オメガ3のアンチエイジング効果と、ディズニーランドの怪談と、小津安二郎の晩春。13年12月11日
NHKあさイチ・スゴ技Qは“オメガ3”の活用術だった。米国政府が動脈硬化防止・美肌効果などのアンチエイジング効果を推奨しているので大流行の気配だ。アーモンドの美肌効果の時のように、オメガ3を60%含むアマニ油はあっという間に店頭から払底しそうだ。
オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸を分類した一つで、α-リノレン酸(ALA)とそれが体内で変化したエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)三つを称する。
α-リノレン酸は体内で作ることはできず、不足すると学習能力、視力が衰え、骨格の発達障害を起こす。潰瘍性大腸炎、クローン病、リュウマチ、脂肪肝、高脂血症予防、加齢黄斑変性に治療効果があるとの研究もある。
オメガ3含有量はアマニ油62%、えごま油60%、インカインチ油50%、クルミ油20%。番組では1日小さじ1杯のアマニ油を生で飲むことで必要量を満たすと言っていた。アマニ油は固まりやすい乾性油で油絵の具の材料として使われている。
オメガ3は極めて酸化しやすい。開封したら冷暗所に置いて素早く食べ切る必要がある。酸化すると効力はなくなるので、食べ切るのに時間がかかる大瓶は買わない方が良い。新鮮でも加熱するとすぐに酸化するので、その調理方法は避けなければならない。料理に使う場合は最後に振りかけて食べる。
胃腸に入ってからも酸化しやすいので、それを防ぐためにビタミンEやごまの成分セサミンを同時に摂取すると有効。セサミンはオメガ3より早く酸化して、オメガ3の酸化を防ぐ。
オメガ3のナッツでの含有量は、クルミ14%、ピーカン2%=別名ペカン・クルミの一種でクルミより細長い形をしている、ピスタチオとカシューナッツは1%以下、アーモンドは限りなく0%。他に野菜などにも少量含まれている。
美肌効果があったアーモンドには殆ど含まれていないが、ビタミンEを多く含むので、オメガ3と同時に取れば有効だ。
小さじ一杯の生のアマニ油を2ヶ月間、毎日摂取した治験では、中性脂肪が36mg、ウエストサイズが1.7cm減少し悪玉コレステロールも下がった。番組で紹介していたアマニ油は170gで1000円。1ヶ月分2000円ほどで手頃な価格だ。オメガ3を50%以上含むインカインチ油は180g500円ほどで割安だ。
インカインチ油はアマゾン産のグリーンナッツから絞る。ビタミンEの含有量も多いのでオメガ3が酸化しにくい利点がある。
オメガ3を多く含むクルミの一日摂取量は40g。ただしクルミの細胞壁は丈夫なので、そのまま食べても全量を吸収しない。粉末にしてから牛乳にひたして細胞壁を柔らかにする食べ方が推奨されていた。クルミをよく噛めば同じことに思えるが、それでは時間が短すぎて、細胞壁が柔らかくなる前に吸収されないまま排出されてしまう。むしろ生のクルミ油を1日に小さじ3杯飲むことを薦める。ちなみに赤羽でのフランス産クルミ油の価格は500ml・1280円。
青魚に多いエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)もオメガ3。この二つは上記の食用油のα-リノレン酸が体内に吸収されてからEPAとDHAに変化する。ちなみに、オメガ3を多く含むアマニ油を加熱すると青魚と同じ生臭い香りがする。
コーン油、サフラワー油、大豆油などに含まれているオメガ6が過剰になると炎症性のアトピーなどを起こしやすいので、同時にバランスよくオメガ3をとる必要がある。日本と比べ米国に鬱症が多いのはバランスが壊れているからと言われている。
午前中は風雨だったのに、夕暮れには青空が広がり、すばらしい夕日だった。
先日、小津安二郎監督の「晩春」を見た。昭和24年、私が4歳の頃に作られた映画だ。主人公、曾宮周吉:笠智衆と曾宮紀子:原節子の父娘が住むのは北鎌倉。映画の冒頭に出た北鎌倉駅の円覚寺方面出口の雰囲気が今と殆ど変わらないことに驚く。曾宮周吉は大学教授で助手は服部昌一:宇佐美淳。宇佐美淳は後年、悪役ばかりやっていたので、知的な好青年役に少し変な気がした。
妻に先立たれた父周吉を娘紀子が気遣い嫁に行こうとしない。父は後添えを貰うと嘘をついて紀子に見合いをさせて結婚を承諾させる。娘の婚礼の夜、孤独に打ち拉がれる姿が哀しかった。
服部昌一:宇佐美淳とは何でもなくて、彼には他に婚約者がいる。紀子と昌一が茅ヶ崎までサイクリングするシーンは今の134号線だ。驚くほど車が走っていなくて、海岸も自然のままだ。米兵用の英語の標識やコカコーラの看板に時代を感じる。
敗戦後4年の米軍占領下の映画なのに、茶道に能と実に高度な日本文化が描かれていた。敗戦でも消滅しなかった日本文化の強靭さには畏敬の念すら覚える。それらは戦って維持されたのではなく、吹く風のように、しなやかに生き残って来たのだろう。
人の世で変わらないものは何もなく、力づくで守ろうとしても、はかなく壊れて行く。しかし、日本文化は肩肘を張らず、不幸でさえ侘び寂びとして楽しみに変えてしまう強さがある。
月曜は今年最後のディズニーランド行きだった。
東京駅から京葉線に乗ると7,8歳ほどの男の子を連れた若い母親が傍らに立っていた。彼らの行き先もディズニーランドのようだ。
「次が舞浜なの」
男の子は駅に止まる都度、母親に聞いていた。
「しっかりお母さんを見張ってな。間違えて舞浜を通り過ぎて千葉まで行っちゃうよ」
子供をからかうと「そうよ。間違えちゃうかもしれないよ」とお母さんは悪のりしていた。
男の子に東京湾の風景を説明してあげると、目を丸くして眺めていた。
「お詳しいですね」
感心して聞いているお母さんにも、夜間照明で闇に浮かぶ東京ゲートブリッジなどを説明してあげた。
二人との会話のおかげで舞浜へはあっという間に着いた。
「おかげで楽しかったです」
ホームで母子は丁寧に挨拶した。
アフター6パスポートでの入場まで30分。私は先を急いだ。長い行列の端で、東京駅で買った駅弁を食べて腹ごしらえをした。
急に冬がやって来て寒い夜だったが、園内は親子連れで大混雑していた。
まず、ウエスタンリバー鉄道に乗った。木々の間に冷気が残り、しんしんと冷えた。それからマークトゥエイン号に乗船し、温かいボイララー脇から夜の森を眺めた。
腹ごしらえをして入ったのに、キャラメル味のポップコーンの香りや、薫製ターキーレッグの香りに刺激され、いつものように買ってしまった。パレードまで20分。地面に持参したエアマットを敷いて腰を下ろし、温かいターキーレッグを食べた。これからは防寒対策は必須だ。
クリスマスバージョンのパレードは楽しい。あっという間に時間は過ぎて、次は温かい建物内のミッキーのフィルハーマジックに入った。
3Dがとても良くできていた。風や水しずくが本当に顔に当り、ディズニーアニメの世界に本当に入り込んだみたいな気分になった。
殊に「アラジン」の魔法の絨毯のシーンでは空を飛んでいる気分だ。これは大人でも十分に楽しめる。
それから、シンデレラ城に入り外へ出ると花火が始まった。花火が終わると小さな子供を連れた親子たちは帰り始め園内は空いて来た。それでも、ホーンテッドマンションは30分待ちだった。
入場を調整する部屋でしばらく待ってから乗り物コースへ向かうことになっている。壁には色々怖い仕掛けがしてあって退屈しない。それから更に次の部屋へ入って少し待ち、乗り物へ向かった。
その時、私は行列の最後尾にいた。
後ろには無人の部屋があるだけなのに何かの気配がする。何度も振り返ったが不気味な壁とドアがあるだけだ。気になって振り返っていると、突然、薄暗い壁の一角に黒々と人が貼り付いたように並んでいるのが目に入った。
黒々とした者たちは青白い顔で何か訴えるように私を凝視していた。
そして次の瞬間、音も立てず一斉に私へ押し寄せて来た。
「出たー」
私は腰を抜かしてしまった。
「前から自由にお並び下さい」
押し寄せる群れの後ろから係員の声が聞こえた。
その声で、私はやっと我に返った。彼らは調整の為に並んでいた次の行列だった。それを知らずに最後尾にいたために、本当に怖いホーンテッドマンションを経験してしまった。
クリスマスバージョンのお化けたちは、サンタ姿の骸骨がいたりして、とても楽しかった。
外へ出ると閉園20分前だった。
電車が混まないうちに舞浜駅へ出て11時に帰宅した。
良い一日だと思った。
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