雨の新緑が美しい。円安を日本の活力にどう結びつけるのか、新政権の真価が問われる。13年5月11日
夕暮れになると、突然に深い哀しみが風のように過ぎては消える。それはいつも、6時30分を挟む10分程のできごとだ。
「まだ、消えそうにないな」
すぐにいつもの平静な自分に戻ってから、ちょっとため息をつく。その哀しみは、その時刻に母を看取ったからだ。3年過ぎた今も、その正確さは変わらない。
蘇るのはそれだけではない。楽しい思い出も、想い出しては消えて行く。それは現実味が薄く、いつも錯覚のように感じる。
時折、人生も、私に家族がいたことも、総て錯覚なのではと・・
眩しい昼間の光景であっても捉えどころがなく、それは錯覚なのではと、思うことがある。
錯覚と仮想現実は似ているが、本質は大きく違う。仮想現実は幾何学的に作られた、精密時計のように規則正しく動く世界だ。
対して錯覚は心の不完全な働きが産み出したものだ。だから、それを基に自分の未来を予測しても殆どが外れる。更に大きく、様々な人の集合体の社会となると予測は更に難しい。数万年後の科学が発達した未来社会であっても完全な予測は不可能だろう。だから未来永劫、神の領域は残ると思っている。
天気予報に従って、午前中に散歩へ出た。帰り道、小さな雨が落ち始めたので、本降りになる前に急いで帰宅した。雨に濡れた新緑が美しい。この季節の変化は、どんなに優れたドラマより心を打つ。
散歩道のツツジ。植えられてから10年近く、夏の炎天にもよく耐えている。この階段の右手下にアオノリュウゼツランの古い大きな株があったが、5年前の夏、50年に一度の花を咲かせて枯死した。
花は蜜を溢れるほどに蓄えていて、ミツバチなどが沢山集まっていた。遠方から、見物客が多勢詰めかけていたにぎわいを、夢のように想い出す。
円安で食料食品が値上がりし始めた。それを国産農産物の復活のチャンスと捉える論調が殆どないのが気になる。食の安全保障と食品の値上がりは相反するもので、ただ批判するだけの姿勢は日本の存続を危うくしかねない。
報道の殆どは、食パンが10円上がるとか、輸入飼料に頼る畜産物が値上がりして困るとか、ビニールハウスの暖房用重油が値上がりして、促成栽培のキュウリやトマトが値上がりするとか、街の不満を取り上げていた。
更に、ビニールハウス農家、畜産農家、漁業者たちからは、重油や飼料の値上がり分を保障してくれとの声も出始めた。しかし、中国、インドが急成長している世界情勢では、円安にならなくても輸入原材料の値上がりは必須だ。
むしろ、食の安全保障として自給体制を強化し、輸入品に頼る体質を大転換するチャンスと捉えるべきだ。輸入飼料や穀物の多くは米国産だが、今まで、米国の一方的な値上げや禁輸措置で苦しめられて来た歴史がある。そのような事態が起きる都度、国産品回帰が起きたが騒ぎが過ぎれば元の木阿弥で、自給体制は衰える一方だった。
牧草だけで育った牛の脂身は黄ばみ、匂いも強く消費者から敬遠される。それで、円高で安く買える輸入飼料を食べさせ、肉質を美味しくさせていた。畜産行政は今までのような単純な補償金ばらまきは止めて、休耕田で国産飼料を栽培するなどの対策に重点を移すべきだ。
ビニールハウス暖房では、すでに国産の間伐材を加工したペレット燃料に切り替えている農家がある。温暖化対策にもなる方法なので、化石燃料からの切り替えに、更に力を入れるべきだ。
円安は国産木材には朗報だ。安い輸入材に押されて、国内の森林は荒れ放題だったが、これで大復活するかもしれない。日本は山地が多く、先進国の中でも森林資源は豊かで、自給できる国だ。
話しは変わるが、野生動物の鹿や猪は年々増えて、森林や農地が大被害を受けている。共に高級な野生の肉なので、無駄なく食べて利用すべきだ。
しかし、鹿肉はそのままでは野生臭が強くて食料にはできない。伝統的な猟師は鹿は沢の近くで捕獲し、沢水に一晩つけて血抜きをしてレストランなどへ出荷している。国産食品自給強化の一環として、そのあたりの加工技術の確立が必要なようだ。
写真1。美味しそうなヨモギ。
写真2。廃屋になった社宅にハルジオンが咲いていた。
写真3。芳香を辿って行くと、民家の柵でツルジャスミンが満開だった。
写真4。緑道公園のキイチゴ。ここの木いちごはとても甘くて美味しい。
韓国大統領は従軍慰安婦問題をオバマ大統領に訴え、中国は沖縄まで自国領と言い始めていた。
旧日本軍には日朝両方の従軍慰安婦が高給で雇われていた。そのことへのお詫びは戦後補償でなされ、歴代の総理、閣僚も幾度も公式に詫びている。
しかし、今韓国が喧伝しているような、普通の子女が日本の軍人や官吏によって路上で誘拐されたとの韓国側の訴えは事実無根だ。
それは戦後、日本の左翼運動家によって捏造され、韓国マスコミに伝えられて流布されて行った。それほどの大事件が、拉致が行われたと言われていた地域で、知られていなかったことも極めて不自然なことだ。
沖縄が中国領に至っては妄言と言う他ない。もし、沖縄が漢族のものだったら、琉球語に中国語の残影が多く残っているはずだ。歴史的には琉球人は縄文人の末裔で、言葉は古い日本語の特徴を残している。
日本政府の抗議に対し、これは研究の一つだから抗議を受けるいわれはないと、中国政府は拒絶した。
はたして、中国と韓国が、日本が心から謝ることを望んでいるだろうか。もし謝ったとしても、両国は次の反日カードを仕立てるだけに思える。中国と韓国にとって、国内での不満をそらせるのに、反日カードほど便利なものはない。
韓国には影の政府、サムソンや現代などの巨大財閥がある。財閥は政府に厚く庇護されていて、財閥系企業の正社員だけが富みを独占していることに国民の強い反感がある。反日カードはこの反感が爆発しそうになると切られ、反感はうやむやにされてしまう。
それは中国も同じだ。貧富の差に対する反政府運動が起こると、反日カードが切られ、日系スーパー、工場、車が焼き討ちされ、不満はガス抜きされている。
このように好都合な反日カードを両国が捨て去るとは思えない。このような両国では、真の民主国家に変化するまでは話し合いをしても無駄に思える。それでも日本は粘り強く対話を持ちかけるだろうが、本当に厄介な隣人を抱え込んでしまった。
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