「やる気スイッチ」の簡単な入れ方と治療方法、NHKためしてガッテン。14年6月26日
「やる気スイッチ」の異常の見つけ方とスイッチの入れ方について。
「最近どうも仕事に身が入らず、何をするのもおっくう」
取材されたAさんは、気分が落ち込んでいないのに、何に対してもやる気がないと訴えていた。この時、Aさんの脳では、命の危険につながる異変が起きていた。
異変の一つが隠れ脳梗塞だ。大きな発作が起きなくても血管性認知症のリスクも高まる。それを見分けるポイントは、口数が減る、周りからうるさく言われないと何もしない。
50歳以上で、そのような状態が1か月以上続き、血圧の上が140mmHg、下が90mmHg以上の場合は要注意だ。隠れ脳梗塞によるやる気低下は鬱病のように気分が落ち込むわけではなく、ただただやる気だけがなくなることが多い。
検査で脳梗塞がないと分かっていても、高血圧が続くと「やる気スイッチ」が壊れる。
「やる気スイッチ」は脳の真ん中にある線条体にある。その線条体に酸素や栄養を送っているのは、太い血管から魚の小骨のように枝分かれした穿通枝(せんつうし)と呼ばれるとても細い血管群だ。
この細い血管は高血圧に弱く、それが続くと細い血管が詰まり、線条体に血液が十分に送られなくなって機能が低下し、やる気が起きなくなる。
脳梗塞と高血圧以外に、心の疲れにより「やる気スイッチ」が入らないことも多い。番組では、心因性のやる気のなさを解消する簡単な方法を説明していた。
その一つが準備運動だ。職場によっては仕事前に準備運動をさせるところがある。前近代的なやり方と思っていたが、血の巡りが良くなり呼吸が速まることで「今、やる気が出ているかもしれない」と脳が錯覚し、線条体が活性化して「やる気スイッチ」が入る。
運動をしなくても活性化する方法がある。その一つが力強いポーズ、たとえばファイティグポーズをとることだ。「ウォーッ」と雄叫びを上げ、握りこぶしを振り上げるだけで「やる気スイッチ」は力強くスタートアップする。競技に望むスポーツ選手がやっていることに、そのような合理的理由があった。
簡単なゲームをするのも良い。例えば幼児用の簡単なジグソーパズルをして、短時間で達成感が生まれると「やる気スイッチ」が入る。
私は仕事に取りかかる前に台所やトイレの掃除をする。部屋は散らかっていても気にならないが、台所、トイレなどの水回りはいつも清潔にしている。今日も仕事前に台所のシンクとステンレスの洗い桶をピカピカにした。これでも目に見える達成感が簡単に得られ、知らぬ間に「やる気スイッチ」を入れる効果がある。
もし、何をするのにも億劫になったら、上記を試してみることを薦める。それでも治らない場合は、隠れ脳梗塞を疑い、内科を受診したが良い。その場合、鬱病と「やる気スイッチ」の線条体の低下との区別が必要になる。脳梗塞と鬱病の治療方法はまったく別なので注意が必要だ。
鬱ではない隠れ脳梗塞の判別方法。
気分は落ち込んでいないのに、急にやる気が低下して口数が減った。
感情の抑揚がなくなった。
周りがうるさく言わないと何もしない。
好きなことに興味がなくなった。
将来の計画や目標がなくなった。
そのような状態が1か月以上続いて、血圧の上が140mmHg、下が90mmHg以上の場合は診察して隠れ脳梗塞などを検査してもらう必要がある。
久しぶりに夏の太陽を浴びた。気温は30度以下で心地よい暑さだ。
最近の私にとっての問題点は危機意識の薄さだ。
母の死の前年から、生活が絶体絶命に落ちては切り抜ける日々が6年は続いている。始めの頃は、母を抱えてどう生活するか、頭が変になるほど辛かった。それが母との死別をきっかけに、今日を切り抜けられるなら幸せ、と刹那的に生きられるように変化した。母の介護から解放されたことが一番大きいのかもしれない。
今も危機的状況のまっただ中にいる。
しかし、考えたり悩んだりしたからと言って解決する訳ではないので、何も考えない。
散歩途中に髪が伸びていたのが気になって馴染みの床屋さんへ寄った。
床屋さんには前客がいた。
「こちらはすぐに済むから、待っててよ」
主人に言われ、まだ時間があるので、待つことにした。
書棚に置いてあった週刊現代を開くと鬱病の特集。米国製薬メーカーの抗鬱薬パキシルの需要が5倍に増えたとあった。
パキシルは、脳神経のシナプスでのセロトニン再取り込みを阻害し、セトロニン濃度を上昇させる薬剤とある。副作用は吐き気悪心などで、海外データでは若者が服用すると自殺のリスクが高まる。
薬の殆どは毒にも薬にもなり、不要なら飲まない方が良い。まして、鬱など正確な診断が難しい病の治療薬服用は慎重さが必要だ。
記事の中に疾病喧伝と見慣れない言葉があった。意味を調べると、病気とは言えない程度のことを危ないと世間に広めようとすることとあった。風評被害もその一つのようだ。
鬱病の疾病喧伝は製薬会社の目論みだった。
「鬱は心の風邪」などとTVCMなどで盛んに擦り込んでいるのが、それにあたる。結果、誰にでも普通に起きる憂鬱な気分まで鬱病に加えられ、抗鬱薬パキシルが処方され、需要が以前の5倍に増えて製薬会社は儲かった。
「うつ病は誰でもなる。早期受診して服薬すれば完治する」
これも疾病喧伝で、精神科や心療内科の受診者が急増した。そして、不適切な診断治療によって、自然に治る患者までが悪化し、薬剤の副作用に苦しむ人が増加した。 特集記事をその辺りまで読み進んだ時に、私の調髪の番が来た。
床屋さんとは40年近い付き合いなので、いつも話は弾む。
W杯サッカーを全部見ているので昼間は眠いと言うとあきれられた。
それから、日本の負け試合の話になった。
ギリシャ・コートジボアール戦は2-1でギリシャの勝ち。コロンビア戦は1-0で日本の辛勝と予想したが、予想外にコロンビアの控え選手が強くて4点取られた。日本が負けたのは実力通りの結果だ、と言った話になった。
国際試合は面白い。欧州や南米、アフリカでは代理戦争と言われているくらいサッカーに熱くなる。日本はそんな国々と戦うのだから、圧倒されるのは仕方がないかもしれない。
すっきりした頭で、帰りは眼科予約の件で東京北医療センターに寄った。緑内障の目薬が少なくなったので処方を頼むためだ。受付予約時間の変更を頼み、その足でいつものように屋上庭園に出た。
延びた芝生にクモが巣を張っていた。
実物は優雅で繊細で、未来建築のように美しい。構造には合理的な法則があり、それに従って昆虫が作っていることに驚嘆する。
どんなクモが張ったのか見てみたくて、糸を振動させてみたが姿を見せなかった。指先の振動と餌の昆虫類の振動とは全く別物なので反応しないようだ。
私は喧嘩クモが盛んな南九州で育つたのでクモが大好きだ。南九州では男の子がいる家庭ならどこでも座敷の一角で黄金クモを飼い、餌の昆虫などを与えて大事に育てていた。
子供も大人も、野山で強そうな黄金クモを見つけると興奮していた。昔は片方が糸に巻かれて敗れるまで闘わせたが、今は闘いの横木から逃げ出したら負け、となっている。戦いが済んだら黄金クモたちは元いた野山に放していた。
上京してから黄金クモは一度も見つけたことがない。こちらの田舎では、ハエ取りクモの一種に相撲をさせる遊びがあるようだ。ハエ取りクモも大好きなクモだ。一生懸命、餌を探してパトロールしている姿が健気で可愛い。
帰宅して、摘んで来たミントと紅茶で、熱く甘いミントティーを作って飲んだら清々しい気分になった。熱いミントティーは夏によく似合う。
夕食は冷や奴を食べる。大葉を刻み、ショウガを下し、花カツオに香り高い醤油をかける。口中から鼻腔に広がる香りを味わっていると、心から生きていて良かったと思えて来る。
そのように、季節の飲み物や食べ物を味わうことが、心の健康維持に役立っているのかもしれない。
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