春陽射しに、パックインミュージックを想い出した。13年2月28日
朝から好天で風もなく暖かく、散歩していると背中が汗ばんできた。
今日は30年前に暮らしていた赤羽台の住宅地を歩いた。近くの小学校から管楽器の合奏が聞こた。この音はとても懐かしい。当時は夜昼逆転して仕事をしていて、お昼にこの音で目覚めていた。
仕事が夜昼逆転していたのは祖母と父の介護をしていたからだ。昼間の介護は母に任せ、夜間は私が仕事をしながら介護をした。おかげで母は毎夜安眠できて体を壊すことはなかった。
私がすることは・・・呼ばれたら水を飲ませたりトイレ介助をした。父は目覚めるとよくタバコを吸っていた。これは危険で、何度か落ちた火種で布団が燃え、あわてて消したことがあった。危険なので、何とかタバコを止めさせようとしたが父は死ぬまで止めなかった。
夜中は仕事をしながらTBSラジオのパックインミュージックを聞いた。一番好きだったのは金曜のナチチャコパック(野沢那智・白石冬美)だった。リスナーからの投書「御題拝借」や、短編ドラマ「デカメロン」「金瓶梅」の二人の朗読は楽しかった。
エンディングの「シバの女王」が流れて2部に変わる頃に朝を迎え、起床した母にバトンタッチして私は寝た。深夜の仕事は孤独でラジオにはとても癒されていた。パックインミュージックは他に林美雄担当の水曜日と愛川欽也担当の木曜日が好きだった。
野沢那智氏は2010年に72歳で亡くなった。白石冬美氏は今も健在で、昔個展をした時に何度か来てくれた。二人は声優として高い人気があり、野沢那智氏はアランドロンの吹き替えが耳に焼き付いている。彼は文才もあり、ベトナム戦争の頃に現地を訪れた時の、原色鮮やかな寺院や僧侶を描写した語りは今も強く印象に残っている。
突然、野沢那智を思い出したのは、昨日のお昼のTV映画で「ジャイアンツ」1956年を見たからだ。それは野沢那智が吹き替えしたジェームスディーン最後の出演作だった。
「ジャイアンツ」を最初に見たのは昭和30年代初頭の中学生の頃だ。宮崎での封切り前にテーマ曲が全国的に大ヒットしていたので、当時の若者たちはこぞって見に行った。
映画はテキサスの大牧場主ベネディクト家の30年間を描いた大河ドラマで、第29回アカデミー監督賞を獲得している。女性の自立や人種問題も含んでいて、今見ても先駆性がある。しかし、中学生だった当時は、レズリー(エリザベス・テイラー当時23歳)の美しさや、ジェット・リンク(ジェームズ・ディーン当時24歳)の格好よさに目を奪われていてた。
中学生の私には、ジェットが若い貧乏な牧童から大石油王に成功してからも、いつも飲んだくれている姿が理解しがたかった。当時は裕福なら辛いことは何もないと思っていた。しかし、ジェットはベネディクト夫人レズリーに密かに恋心を抱き、それはお金では解決しない苦しみだった。その苦悩が理解できたのは大人になってからだ。
「ジャイアンツ」撮影終了の1週間後の9月30日、ジェームズはサリナスで行われるレースへ愛車のシルバーのポルシェ・550で向かった。そして、カリフォルニア州道46号線を走行中、路線をはみ出してきた学生が運転する車が激突して24歳の若さで死んだ。事故現場近くには慰霊碑があり今も献花が絶えない。
その地点をGoogle地図でCholame, Californiaで検索し、ストリートビューで見ると慰霊碑と彼の名を記した事故現場の看板を確認できる。慰霊碑は小さな公園にあり、敷地一角に休憩所Jack Ranch Cafe がある。回りは広大な起伏のある草原で肉牛が散見され、本当に旅へ出かけたようなリアルな感動があった。事故現場の看板はその地点から北東へ2キロほどの州道46号線と41号線の分岐点にある。
ストリートビューで見たその地点。手前中央の樹木が慰霊碑。
ベネディクト夫人役エリザベス・テイラーは2011年3月23日に79歳で死去した。
ベネディクト2世役ロック・ハドソンは撮影当時は28歳と若かった。彼は1985年にAIDSに感染後、同性愛であることを公表して60歳で死んだ。遺体は荼毘に付されて海に散骨された。
桐ヶ丘団地遠望。
昨夕のNHKニュースは心躍るものだった。
東大の研究チームが日本の排他的経済水域の南鳥島沖海底に日本の消費量の230年分のレアアースが存在すると発表した。濃度は、元素によっては中国の鉱山の30倍だ。水深5000メートルの海底からの引き上げ技術確立の課題があるが、開発の可能性は大きい。
殊に、ハイブリッド車製造に欠かせない「ジスプロシウム」が、中国の鉱山の20倍の濃度で含まれている。LED照明などに利用される「ユウロピウム」は35倍。IT機器に必要な「テルビウム」は16倍。経産省は、来年度から3年間で約40か所を調査し、濃度が高い地点を特定して開発に結びつけたい意向だ。
これにより、中国が事ある都度、恫喝に使って来たレアアース禁輸は使いづらくなる。恫喝に使えば採掘の実用化が早まり、中国の立場が弱くなるからだ。
春一番の花はオオイヌノフグリだ。
今年の春は遅いが、この花だけはあちこちに咲いている。
いつもなら土筆が出ている頃だが、今年は一つも見かけない。やはり寒い冬が原因だ。
先日、画廊から夏に企画展を、と打診があった。しかし、赤字になりそうなので断った。個展は経済的なゆとりがないと無理だ。企画展では基本的な経費は画廊が負担してくれるが、案内状の切手代、額代など雑費は自己負担だ。加えて今は、自分の企画へ向かって一心不乱に描いている最中で、個展へ向けて方向修正するのは厳しい。
株は上がって景気は好転しているが、真っ先に売れるのは宝飾品や高給衣料品だ。絵が売れ始めるのは最後で、景気が落ち始めると真っ先に売れなくなる。だから、絵が売れるのは、好景気になったとしても来年以降だ。絵と同様、一般の給料が上がり始めるのも来年かららしい。
明日は1日だ。散歩帰りに桐ヶ丘生協に寄り、仏壇の花を買った。
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