌の内容が無意味だからではなく、情報はネットの方が多様でスピードがあるからだ。
彼は「三丁目の夕日」的なノスタルジーと既得権益を攻撃し否定していた。私は彼が本気で攻撃しているとは思わない。ノスタルジーの要素は多様で、例えばジブリアニメなど文化の殆どはノスタルジーで構成されているからだ。宇野常寛氏はAKB48の熱心なフアンだ。今から30年後の63歳の彼がノスタルジックにAKB48を振り返ることを否定するだろうか。私はそれはないと思っている。
既得権益の否定は共鳴できる。しかし、世間に認められていない極めて優秀な若手論客がいたとしたら、その彼は宇野氏を既得権益の中にいると見るだろう。28歳で単行本を執筆し、都心に事務所を持ち専任の若者を雇い、各マスコミから引く手数多の彼はまさしく既得権益の中にいる。既得権益の多くは実力で勝ち取ったもので、真っ向から否定できるものではない。安定した権益があるからこそ、力のある者はそれを目指すのである。
優秀な彼ならその矛盾を十分に承知しているはずだ。彼は若者の支持を得る為に便宜的にノスタルジーと既得権益を否定しているだけだ。だからこそ、ノンポリのオタクを自称している彼に若者の支持が集まるのだろう。
番組中で彼は情報収集能力のあるものは編集能力も優れていると話していた。熟年以上の者たちは情報収集と分析能力に長けた彼の言葉を聞いて若者像を理解する。それが正確な若者像だとは限らないが、とても手軽で便利な方法だ。その需要があったから彼は時代の寵児になれた。
彼は若者と老人を対立させているが、それはいつの時代でも若者の自然な姿だ。若者は対立することで老人社会を乗り越え、新しい時代を作って来た。
高齢化した都営桐ヶ丘団地。坂が多く自転車を老人がソロソロと押して行った。
スズカケの冬枯れの梢と昼間の月。
昨日は巨大隕石落下と小惑星の通過でニュースはにぎやかだった。
落下隕石は15メートルで1万トン。それが秒速15キロで突入した映像には目を見張った。それが動画として残されたことも驚異的だ。
実は18年前、私もこのような出来事を目撃している。明るい午後、桐ヶ丘団地への道を歩いていると西北の空に今回を小規模にしたような煙りが見えて、どーんと大きな音が聞こえた。
飛行機雲と衝撃波とも考えられるが、煙りの形が飛行機雲とは明らかに違っていた。その日のニュースで茨城に隕石が落ちたと報道していた。もしかすると、あれは破砕した隕石の一部だったかもしれない。
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