イースターのディズニーランドへ男二人で行く。14年4月6日
ディズニーランド好きの、いつもの男三人で、ランドへ行こうと計画した。
しかし、版画家の菊池氏に予定が入り、Hさんと二人だけになった。
私は一人でも行くディズニーランド好きなので、気落ちはしていない。舞浜の駅前で2時半にHさんと待ち合わせた。
天気予報では午後から急速に気温は下がる。日中は好天で暖かかったが、セーターにマフラーを巻き、時間に余裕を持って出た。
花見シーズン最後の土曜日で、赤羽駅へ向かう桜並木をのんびり歩いていると、Hさんから携帯がかかった。
「今、東京駅です。ディスニーランドは入場制限が始まったようですよ、信じられません」
Hさんは困りはてている。出かける前に、ネットで混雑予想を確認したら上から四番目のやや混雑。こんなに信用できないサイトだと分かっていたら、早くに予約チケットを取っておいた。
「すぐに解除されるかもしれませんから、先にチケット売り場へ行ってみてください」
Hさんに、午後3時からのスターライト券二枚を頼んだ。その頃、ディズニーシーの方は更に混雑していて入場制限が続いていた。だから、ランドを止めてシーへ変更とはいかない。だめなら二人でどこかへ飲みに行くことにしていたが、それでは中途半端で、せっかくの休日に悔いが残った。
東京駅で京葉線に乗り換えるとすぐにHさんからメーショートメールが入った。
「入場制限が解除されましたので、チケットを買っておきました」
心底、ホッとした。
2時5分に舞浜に着き、携帯でHさんに知らせた。3時の入園時間まで二人で日向ぼっこしながら待った。こんな時、携帯のない昔は大パニックになったが、現代では事がスムースに運ぶ。
3時入園の行列ができていた。行列がなくなるまで15分程待って入園した。
いつもながら、シンデレラ城の見えるワールドバザールのアーケードには心躍る。土曜のせいで子供連れが多い。制服姿の女子高生もちらほらいて、眺めるだけで嬉しくなる。
チケット代を清算するため、ポップコーンを買って万札をくずそうとしたが、何処も長蛇の列で買えそうにない。仕方なく、行列が短いキャロットチュロスのワゴンで310円を2本買った。小腹が空いていたので何を食べても美味しいが、初めて食べたその味は期待外れだった。
アトラクションはどこも大変な行列だった。こんなに混雑したディズニーランドはこの30年で初めてだ。それでも、ウエスタンリバー鉄道は絶対に外せない。待ち時間50分だったが、二人だと退屈しなかった。久しぶりに会うHさんと積もる話をしているうちに時間は過ぎた。
乗車した列車が木立の中へ入ると冷たい風が吹き付けた。私は防寒をしっかりしているので平気だが、やや薄着のHさんは心配だった。
昼間の列車は久しぶりで、風景がいつもと違って見えた。回りは子供連ればかりで、恐竜たちの大迫力に泣き出す子供もいたが、そのピュアな反応が楽しかった。
マークトウェイン号から。
その次はマークトウェイン号の船着き場へ行くと待ち時間なしに空いていた。乗り終えて下船するとすぐに空いていた理由が分かった。イースターのパレードが始まっていて入園客はそちらへ集まっていた。
ウサギ衣装の可愛い女の子たちに私たちは見とれた。私たちの後ろのスモーク・ターキーレッグのワゴンから美味しそうな匂いが漂って来て、そちらも気になった。
パレードが終わると直ぐにスモーク・ターキーレッグを買おうと思ったが、100m程の行列。スモークチキンの方は短いが、どうしてもターキーの方が良いので食べるのを諦めた。
シンデレラ城から。
夕食を食べたいが、何処も大混雑で長時間待たされそうだ。Hさんの提案で、一度園外へ出て、舞浜駅傍のイクスペリアで食事をすることにした。こちらは直ぐに食事が出来て暖かく、ビールも飲めた。人心地が着いて外へ出ると日が暮れていた。
再入園すると、子供連れが減って、並ばすにカリブの海賊を見ることができた。それから、再度、ウエスタンリバー鉄道とマークトウェイン号に乗った。
夜景を見ていると、いつものデイズニーランドの楽しさが蘇った。しかし、気温は更に下がり寒くなったので室内のアトラクションへ向かった。
いつの間にか9時を過ぎていた。ホーテッドマンションは50分待ちなので諦め、20分で入れるミッキーのフィルハーマジックに並んだ。これは立体画像がよくできていて、大人でも楽しめる。空中を飛ぶときの風圧、水のシーンでの水滴、ケーキのシーンではシナモンの香りと、とても楽い。
ショーが終わったのは10時少し前だった。
入る前、9時半にはランドを出て帰ろうとHさんと話していたのに、結局、ぎりぎりまで遊んでしまった。
帰る前、10時半までやってるUCCスポンサーのセンターストリート・コーヒーハウスに入った。ここはアールデコ様式の内装でBGMが懐かしい曲ばかりで落ち着く。しかも、コヒーのおかわりは自由だ。すっかりくつろいでいる内に、あっと言う間に10時半になってしまった。
舞浜駅で、下り線に乗るHさんと別れた。
コーヒーを2杯飲んだので眠くはなかった。
京浜東北線の車中で、森田童子の「G線上にひとり」をiPodで聴いた。TBSの21年前の名作ドラマ「高校教師」で、二宮繭(桜井幸子)と羽村先生(真田広之)が鎌倉の安ホテルで結ばれる名シーンにこの曲が流れ、同時に壊れて止まっていた腕時計の秒針が動き始めた。
いつも、ディズニーランドの帰りには森田童子を聴く。それは現実へ戻る儀式みたいなものだ。明日からの仕事を考えながら、ぼんやり外を眺めていると、通過する駅のホームに白ウサギの着ぐるみの男女が電車を待っているのが見えた。
今日の奥秩父。
散歩に出ようと玄関を開くと、昨日より更に冷たい風だった。
首をすくめて室内に戻り、マフラーを巻いて出かけた。
天気予報では、寒さは今日で終わり、明日から通常の暖かい春に戻る。
散り始めた桜は留まり、花は十分に残っているのに、昨日まで花見客で一杯だった公園には誰もいなかった。
大気は晩秋のような冷たさで、宴の後の侘しさが切々と迫った。
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