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2013年3月30日 (土)

アベノミクスは成功するか、テレ朝「朝まで生テレビ」で読み解く。13年3月30日

番組には経済専門家が顔を並べていたが、明快な答えはなかった。
「アベノミクスは早くも株高の結果を出している。しかし、何故巧く行っているのか、よく分からないのが本音です」
出席した専門家たちの殆どが自重気味に話していた。経済専門家たちは、既に起きてしまったリーマンショックや企業の海外移転や円高などの分析は得意だ。しかし、経済学のノーベル賞受賞者であっても、経済の未来予測は不得意だ。これは病気の診断は出来ても治療が出来ない医師のようなものだ。

出席者の分析では、経済状態が上向きになった時に第二次安倍政権は発足して、そこにアナウンス効果が重なり円安株高を生じたようだ。誤解してはならないのは、今は決して円安株高ではない。2007年の第一次安倍政権発足時は戦後最長の2002年2月から2009年3月まで続いたいざなみ景気で、株は18000円を越え、1ドル120円と円安で、企業は50兆の内部保留を積み上げていた。

29日現在の株価は12397円、ドル94円で、まだ遥かに及んでいない。しかし、第二次安倍内閣のアナウンス効果だけで、株価は4割上がり、土地も上がり、海外子会社のドル収入は円安により円収益が激増し、企業資産は大幅に増加した。

株も円安も通常値に対してまだまだ伸びしろがある。米国輸出も伸びていて、余計なことをしなければ景気は上向くはず、が専門家たちの考えだ。前の民主党政権が失敗したのは、余計なことをした結果だと彼らは付け加えていた。

経済は物と金のやりとりだが、物作りの現場については経済専門家はよく分かっていない。それが、我々が置かれている現実と、経済専門家との大きなギャップを生んでいる。国民の感覚では20年以上も不景気が続いている。その原因は中国・韓国などの海外勢との価格競争に勝つ為に、人件費の圧縮が長期に行われ国民の平均年収は10数万円も減り、非正規社員が増大した結果だ。更に企業の海外進出により、多くの国内中小企業が倒産した。そして、企業の地方進出は激減し、小泉政権から始まった公共事業削減により地方は衰退した。

それに対して、円高を利用して海外へ出て行けば済むことと、出席者の一人が発言していたが、それは暴論だ。人はお金のためだけに生きているのではない。日本の風土や歴史や今の人間関係に包まれて生活したいと願っている心情をまるで理解していない。

アベノミクスでの地方へのてこ入れは公共事業頼りで、1000兆の赤字国債は更に積み上げられる勢いだ。今回の国土強靭化計画が東南海で確実に起こる巨大地震に備える計画なら、それは出し惜しみしてはならないものだ。しかし、従来型の不要な高速道路や、護岸工事などに特化していたら、日本の衰退を加速することになる。公共事業に頼らない地方活性化の具体的な青写真が不十分なのは、なんとも危うい。

日本の進むべき道は、もの作りしかない。しかし、経済専門家たちは物作りに言及すると、途端に素人臭くなってしまう。ホンダが米国でスーパーカブで成功したのを、隙間商品のお使いバイクで成功したと、経済専門家の一人が語っていたが、それは大きな勘違いだ。スーパーカブは珍しいからではなく優れていたから売れた。55年前に作られたのに完成度が高く、今も大きな改造をせずに後継車が作られ続けている。それは世界一大量に生産された不朽の名車でギネスにも載っている。
他にも、米国で実用化できなかったトランジスターを実用化して世界の電子機器に大革命を起こしたのはソニーだ。そのDNAは今の日本人にも受け継がれている。

日本人はマネーゲームやGoogleやアップルが成功したビジネスモデルは不得意分野だ。しかし、地道な物作りでは今も世界のトップを走っている。例えば日中関係が最悪な今でも、中国の地方政府は物作りに優れている日本企業の進出を一番望んでいる。

一人当たりのGDP-国内総生産が低くなっていることを例に物作りの衰退を言う者がいる。それは数字のマジックで、生産年齢に限定した一人当たりではドイツを上回り世界一だ。ただ、少子高齢化が国民一人当たりの数値を押し下げているだけのことだ。

少子高齢化対策として移民受け入れが検討されている。しかし、既に多くの企業や研究機関は世界各国から優秀な人材を自由に受け入れている。労働力不足は、人口の半分を占める女性の社会進出を進めることで一気に解決する。女性は消費が好きで、増えた収入はすぐに循環して経済を潤す。従来の政権は女性の優れた能力を無視し過ぎた。

日本人の資質を生かすことで、赤字国債削減は実現する。アベノミクスに望むのは、地方での幅広い産業育成だ。インターネット社会の今は、地方と中央の地理上の優劣はなく、地方でも中央と同じように企業活動ができる。

地方の森林資源はとても豊かなのに殆ど活用されていない。今回の円安による燃料高で、間伐材などを燃料とした再生可能発電の採算性は格段に良くなった。住宅建材生産は殆ど国内産で自給可能な水準にある。森林が活用されることで地方に雇用の場が増えるはずだ。

TPP成立後の安い海外産穀類に対しても、大規模農業へ変換することで対抗できる。TPPについては、拒否しても都市近郊を除く農業の担い手の平均年齢は70歳近くで後継者もなく、いずれ崩壊する命運にある。

エネルギー問題では脱原発運動は選挙で敗退した。選挙民の多くは反原発だったにもかかわらず敗退したのはリアルな代替え案がなかったからだ。しかし、多くの原発再起動は現状では不可能だ。安倍政権は早急に再生可能エネルギーなどのリアルな代替え案を創起すべきだ。

以上の改革には規制緩和が必須だが、既得権益集団の官僚・補助金頼りの企業・農協などが抵抗している。1000兆円の赤字国債の内、400兆円は既得権益集団が消費している。その金を収入源にしている国民は人口の3割に及んでいるとの調査もある。その現実への説得力を備えないとこの改革はとても難しい。

望むのは物作りのベンチャーを育成して、第二第三のソニーやホンダを輩出させることだ。古い体質の大企業は未来の日本を救う力にならない。ベンチャーは多くの失敗をするが、株高のロケットスタートを利用して資金をつぎ込めば期待できる。今、世界を席巻している勢いのあるIT企業はどれもとても若い。

番組を見終えて、以上のような印象が残った。

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住まい下の遊歩道の桜。
朝からの寒さで、散るのが止まった。
真ん中の男性はしきりに屈伸運動をしていた。膝に問題があるようだ。

M_2M_4最近見つけた土筆の群落。
このくらいの若い土筆が一番美味しい。

ここは人が行かない場所なので、自然が保たれている。

同じく、シャガの群落。
見る人はいないのに、崖の中腹に楚々と咲いていた。
心に染み入るほど美しい。

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