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2013年4月 2日 (火)

年々失うことに慣れて、人生の目標は低くなって行く。13年4月2日

朝から雨だった。
すでに冬の厳しさはなく、頬に当たる雨が心地よい。桜は例年より早く咲いて、ゆっくりと散り始めた。

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帰宅すると、濡れたビニール傘に花びらが貼り付いて花模様を描いていた。
今年も、公園の片隅にソメイヨシノの古木がひっそりと咲いていた。その桜に再会すると、年月の経過が止まったような不思議な感覚にとらわれる。もし10年後に、その桜と再会できたら、同じように10年の経過は一瞬に消えてしまうのだろう。

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緑道公園のベンチ。雨に濡れた遊歩道は人の踏み跡が殆どない。
歩く人が、美しく敷き詰められた桜の花弁を汚すのを、ためらったのかもしれない。

B_3B_1B_2雨に濡れた公園のツツジ。
この根元にも母の遺灰を少し撒いた。主成分のリン酸カルシウムは花の色を良くする。気のせいか、いつもより色鮮やかに感じた。

昨日は東京北社会保険病院眼科の定期検診だった。久しぶりの好天だったが、診察は空いていて、短い待ち時間で診察を受けられた。

担当の女性医師は目の大きな人だ。眼科の医師はなぜか美しい人が多い。
「視神経乳頭はしっかりしていますので問題ありませんね」
医師の言葉に安堵した。

母は眼圧による視神経乳頭のダメージに気づかず、視野が狭くなってから治療を始めた。だから私は早めに治療を始めている。

診療費の計算が出るまで、屋上庭園へ行った。満開のカイドウの下に土筆が沢山出ていた。瑞々しいミントの若葉を摘むと爽やかな香りがした。それからベンチに休んで、石畳で餌探しをしているセキレイの夫婦をぼんやりと眺めた。

会計を済ませ、知人が個展をしている銀座へ向かった。
東京駅では観光客らしい乗降客が多くなっていた。東京駅を始めとして東京中央郵便局などの改装に伴い、丸の内は一般の観光客が増えているようだ。

銀座は他の繁華街と違い、落ち着いた雰囲気が心地よい。好天のせいで画廊の客は多かった。作家と少し雑談してから、すぐに帰路についた。早く帰って描きかけの絵を完成させたいと思っていたからだ。

帰りの京浜東北線の電車で、すぐ前に若いお母さんに連れられた小さな男の子三人がいた。子供たちの幼い会話が楽しい。その中の10歳程の子の名は私と同じ「まさき」だった。
「ぼくもマサキだよ」
そう言うと男の子はとても喜んでいた。
その内「指相撲をしよう」と男の子が言うので、わざと負けてあげて「君は強いな」と褒めた。
すると男の子は「もう一回やろう」言う。今度は、ほんの少し真剣に相手をしてあげた。

しばらく組み合って、親指をちょっと押さえ込むと「痛い」と彼は声を上げた。しまった、力の加減が分からなかった。
「ごめんごめん」と何度も謝ってから「絵を描いているからパソコンで見な」と名刺をあげた。
男の子三人は興味深げに代わる代わる名刺を眺めていた。それから絵の話しをすると、子供たちは流行のマンガ・キャラクターを描くのが好きだと夢中で話した。

子供たちの相手をしているとすぐに上野に着き親子と別れた。男の子たちはホームからいつまでも手を振っていた。

出かければいつもと違うことが起きる。小さな子供の相手をしていると、姪たちが小さかった頃を思い出して楽しくなった。姪たちは毎週土曜日、赤羽の以前の住まいに泊まりに来ていた。母も若く、皆のにぎやかな声を夢のように想い出す。

最近、自分の人生でいつが幸せだったか、振り返ることが増えた。しかし、どの時代も不完全で、この頃と決められない。リンゴに例えると、赤く美味しくても虫食いがあったり、傷一つなくても青く未熟だったりするのに似ている。

人は自分の欠点を基準に人生を考えるようだ。病んでいる人は健康を、失業している人は生活を、失恋した人は恋を基準に人生を考える。そして人生に疲れた者は休息にひたすら憧れる。

時折、何の悩みもなく休みを取って、朝寝をして、お昼過ぎにのんびり遊びに出かけたいと思う。気の合う者たちと遊びに行くのも楽しい。

生きる基準は年々低くなって行く。それは年を重ねて、失うことに慣れたからかもしれない。

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