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2014年7月10日 (木)

負けるまで目一杯に頑張ったら、素晴らしい人生になる。14年7月10日

今朝の「花子とアン」はカフェでのクリスマスパーティーだった。クリスマスは戦後に盛んになったと思っていたが、大正期にすでに受け入れられていたことに驚く。楽しければ何でも受け入れてしまう、日本人の無節操な宗教観は昔から変わらないようだ。

今は酒場でのクリスマスはすっかり衰退し、家族で楽しむものに変わったが、昭和30年代までの歓楽街でのクリスマスは盛大だった。歌舞伎町などでは派手な三角帽子やサンタ帽をかぶった酔客たちが、深夜まで騒いでいた。

そのような品のなさがあっても昭和は懐かしい。元気で猥雑で、古い日本が沢山残っていて、思い出すと切なくなる。寂しいシャッター通りなど考えられず、日本中の商店街に活気があった。

夏の商店街で思い出すのは、サイホンの水流で太鼓を叩くブリキ製の福助人形だ。サイホンの水は水ようかんや冷や奴などを冷やしていて風情があった。今も消えた風景として、真昼の眩しい光と乾いた太鼓の音が心に残っている。


川向こうのライフは深夜12時まで営業している。昨夜、食材が足りないので、11時過ぎに買い物へ出かけた。深夜のライフは終電で帰って来た人たちで混雑し活気がある。魚売り場にキビナゴ250g198円があったので2パックとショウガを買った。

帰りの浮間橋で、前を後ろ姿のいい女が歩いていた。趣味の良いグレーの縦縞のスラックスに栗色の髪。時折見える襟足も白い二の腕もとてもきれいだ。無性に前から見たくなり、急ぎ足で追い抜いて橋たもとから右の遊歩道にそれた。そこからなら自然に彼女の横顔だけでも見えるはずだが、女はこつ然と消えていた。橋の上ではそれようがないのに、どうして消えたのか不思議だった。


キビナゴは、子供時代を過ごした漁師町大堂津では、シーズンになると母は親しい漁師たちからバケツで貰っていた。今思うと、母は都会的なすらりとした美人だったので、漁師たちから特別扱いされていたようだ。

後年、地元の年寄りから聞いたことだが、敗戦直後、北九州の空襲で焼け出された我が家が食料事情の良いその地に移り住んだ時、東京から女優さんがやって来たと噂されていたようだ。

東京から来たは思い違いだが、母が京都に住んでいた頃、友人の映画監督から女優にならないかと誘われていたことは事実だ。母は女優業が嫌いで頑として断り続けた。もし、引き受けていたら、役人崩れのどうしようもない父とは結ばれる機会はなく、私も生まれなかった。

その父は、まだ私が影も形もない頃、海軍士官待遇でアッツ島に赴任し飛行場建設にあたることになっていた。しかし、乗船予定の船が次々と撃沈され、昭和18年6月初頭、輸送船を待つうちに赴任地のアッツ島は玉砕してしまった。もし実現していたら父は名誉の戦死をして私は生まれなかった。だから、私は危うく繋がった運命に導かれるように誕生した訳だ。

S_1話を戻すと、大堂津のキビナゴは東京では考えられない程に新鮮だった。
母はそれを器用に指で割いて山のように刺身を作ってくれた。
そのプリプリしたキビナゴを酢みそで食べるとほっぺたが落ちそうに美味しかった。

ライフで買って来たキビナゴはヘロヘロで到底刺身にはできないので、酒・砂糖・醤油・薬味のショウガで甘辛くしっかりと煮詰めた。子供の頃は、煮付けたキビナゴは頭から食べていたが、東京のは魚臭いので頭辺りを残して食べた。


昨日朝は深夜から2時間寝て、4時半からのブラジル-ドイツ戦を見た。主軸のネイマールを欠いたことで一致団結したブラジルが必死に闘って勝つと期待したが、セットプレーで1点取られると一気に崩壊し、7点も与えてしまった。その後は観戦する気が失せて、後半戦途中で二度寝した。

先日、ネイマールに背後から膝蹴りを入れて背骨にひびを入れたコロンビア選手のスニガは、インタビューの時、顔面蒼白だった。内心、身の危険を感じていたのかもしれない。ブラジル敗戦により、サッカー賭博で大損をしたマフィアがスニガ暗殺命令を出したとの噂がある。いずれにしても、彼がブラジルの地を踏むことは二度とないだろう。

今朝のオランダ・アルゼンチン戦は、息苦しい闘いの末にPK戦でアルゼンチンが勝った。オランダ勝ちを予想していたが外れて安堵した。実を言うと準々決勝まで、予想が95%当たっていたので、生活の先行きの悪い予想も当たるのではと滅入っていた。予想など当たらない方が人生は楽しいに決まっている。

「負け試合が最高の試合だ」
英国のラグビーに関する格言だ。「勝ち試合では全力を出せないが、負け試合は全力を出し切った結果だ」と言った意味だ。その諺に東洋思想に近いものを感じる。その意味では、ブラジルは悪い負け方をして、オランダは良い負け方をした。

スポーツに人生を当てはめると、総て死で終わる人生は負け試合とも言える。成功など途中の出来事で結果ではない。だから、全力を尽くして一生を終えるのなら、結果に関係なく良い人生だ。


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東京北医療センターの庭。
とても良い場所だが、蚊が寄って来るので、のんびりはできない。

昨夜は探検バクモン「絶海のおもてなし宮殿」を見ていた。今回は日本最大5万トンの豪華客船飛鳥への訪問。外国人ダンサーによる本格的なショーやマジシャンのイリュージョンを紹介していた。一番高いスイートルームでの世界一周は、百数十日で乗船費は2400万円と家が買えそうな額だ。

しかし、どんなに裕福でもこの豪華客船に乗りたいとは思わない。内装は銀座の高級クラブの趣で、正直言って趣味が悪い。こんな薄っぺらな空間に閉じ込められ、バタ臭い豪華ショーを毎日見せられ、成金趣味の老人たちとつき合いながら3ヶ月以上を過ごすなんて牢獄に閉じ込められる気分だ。むしろ、無骨な貨客船で、退屈したり海賊にハラハラドキドキしながら世界一周する方が絶対に面白い。

豪華客船でもクラシックなタイタニックなら落ち着く。もっとも、当時は最先端でクラシックとは言えないが、映画で見た木製品を多用した内装はとても良かった。

私が考える豪華客室は和風だ。船内に和風の庭を設けて、洗練された和室で美しい人にかしずかれ、膝枕でごろ寝をしたり、南国の海を眺めて俳句を詠んだりしながら世界一周をしたら最高の旅だ。

番組途中で嫌になり、Eテレの「100分de名著・ファーブル昆虫記・昆虫観察を天職と知る」にチャンネルを変えた。こちらはドキドキするほど面白かった。ファーブル昆虫記は子供の頃に夢中で読んだ。一番印象的だったのは糞コロガシだ。今回は獲物に麻酔をかけて動けなくして幼虫の餌にする狩り蜂の項だったがこちらも面白かった。本当に楽しい遊びはお金がかからない。金をかければかけるほど遊びは虚しくなる。


10年近く、運命に打ちのめされてばかりで、負け癖がついた闘犬の気分だった。殊にこの1年はどん詰まりに落ちて行く一方で、更に落ちると思っていた。それが最近なぜか「このままでは終わらないぞ」とムラムラと闘志が湧いて来た。それは怒りに近い気分で、それで前回「70歳からのサバイバル」を書いた。

今は良い負け試合にしようと行動している。結果が何であろうとかまわない。これからの貴重な余生は一生懸命行動して、悔いなく一生を終えたいと思っている。

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Goof

Mas

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