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2013年11月19日 (火)

小春日よりにネコ日より、窓に断熱プチプチを貼った。13年11月19日

月曜は朝から快晴で暖かかった。寒くなる前に、断熱プチプチを窓に貼った。それまで下げていた日よけの御簾はシャワーで洗って陰干しした。断熱材で拡散する柔らかな光に包まれていると安堵感を感じる。同時に、来年も冬支度ができるだろうか一抹の不安がある。

暖房の熱の7割は窓から逃げる。プチプチを貼るとすぐに、窓から下りて来ていた冷気が弱くなった。貼込むようになったのは6年前からだ。母が死んだ3年前からは、暖房なしで冬を過ごしている。日当りの良いベランダ側の部屋は、真冬でも日中は25度を超す。その暖気と階下の住まいから伝わる温もりを合わせて、何とか厳冬期は過ごせる。


日曜、買い物途中に床屋さんを覗くと主人が暇そうにしていた。まだ髪は伸びていないがドアを開けた。
「日曜に暇なんて珍しいね」
退屈していた主人に声をかけた。
「皮肉言わないでよ、最近、いつもこうなんだから」
主人は楽しそうに笑った。彼とは40年近い付き合いの気のおけない仲だ。だから、互いに家庭の内情まで何でも知っている。

彼との共通の知り合いに大型の老犬、小次郎がいる。彼は散歩途中に必ずこちらに寄って、おやつを貰っている。
「先日、小次郎が寄った時、Kさんが、最近、貴方を見ないけど元気かしら、って聞いていたよ」
主人は調髪しながら話した。小次郎の飼い主のKさんはピアニストだ。このところ、私は仕事の立て直しに奔走していて、長く訪ねていなかった。

S_3S_6S_8翌月曜は早めに散歩へ出て彼の家に寄った。

小次郎は成犬になってから貰われて来て、18歳を越えている。

セパードと日本犬の優秀な素質を共に受け継ぎ、とても頭が良くて思いやりがある。

6年前の老犬の小次郎と95歳の母。年寄り同士、元気に笑っている大好きな写真だ。

ノイバラの実。

トウネズミモチの実。
漢方で女貞子と呼ばれ、強心剤、利尿剤として使われる。

この写真の翌年、小次郎は緑内障で完全に失明し、ガンや副腎皮質などの難しい病を次々と発症して今は満身創痍の状態だ。

小次郎を呼ぶと、ゆっくりやって来ておやつをねだった。食欲があるので、まだしばらくは元気でいてくれそうで安堵した。

母が死ぬ1ヶ月前辺り、車椅子を押して彼の家近くを通りかかると「小次郎ちゃんちに寄ろうよ」と母は頼んだ。私は母の死期が迫っているとは夢にも思っていなかった。
「小次郎は元気に散歩しているから、そのうちどこかで会えるよ」
私はのんびり聞き流していた。

母の死の5日前、会わせてあげれば良かったと後悔していると、小次郎が見舞いに来てくれてた。
声が出せないほどに弱った母が、しっかりした大きな声で何度も彼の名を呼んだ。母は死ぬ前に、彼にどうしても会いたかったようだ。
彼はベット脇まで来て母の手をペロペロなめた。その嬉しそうな母の顔は今も忘れられない。

飼い主のKさんと、フランスのピアノメーカー・プレイエルが倒産した話をした。ショパンからストラビンスキーまで愛用していた、フランス唯一の老舗メーカーだが、日本や中国の製品との競争に敗れた結果だった。貴族や富裕層相手の高級品を手がけていたが、時代の変化について行けなかったようだ。

小次郎は私たちの足元で気持ち良さそうに寝ていた。
犬ネコと比べると人は弱い。もし、自分が小次郎の状態になったら絶望して、生きているのが嫌になるだろう。しかし、彼は現在の苦痛をそのまま受け入れて平然と生きている。彼を撫でながら、見舞いに行って逆に、彼から励まされたような気がした。

予報通り暖かい月曜だった。久しぶりに自然公園へ足を伸ばすことにした。前回行ったのは9月末でカヤの実を沢山拾った。香ばしく炒ったカヤの実は美味い。灰汁抜きして陰干したカヤの実は袋に入れて台所に下げてある。

自然公園への遊歩道は小春日よりで心地良かった。傍らの茂みや芝生のあちこちでネコに出会った。昼寝している子。ゆっくりゆっくり歩いている子。ほっとする眺めに自然に鼻歌を口ずさんでいた。

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自然公園はすっかり秋景色に変わっていた。今年は冬の訪れが早くなりそうだ。本当は太陽活動が活発になる年回りだが、今年は黒点の発生が少なく、寒冷期に入りそうとの予測もある。温暖化と相殺すればちょうど良いのだが、人の期待通りにはならないだろう。

S_9古民家のかまど。

帰り道、桜広場で40代の女性に声をかけられた。タバコをくれと言うので「タバコは吸わない」と、さっさと通り過ぎた。少し行くと、杖をついたおばさんが待っていた。
「あの人、見ず知らずの私に300円くれって言ったのよ。若いんだからお金が必要なら働きなさい、って言ったけど、本当に嫌な人だ」
おばあさんは憤懣やるかたない様子だった。昔は物乞いする女性は皆無だったのに、時代が変わったとおばあさんはしきりに嘆いていた。

そのような男なら昔からいた。まだ携帯がない時代、深夜2時頃、人気がない寂しい道を歩いていると突然、見上げるような大男に「電話代を貸せ」と言われた。
「小銭はないから、テレホンカードを上げる」と10回ほど度数が残ったカードを渡した。すると男はカードならいらないと返して去って行った。

その後、今のはカツアゲだったのでは、と思ってゾッとした。何もなかったのは、私がよほど金がなさそうに見えたからだろう。昼間なら、立木が多い爽やかな場所だ。それ以来、深夜はその道を通らないようにしている。

最近聞いた可笑しかった話。モンテカルロでのチャップリンそっくりコンテストに、チャップリン本人が出場して3位だったこと。本人が大喜びしている場面は想像するだけで楽しい。

S_5日曜深夜、無性に腹が空いたので非常用のクラッカー缶詰を開けた。缶の縁は円くなっていて、手を入れても切り口で怪我をしないように作られている。日本の技術はこのような配慮が実に行き届いている。

一緒にオイルサーディンも開けた。トマト味が珍しくて買った英国製で、トマト、ハーブ、唐辛子、サンフラワー油で味付けしてある。これが極めて不味い。どうやったらこんなに不味く調理できるのか理解できない。しかも、ヤギのチーズのような獣臭さがある。イワシなのに何故そのような匂いになるのか不思議だ。

昔、満漢全席で熊の手を食べた時、同席した食味評論家が、日本では徹底的に匂い抜きをするが、中国では獣臭さを残したものが好まれる、と話していた。同じ理由で、このオイルサーディンは獣臭さをわざと付けているのかもしれない。

翌朝、写真の下の開けていない缶を開けるとイワシが一匹だけで、トマトペーストばかりだった。これも、日本ではあり得ない欠陥だ。もしかすると、世界では日本の製造業の真摯さの方が異常なのかもしれない。

この数日、素晴らしい満月だ。満月を見ると無性に月餅が食べたくなる。それも、ラードで練った餡に、塩漬けアヒル卵の黄身や、中国ハム、背脂の細切れが入った悪玉コレステロールたっぷりの月餅だ。困ったことにそれがすこぶる美味く、食べ始めると止まらなくなる。

Goor

F205

戦争で荒れ果て、町の人たちは生活に疲れていました。
そこへグーがやってきました。

「グー、グー、グー」
その不思議な声を聞くと、みんなは心地よく眠りました。
そして、目覚めると荒れ果てた町が豊かな草木に覆われていました。

本文4ページの絵本。
下の絵は迷いが多く、試行錯誤を続けている内に半年が過ぎた。

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