来日観光客が教えてくれた日本の魅力を、新鮮に再発見している。15年2月16日
街中から荒川土手傍の住まいへ向かって行くに従い、1,2度は低くなる。更に荒川土手へ上ると1度は低い。殊に今日のように北西の強風が吹きつけると、厳しいほどの冷たさだ。
緑道公園にて、ロウバイが馥郁と香っていた。
40数年歩き続けた散歩道の木々は見上げるように大きくなった。
いつものベンチに腰掛け、ぼんやりと榎の巨木を眺めながら過ぎて行った年月を思った。私が死んだ後も木々たちは生き続ける。そう思いながら眺めると不思議な感慨を覚える。
知人はガン手術のために板橋の病院に入院している。
手術ロボット・ダヴィンチによる腹腔鏡手術なので成功率は高く、月末には元気な姿に再会できるだろう。私も同じだが、そのように幾度もの生還を果たして行く内に、いつの間にか人生の終わりを迎える。
テレビ番組でロシア・チェリャビンスク州隕石の動画を映していた。少し前のことと思っていたが、あれは2年前の今日の出来事だった。
本当に時間が過ぎるのが早い。この前、冬がやって来たと思っていたら、いつの間にか春間近かになっていた。
東京北医療センターの庭。
右が正式な遊歩道だが、ほとんどの人は左の踏み跡を辿って病院や介護施設の桜の杜へ行く。これは自然の山にできる獣道みたいなものだ。公園には遊歩道を作らず人の自然な動きに任せて、踏み跡ができたらそこに遊歩道を造れば、素晴らしい公園ができるのだが・・・
昔からの繁華街はそのように自然発生した。
人の動線に従ってできた街は歩きやすく心地よい。しかし、役所の都市計画で作られた街は人の動線を無視しているので大抵は失敗する。神戸の震災後、長田地区に建てられた商業ビルは、賑わったのは1年足らずだった。今は櫛の歯が抜けるように店舗が撤退し、お化けが出そうなくらい寂しい。
下北沢では街を道路が横断する大改造が進んでいる。役所は駅前広場ができてスッキリ発展すると言っているが、役人の計画が当たったことはない。下北沢の魅力は雑然とした迷路みたいな街並みにあったのに、残念なことだ。
「和風総本家」冒頭に出てくる柴犬の子犬、14代目豆助。
日本犬らしくちょっと凛々しく、無邪気にジグザクに歩く姿が実に愛くるしい。
テレビ東京の和風総本家はよく見ている。
12日のスペシャルでは「日本という名の惑星・グアテマラ編」を放映していた。テレビ東京企画で、グアテマラの人気放送局に持ちかけて成立した、
それに伴い現地の有名司会者、リポーター、カメラマンら4人の取材班が初来日した。グアテマラはマヤ文明やコーヒーの輸入先として知られている。
リポータのロレイン26歳は故リズティラーの若い頃に似た完璧な美女だった。カメラ前での知的な姿から素に戻った時の可憐な初々しいさは実に魅力的だ。可愛い可愛いと大切にされ、素直にまっすぐに育ったのだろう。別れ際「日本人は華美に見栄を張らず、誠実で素晴らしい人たちでした」と、彼女は大きな瞳に涙を浮かべて話していた。
最近、このように外国人を招いた番組が多い。
写真は熱海の相模湾を見下ろす露天プロ。42度と彼女には熱過ぎたが、すぐに慣れてはしゃいでいた。
日本は世界各国の料理を完成度高く食べることができる稀な国だ。
グアテマラの食べ物はトルティーヤが主で、他に種類は多くない。彼らにとって日本はあまりにも食べ物の種類が多く、悩んだ末、庶民の食べ物の立ち食いそば屋を選んだ。
蕎麦屋でロレインはカメラを忘れてカツ丼を夢中で頬張っていた。司会者はテンプラ蕎麦2杯にカツ丼を本気で美味そうに食べていた。日本は立ち食い蕎麦屋程度でも完成度が高く、彼らは心底感動していた。
アジア人にとっても日本の食べ物は魅力的だ。たこ焼き、もんじゃやき、トンカツ、おでん、ぜんざい、駄菓子に和菓子と、どれも成熟した食べ物だ。寿司の知名度は高いが、今はラーメンや餃子の食べ歩きのために来日する中国人などの外国人も多い。中華にフランス料理、いずれも発祥国より日本独自の発達を遂げて、国際的に評価されている。
日本在住の中国人が帰国したがらない一因に食の安全がある。
日本の野菜は洗わなくても安全だが、中国では専用の洗剤で丹念に農薬を落とさないと危険だ。
中国在住の日本人の子供たちへのアンケートでの日中の大きな違いはトイレの臭さだった。中国のトイレは鼻が曲がるほど臭くて不潔で、外出しても子供達は自宅までトイレを我慢すると言う。
外国人には、日本の街並みは美しく見えるようだ。
我々には電柱だらけで狭くごちゃごちゃした街は醜いが、外国人の美意識ではそうではない。多分、ゴミが落ちていない清潔な道や、掃除の行き届いた住居などが、そう感じさせているかもしれない。
先日、ムーミンの母国、フインランドの番組を見た。
自然も郊外風景も、街並みも家も隅々まで完璧にスッキリとしていて清潔だった。しかし、私には単調で寂しすぎる風景だった。日本とフインランド、どちらに住みたいかと言われたら、躊躇なく日本と答える。あまりにもスッキリとした環境では心を病みそうだ。私はアジア的に混沌で雑然とした風景が落ち着く。
新河岸川夕景。
経済学者のピケティが投げかけた経済格差問題は日本でも衝撃的だった。
去年、トヨタの豊田章男社長が記者会見で「社長になって初めて税金を払えるようになって嬉しい」と語っていた。
前年度の営業利益2兆5000億円。その前は1兆円超の利益。それにもかかわらずトヨタは5年間も税金を払っていなかった。それができたのは、税制を有利に運用した結果だった。
友人の経営する企業はトヨタと比べると吹けば飛ぶように小さい。それでも毎年かなりの税金を納めている。日本企業は税金が高すぎると言うが、実態はかなり違っているようだ。
経済格差問題は日本にはないと言う経済学者がいる。
しかし、庶民感覚では明らかに存在する。東西冷戦が終結してから、一貫して累進課税は緩められ、所得税中心から消費税へと軸を移し、相続税も「抜け道」を増やし、格差問題は明らかに悪化し続けている。
荒川向こうの川口夕景。手前は新河岸川。
20年前は右手の高層マンション1棟だけだったが、鋳物工場跡に次々と高層マンションが建った。
この風景にはモリコーネのOnce Upon A Time In American がピッタリする。
荒川土手夕景。
睡眠儀式。
以前は小さなダンボール小屋でふわふわした寝袋にぬくぬく寝ている自分を想像していた。外は寒い雨だが、小屋の中は暖かく気持ちよい、そう想像しているといつの間にか気持ち良く眠れた。
最近はペルーのチチカカ湖の浮島を想像している。
チチカカ湖では、葦・トトラを重ねて浮島を造り、その上に葦でできた小屋を建てる。トトラを束ねた壁の温かい部屋でぬくぬく寝ている自分を想像していると、気持ち良く寝入っている。
生のトトラの芯は食用にもなる。サクサクとした食感でほの甘く、飽きのこない美味しさだそうだ。
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