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2013年8月13日 (火)

点々と 眠りし蝉の 道しるべ 13年8月13日

昨夜遅く、玄関前通路の明かりに蝉がぶつかる羽音が聞こえた。今朝、散歩へ出ると、通路で息絶えた蝉が点々と空を見上げていた。一つ二つと亡がらを辿って歩いたが、多過ぎてすぐに数えるのは止めた。死にそうで、なかなか死なないのは人間だけで、小さな生き物は羨ましいくらいあっさり死んでしまう。

 点々と 眠りし蝉の 道しるべ

赤字国債1千兆円越えのニュースを連日聞く。赤字の中での医療費の占める割合は大きい。
健康保険は毎月8000円を支払っている。病院を殆ど利用しないので保険制度破綻の実感はないが、終末期の母は健康保険制度の恩恵を受けていたので、出しすぎの感覚はない。

日本同様に国民健康保険制度のある英国・カナダ在住の知人に病気体験を聞くと、日本の保険制度はとても使いやすくできている。両国ともホームドクター制で、勝手に病院を選択できない。保険診療では必ず予約が必要で、長期間待たされるので評判が悪い。だから、民間医療保険に入っている富裕層は国民健康保険を利用しないので英国の制度は崩壊の危機にある。

貧困層の多い都市部では、予約が異常に混んでいて簡単には診察を受けられない。ホームドクターの予約を取って診察を受ける頃には自然治癒している笑い話があるほどだ。もしかすると、保険利用抑制のために政策でそうしているのかもしれない。加えて、保険対象は簡単な病気だけで、難しい治療は高額自己負担の自由診療になる。

英国などでは、患者との訴訟などのストレスに晒される医師は日本と比べると人気のない仕事だ。そのため、人相手よりペット相手の獣医を選ぶ傾向がある。優秀な医師なら、そのようなストレスから守ってくれる自由診療の病院を選択できるが、一般の保険医はそうはいかない。だから医師は安易に選べる職業ではないようだ。

カナダの事情は少し違う。カナダ国民は大自然と豊かさに恵まれて、滅多に病気にならない。カナダ在住の知人は、現地の人は滅多に病院にかからないので、現行制度でも不自由はないと話していた。


TPPでは米国の意図で、混合診療容認や薬価値上げを発端にして、日本の国民健康保険制度が崩壊すると言われている。英国の壊れかけた国民健康保険を知ると何となく米国の戦略が見えて来る。その背後に米国の巨大医療保険業界進出の遠謀があるのだろう。

日本での民間医療保険はマイナーで、主流は巨額な国費が投じられている国民健康保険制度だ。日本政府は医療費圧縮を、米国は保険会社の日本進出を、双方の思惑が合致しているのがTPPの医療関係のようだ。

米国企業のやっていることは弱肉強食過ぎて、米国民の大多数は取り残されている。アメリカンドリームは、富みをごく少数の人たちが独占している事実を糊塗するための言い訳なのかもしれない。

我々にできることは、簡単な風邪や腹の異常くらいでは病院へ行かないことだ。更に全国民が食事と運動を気をつければ、成人病が減って医療費は激減し、赤字国債は劇的に改善し破綻から免れる。しかし、人の欲望を押さえる規制はとても難しい。


今日も暑くなりそうだ。夜間の冷気が残っている仕事部屋へ、外の熱気が容赦なく入って来る。
今年最高の38度越えを記録した11日は暑い盛りに散歩へ出かけてみた。暑さは思ったほどではなかったが、木陰の鉄柵が熱く感じたのは異様だった。

駅前のスーパーで買い物を済ませて外へ出ると猛烈な夕立が来た。折り畳み傘を開いたが、ズボンの裾はびしょ濡れになった。夕立はすぐに通り過ぎた。連日の猛暑で蓄熱している地面は少々の雨でも冷めず、帰り着く頃には地面は乾き、湿った熱気が地表に漂っていた。後で、観測史上始めて最低気温が30度を切らなかったことを知った。

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昨日も午後に激しい夕立が来た。この写真を撮った頃、練馬では1時間90ミリの豪雨で床上浸水があったと報じていた。

暑くても夏は好きだ。眩しい光が満ちた道を音楽を聴きながら歩いていると満ち足りた気分になる。最近、聴くのはカヴァレリア・ルスティカーナなどのイタリア歌曲だ。歌曲背景の眩しい地中海の光は、日本の夏の光と調和している。私の郷里近くの古い港町油津は、何となく地中海的で、イタリア歌曲を聴くと古い町並みと明るい海が蘇って来る。

旧盆が始まり、街は静かになった。馴染みの八百屋も床屋さんも連休で閉まっている。
九州の母の知り合いたちが、お盆の供物を沢山送って来た。おかげで、冷蔵庫は干物類に夏野菜と果物で満杯になった。

九州にお礼の電話をすると、どのおばあさんも夏バテして元気がなかった。海辺にある郷里は、さほど暑くはない。しかし、今年の酷暑は異常だと話していた。
昔、母が妹や娘のように親しくしていた人たちも高齢になり、去年よりぐんと弱ってしまった。
「元気なうちに、帰つてきなれんか」
語尾が優しく訛る、郷里の方言を聞いていると辛くなった。
「仕事をがんばって、そのうち必ず帰るから、いつまでも元気でいてね」
と言うと、嬉しそうに「うん、うん」とうなづいていた。
心底、彼女たちが元気なうちに帰ってみたいと思っている。郷里が古里であるのは親しい人が元気でいる間だけだ。やがていなくなれば、町は見知らぬ家が並ぶだけの異郷に変わってしまう。

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百日紅は夏の花だ。眺める都度、感動している。

最近、顔馴染みになった若い雄カラスがいる。
先日、公園の水飲み場で黒い頭が二つ動いているのが見えた。一瞬、小さな子供のように見えたが、すぐにカラスの夫婦だと分かった。

「逃げなくてもいいよ」
声をかけながら近づくと、雌カラスは遠くへ逃げた。
しかし、雄カラスは2,3m離れた木の枝から私を眺めていた。
私は顔を洗ってから、チョロチョロと水を出したままにしておいて、少し離れて見物した。雄カラスはすぐに戻って来て水を飲み始めた。
彼が十分に飲み終えたところで再度近づき水を止めた。
彼はすぐ近くの木の枝に逃げて、私のすることを見物していた。

それ以来、公園で、その雄カラスに会うことが増えた。
「こんにちわ」と声をかけると、逃げないで目をクルクルさせて私を見るのが可愛い。若くて毛艶が良く、漆黒の彫り物のようなくちばしがとても美しい。
写真に撮りたいとカメラを取り出すと、雄カラスはすぐに逃げた。

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