「笑っていいとも」のなくなった新宿アルタに抜け殻の寂しさ。14年4月2日
年度替わりで様々なものが終わり変化した。個人的にはテレビ東京のWBS・MCの小谷真生子から大江麻理子アナへの交代が印象に強い。大江真理子は頭が良いのに天然で、好きな女子アナだ。しかし、小谷真生子が見られなくなったのは寂しい。先週の最終回、他へ移動が決まったメンバーと一緒に小谷MCは感極まって泣いていた。いつも気になることだが、番組に留まるメンバーは殆ど泣かない。
大ニュースは生放送32年のギネス記録を持つ「笑っていいとも」の終了だろう。私は熱心ではなかったが、宣伝美術をしていた劇団七曜日リーダーの渡辺正行氏がレギュラーの頃は見ていた。彼が主催している劇団や新人コント大会の公演前になると、私が描いたポスターが終了間際に10秒程映し出されたからだ。
新人コント大会でデビューして「笑っていいとも」のレギュラーになった芸人さんは、うっちゃんなんちゃん、爆笑問題と多くいる。大阪で人気があったダウンタウンが東京デビューしたのも、サンシャイン劇場での新人コント大会だった。
「夏休み、冬休みや、風邪で学校を休んだ時、お昼を食べながらテーマ曲を聞くとワクワクしました」
今日、知人が電話で、身の置き所がないほど寂しいと話していた。世間ではそれをタモロスと呼んでいるが、タモリの付く番組は他にもあるので「いいともロス」の方が私にはしっくりする。
思えば番組終了とともに32年の年月が一瞬で過ぎてしまった。仏教では、この世に常なるものは一つも無い。万物は総て、無常に変わり続けて行く。だからこそ、今の時々を大切にしなければならないのだろう。
31日最終回のテレフォンショッキング・ゲストはタケシだった。
彼が生放送中に乱入して、ゲストの田中康夫を生意気だと首を絞めたこと。タモリが、ヘルスの呼び込み、オレオレ詐欺の出し子、パチンコのさくら、フィリピン人との偽装結婚の斡旋などを経て、芸能界に入ったとか、ギャクなのか本当なのか分からない暴言をはいて、会場は爆笑していた。笑いは本来、そのようにアナーキーなものだ。
夜のグランドフィナーレで、サンマとタモリの「日本一の最低男」の再現掛け合いで会場は爆笑で揺れていた。サンマが受け過ぎて時間が押して、痺れを切らして乱入した他の元レギュラーたちとの大混乱。爆笑問題の太田光は舞台に上がった田中康夫をいきなり投げ転がして、放送事故寸前だった。
昔のバラエティー「ひょうきん族」や「元気がでるテレビ」などはいつもそのようにハラハラドキドキしていた。
後半はしんみりした挨拶が続いたのでチャンネルを変えた。
タモリの最後の挨拶はニュースで聞いた。
「ぬれたシメジのような感じ。いや〜な、ぬめ〜っとしたような感じで・・・」
デビュー当時の自分の表現は秀逸だった。
「視聴者の皆様方から、私にたくさんの価値を付けていただき、またこのみすぼらしい身に、たくさんのきれいな衣装を着せていただきました。そして今日、ここで皆様方に直接、お礼をいう機会がありましたことを、感謝したいと思います」
この別れの辞も良かった。
そのような見慣れたものが消えたり終わったりすると、無性に人に会って話したくなる。
今年は消えたものがとても多かった。身近では赤羽台団地の避難広場を四角く囲む巨大な高層棟が取り壊された。一階は商店街で、顔馴染みの店が軒を並べていた。母が元気な頃は、毎日のように買い物へ行っていた。だから、壊された跡地を通ると、昔の情景が切なく蘇る。
最終回に電話登場した吉永小百合とタモリは、私よりすこし若い。その画面を見たせいで、何となく、吉永小百合主演の「キューポラのある街」をiTunes storeから借りて見た。見慣れた荒川鉄橋などが出たが、何故か懐かしさはなかった。それは知っている人が殆どあの世へ消えてしまったからかもしれない。
今年の桜の開花は遅れたが、あっと言う間に満開になり、今日は散り始めていた。
先日のNHK路線バスの旅は日南海岸だった。終始、どの風景も記憶にあるものばかりだ。しかし、それは記憶に残っているだけで懐かしさとは別物だ。懐かしさはそこに親しい人がいて感じるものだ。
「笑っていいとも」も同じだった。新宿アルタはこれからも変わらずそこにあるが、番組がなくなった跡は、ただ寂しい抜け殻だ。テレフォンショッキングのゲストへ贈る花輪を納めていた花屋は閉店を考えていると話していた。この数日、縁なき衆生は思いがけず無常観にさらされてしまったようだ。
現実的な生活の変化は消費税5%から8%への変化だろう。世間では大騒ぎだが、私は買いだめはしない。31日は絵の納品があり、夜に帰宅すると、駐車場で車から大量のトイレットペーパーとティッシュを下ろしている若夫婦がいた。部屋に運び込めば一室が一杯になりそうな量だ。それで若夫婦が節約できた消費税は数千円ほど。快適さを犠牲にしても良い額ではない。
世間では生活費から余計に取られると考えている。しかし、実際は福祉予算として支払った者たちに還元される税金だ。「予算の使い方がいい加減だから反対」との反論はあるが、税を払わない理由にはならない。
先ほど撮って来た夜桜。
花見客はいない。
ホームレスらしい男性が大荷物の傍らで、一心不乱に安物弁当を食べていた。時折、スチロール容器の歪む音が夜の闇にバリバリと響いていた。
毎年、土筆を摘んでいた場所に1本も頭を出していない。
今年はダメだと思っていたら、このところの暖かさで、一斉に頭を出していた。
そこは急斜面で、年寄りや女性には無理な場所だ。
1m四方でこれだけ採れた。
緑色はカラスノエンドウの新芽。
クセのない味で、豆苗に似ている。
土筆は頭が開いていない若いものだけ摘み、下ごしらえとして袴を取る。
少量のつゆの素に砂糖を多めに入れて甘辛い出汁を作り、その甘辛い出汁で土筆とカラスノエンドウを炒める。
土筆もカラスノエンドウもすぐに熱が通り、水分が滲んでしんなりする。熱を加えすぎると固くなる。
そこに素早く、ざっと溶いた卵を入れスクランブルし、卵が半熟状態になったら火を止める。
あとは余熱で程よくし上る。
土筆の若い頭はほのにがく、コクがあり美味しい。このほのにがみにアレルギーを抑える薬効が有り、殊に杉花粉症に効く。
下は摘んできたヨモギで作った草餅。
よもぎは電子レンジで加熱し、すり鉢ですり潰す。
それと白玉粉を練って、茹でる。
卵とじも草餅も、とても美味い。
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