震災記念日に、小保方晴子氏・STAP細胞への疑念に、福島の甲状腺がん。14年3月12日
昨日は三度目の三陸大津波記念日だった。何故か、今までの記念日より重く感じた。
「時間が解決してくれると言うけど、年月とともに哀しみは深くなるばかりだ」
震災の遺族の多くが、同じことを口にしていた。若い頃はその言葉の真意を理解せず、上辺だけで共感していたが今は違う。それは、多くの死別を経験したからかもしれない。
今後30年間の首都直下型地震の確率は70%。この数値の意味は、福引きのガラポンに白玉30個、赤玉70個を入れて赤玉が出る確率だ。そう考えると当たりは高確率で、かなり危ない。これから30年ローンで住まいを買う人は、それを織り込んで対策を講じないと悲惨なことになりそうだ。
震災以外の大きなニュースは小保方晴子氏・STAP細胞への疑念。
論文を共著した元理研チームリーダーの若山照彦・山梨大教授の説明を聞いてSTAP細胞の存在を信じていた。しかし、NHKのインタビューで若山照彦氏が論文取り下げを示唆していた姿を見ていると、真偽が分からなくなった。1月末、エリートとは言えない30歳の女性の大発見に、多くの日本人は明るい未来を夢見た。そして今、この成り行きに日本人の多くは戸惑っている。
もしかすると、STAP細胞は彼女の思い込みかもしれない。多分、小保方晴子氏は論文撤回を同意させられるだろうが、他の共著者たちは同意しにくいだろう。同意すれば科学者としての信頼と地位を失いかねないからだ。加えて、科学的にSTAP細胞を完全否定することはとても難しく、1,2年では結論が出ない問題で、安易に撤回はできないだろう。
絵描きも研究者と似た所がある。絵描きは製作中の作品を傑作だと思い込まないと描き続けられない。研究者も同じで、大発見をしたと思い込まないと、苦しい研究は続けられない。
彼女が発見したのはSTAP細胞ではなく、紛れ込んでいた幹細胞だったかもしれない。しかし、STAP細胞への確信は狂気に近く、延々と研究を続けた。結局、再現は難しく、苦し紛れの偽装をしてしまったのだろう。
これはコロンブスが未知のインド航路を開拓しようと、西へ西へ無謀な航海を続けたことと似ている。アメリカ東方の島々に到達した彼は、それをインドの一部だと、生涯、信じ込んでいた。シュリーマンのトロイア遺跡の発見も、コロンブスと似た要素がある。
思い込みの殆どは誤りだが、稀に大発見があるから面白い。小保方晴子氏の思い込みも、未知の功績が含まれている可能性を否定できない。
論文の共著者たちには世界的な学者が含まれていて、彼らを理論的に納得させるのは至難のことだ。今、無断引用など不祥事が続出しているが、それでも、彼女のSTAP細胞には強い説得力があったから共同研究がなされた。発表後に理研やハーバード大からSTAP細胞を作ったとの報告が出ているが、併せて真相を説明して欲しい。
STAP細胞について専門家たちは肯定も否定もしにくい。なぜなら、将来、もし誰かがSTAP細胞を再現したとすると、否定した人たちは非難され恥をかくことになる。STAP細胞があることの証明は簡単だが、ないと証明するのはとても難しい。
これから小保方晴子氏がやるべきことは、初心に帰り、最初の発見のガラスの細管を通して幹細胞が増えた実験からやり直すことだ。理研は14日に最終発表をするが、それでも真相は明らかにされないと思っている。
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3月14日
論文発表の後、理研の小保方晴子(おぼかた はるこ)氏のグループはSTAP細胞の再現に成功した。更に理研内部で、彼女以外の2人が成功している。ただし、それらが実証実験として正しい手順を踏んでいるかかどうか、理研内部で厳格な検証をしている最中のようだ。
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今日は暖かく、いつもは工場の背後に見える上越国境の山々が霞んで見えなかった。
写真は戸田橋たもとの第一硝子工場の煙突の煙り。
母はこれを火葬場の煙りだと信じて、散歩へ出てエレベーターを待つ間、必ず手を合わせていた。
昨夜は、テレ朝・報道ステーション「甲状腺がんが福島の子供に多発」を見ていた。取材されていたのは、甲状腺がんに罹った子供の親だった。母親は若くしてガンに罹った子供を思い、その辛さを切々と訴えていた。
そして、母親の言葉に被せるように、従来の疫学調査では子供の甲状腺がんは100万人に一人で極めて稀なこと、との解説が入った。
その後に、甲状腺のしこりに悩む女子中学生の母親の映像が続いた。
「放射能のことを神経質に悩むべきではない」
母娘は世間から投げつけられる言葉に苦しんでいた。更に、甲状腺の診断をしてもらう医療機関が指定されていて、自由に診察を受けられない不都合を訴えていた。
この編集では、視聴者は後の女子中学生も甲状腺ガンに罹っていると錯覚する。私自身も一瞬そう思ったくらいだ。しかし、中学生のは単なるしこりで、ガンではない。
テレ朝報道ステーションの編集は、視聴者の多くに、福島の子供に甲状腺がんが多発していると思わせようとしていた。マスコミや反対運動家は、被爆によって発ガン率が増加することを願っているように見える。
それに引き続きチェルノブイリ取材が加えられ、4年後から甲状腺がんが激増すると解説が入った。それについては、先日の朝まで生テレビでの現地からの報告を思い出す。
「他国の記者は被害を大きく話す現地の人を探し出して取材する。これでは等身大の現地が伝わらない」
それが現地の人たちの不満だった。この取材姿勢は福島でもよく見られている。マスコミや反対派は放射線被害者を多くしたいと願っているようだ。
今、日本にある被爆問題は二つの偏った勢力の対立だ。一つは臭いものに蓋をしがちな政府。もう一つは臭くもないものを臭いと言い立てる反対勢力。双方とも理性を失っていて、現地は苦しむばかりだ。
そもそも今回の福島第一原発事故の遠因に、政府と反対派の激しい対立があった。
原発事故前、今後予想される大津波や大震災に福島第一原発は耐えられないとの報告書が出ていた。しかし、対策工事をすると「やっぱり原発は危険ではないか」と原発反対派に攻撃される。東電はそれを恐れて敢えて対策をしなかった。本当は恐れずに対策をとるべきで、反対派の方も、既に建設された原発については大人の対応をして欲しかった。
今回の放射線被爆についても、政府は反対派を恐れず、徹底した医学調査を果断なく行うべきだ。
しかし、政府は反対派が勢いづくことを恐れるあまり、甲状腺診断を特定の医療機関に限定したり、事故直後、子供の被爆調査を敢えて行わななかった。それは非科学的な愚策で、これで疫病調査の重要データを得る機会を失ってしまった。
甲状腺がんについての専門家の意見では、チェルノブイリ原発事故でも、原発事故後3年間で手術が必要なほどにガンが成長することはない。甲状腺のしこりは、まんべんなく子供たちをスクリーニングすれば昔から多く見つかっていた。甲状腺がんは進行が遅いので、今福島で発見された甲状腺がんは原発事故以前は気がつかないケースだった。この因果関係は4年目以降にはっきりする。
甲状腺がんの原因の放射性ヨードは半月で無害になる。すでに被爆した子供たちは打つ手はなく、むやみに心配させては、却って他の病の原因になる。今、福島に住んでいる人たちは、好むと好まざるに関係なく放射線と共存する他ない。それはチェルノブイリの人たちと似ている。現地では何事もなく生活しているのに、他国から取材に来たものたちが「危険だから心配しろ」と言い立てるのはとても不愉快だろう。
放射線の被害は確かにあるが、明確な危険ラインはよく分かっていない。原爆で被爆した日本人データでは、年間積算100ミリシーベルトからガン発症率が上がっている。しかし、10ミリシーベルトでの発症率増加は確認されていない。現在の政府指針の自然放射能に加えて1ミリシーベルト以下はきわめて厳格なものだ。
木瓜の花。
散歩道のツワブキ。
ツワブキの新芽が出ていたので3本だけ抜いた。
南九州ではフキはツワブキのことだ。
現地では、このように産毛が生えているものしか採らなかった。
一般的なフキと違い、香り高くきめが細かい。
皮を剥いて甘辛くさっと煮上げた。
母が好物だったので、まず仏壇に上げてから食べた。
口に含むと香りが広がり、感激で胸が一杯になった。
食べ物でこんなに感動したことはない。
まるで、長年、海外で暮らしていた日本人が、日本食を口にした程の感動だ。
子供の頃、春が来ると子供たちはツワブキ採りに裏山へ登った。ツワブキの多い場所はマムシも多く、毎年、誰かが噛まれていた。わたしたちは竹杖で周囲を叩いてマムシを追い払いながらツワブキを抜いた。
2,3時間で抱えきれない程採れて、荒縄で縛り、竹杖を通して肩に担いで帰った。
夜は新聞紙の上に山積みして、皆で皮むきをした。私は皮むきより、ツワブキで眼鏡を作ったり首飾りを作って遊んだ。剥き終えると母が大鍋でカツオのナマリブシと一緒に煮てくれた。
そのような情景が次々と蘇った。
「グーが来た」最終画面。
8年前からポツポツと描き始め、やっと終わった。
最初の絵を描いた時は母は元気で、振り返ると1枚1枚にそれを描いていた頃の思い出が重なる。
グーの不思議な力で、地上の人も動物も草木も、
みんな心地よく眠りました。
そして、みんなが目を覚ますと、
地上は楽しく爽やかに変わっていました。
それを見たグーは安心して、
静かな森で長い眠りに入りました。
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