絵を納品して、のんびりと王子稲荷の初午へ。15年2月11日
今日は初午。建国記念日の休日に好天と暖かさが重なり、王子稲荷への通りは大混雑だった。お参りは山門から長く行列が続き、ディズニーランドなみの待ち時間だ。
いつもは閑散とした通りが、この日ばかりは大混雑する。
賑わいから少し離れた「幸福の小槌」の店。
店番の老人が人待ち顔で座っていた。
立ち止まって、店を眺める老人がとても良い味を出している。
「小槌のお守りくらいで、幸せになれたらいいけどな」
つぶやき合う、老人たちの声が聞こえるような光景だった。
王子稲荷境内の願い石の社は今年も大行列だった。
「並んでいるのは、悩みの多い不幸なやつばっかりだ」
大行列にヤケになったほろ酔いの老人が捨て台詞を吐いて、去って行った。
「そうなんですか」
隣の女性が聞いた。
「幸不幸は人が決めることではないでしょう。
自分が不幸だと思う人は不幸で、そう思わない人は幸せです」
そう答えると、女性たちは「そうそう」と笑顔でうなづきあっていた。
彼女たちのおかげで待ち時間は退屈せず、願い石の順番はすぐに来た。
社の中央の座布団の上に鎮座する願い石は、大きなコッペパンみたいな20数キロの自然石だ。横に「腰を痛めないように持ち上げてください」と張り紙がある。毎年何人か、頑張りすぎた年寄りが腰を痛めるようだ。
「今年も生活できますように」
願いながら腰を入れて石を持ち上げると、顔のあたりまでスーっと上がった。どうやら、今年もなんとか生活できそうだ。
社脇の急階段を上って狐穴をお参りした。
もう50年数年間、同じように参拝を繰り返している。
2010年の初午、母を最後に連れて来た時、
「今年もお参りできて本当に良かった」
と、母は幾度もつぶやいていた。
次の二の午は2月23日。その日は平日なので今日ほどに混雑しないだろう。
王子から御徒町へ出て、アメ横でアーモンドとココナッツオイルとオリーブ油を買った。
スペイン産2リットルのエキストラバージンのオリーブ油は1100円、ココナッツオイルは1リットル650円と格安だ。ココナッツオイルは普通の油より4倍消化が良くて体内で10倍早く燃焼する。初期のアルツハイマーに効いたとの報告もある。今の気温では硬くパラフィンのように固まっているので、お湯で25度以上に温めて液化させ小分けして使う。
アメ横はエスニック料理の強烈なスパイスの香りが漂い大混雑だった。名物の1000円チョコレートの店には若者が行列していた。これでもかと買い物袋にギューギュー詰め込む叩き売りを眺めていると、若者たちの笑顔が伝染して私の頰もゆるんだ。
昔から連綿と続く年中行事をすませると気持ちが安らぐ。
2月3日の節分は、豆まきをして、ヒイラギの枝にイワシの頭を刺して魔除けに飾り、豆殻を燻べた。
公団住宅の旧居と違ったのは、豆殻を燻べた煙で火災探知機が作動したことだ。この区営団地は老人が多いので、一般より感度をよくしてあるようだ・・・などと他人事のように書いたが、70歳の私と73歳の姉は世間から見れば正真正銘の年寄りだ。
ブログを長く休んだのは絵を描いていたからだ。
絵は土曜日に完成させて、日曜日に山元氏と連れ立ち、小田急線沿線に住む絵の依頼主の菊池君を訪ねた。
題名はハレム。
女性の顔アップ。
左は愛の天使。
中央の王様が注文主の菊池君。サイズは8号。周りの女性たちはゴーギャンへのオマージュでもある。健康的に引き締まった乳房を描きながら、ココナッツオイルの官能的で甘い匂いを感じた。
すぐに画料をもらったので、翌日、払底しかけた銀行口座へ入れて引き落としに間に合わせた。そのような危うい貧乏絵描き生活は覚悟の上だ。43歳の時、恵まれた仕事を捨て、野たれ死に覚悟で絵描きに転職した。それは、ゴーギャンをモデルにしたサマセット・モーム「月と6ペンス」みたいな転職だった。
今の住まいに引っ越すとき、大量の昔の絵が出てきた。上手下手を抜きにして、どの絵も伸びやかで勢いがあった。それで、機会があったら初心に戻って画風を変えよう思っていた。
しかし、画風を変えるのは大変な冒険だった。もし変えたことが評価されず売れなかったら自信をなくして失敗する。幸い、今回の依頼主は絵がわかる絵描きだ。彼なら、良いものを描けば評価してくれる。それで、画風を変える決断ができた。
絵の評価はとても良くて安堵した。これからの作品は、大きく飛躍しそうな予感がした。ただし、良い絵だから売れると限らないのが絵の世界の辛いところだ。
納品の後、近所のとんかつ屋で三人で楽しく飲んだ。
アルバイトの女子高生が可愛かった。
私は30年前から実践しているが、最近「世界の著名人にシャンプー・石鹸なしの洗い方が普及。そして、タカタ製エアバッグのリコールの遠因。14年11月27日」の、No Pooの洗い方が各方面で注目されている。
最近は有名人を始め、世間でも実行する人が増えた。この様子では、シャンプーや石鹸の使い方が変化するかもしれない。
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