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2015年2月24日 (火)

人の運命も性格も体型も死に方も、腸内細菌が大きく影響していた。15年2月23日

腸内には100兆以上もの細菌が住んでいる。それらの生態系は腸内フローラと呼ばれ、腸内菌が出す物質は、美肌、心の病、がん、生活習慣病などに大きく関わっていた・・・22日NHKスペシャル「解明・驚異の細菌パワー」・・・

地球上の細菌は70グループに分類される。その内、アクチノバクテリア、バクテロイデース、ファーミキューテス、プロテオバクテリアの4グループだけが、長い人類史の中で腸内に受け入れられた。

胎児の腸内は無菌状態だが、生まれた瞬間から外界の細菌にさらされることになる。それらの細菌の有用不要は腸管から分泌されたIgA抗体によって選別され、上記4グループの細菌だけが腸管の粘液層に住み着くことができる。

善玉菌の影響は体から心まで多岐にわたり、住み着いた人の人生すら左右する。
例えば、痩せた人の腸内フローラを肥満の人の腸内に入れると、痩せる体質に変身する。逆に太った人の腸内フローラを痩せた人の腸内に住み着かせると、太る体質に変身する。

それは善玉菌のバクテロイデスなどが腸内で短鎖脂肪酸を作り出すからだ。
短鎖脂肪酸は腸から吸収され体の隅々に行き渡り、脂肪細胞に働きかけて脂肪の取り入れを防ぎ、筋肉に作用して脂肪を消費させる。そのように脂肪の蓄積を妨げ、燃焼を促進することで肥満を解消していた。

短鎖脂肪酸-たんさしぼうさん-は炭素数6以下の脂肪酸を指す。酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸などがある。

短鎖脂肪酸は、肥満防止だけでなく糖尿病の治療にも効果があった。
短鎖脂肪酸を作り出す有用菌は植物繊維やポリフェノールを食べることで増える。臨床試験では、植物繊維とブルーベリー由来のポリフェノールを患者が食べるだけで、インシュリン分泌が増えて糖尿病は大きく改善していた。植物繊維は豆類、ごぼう、アスパラ、などの野菜類に多く含まれる。

美容には腸内細菌が大豆を分解して作る女性ホルモンに似たエクオールが効果があった。エクオールはコラーゲンを増やし、骨密度を高めて骨粗鬆症を防ぎ、更年期障害を軽減する。

治験ではエクオールを二,三週間飲んだ人の肌はコラーゲンが増え皺が浅くなって目立たなくなった。コラーゲンが増えると骨も丈夫になる。ただし、エクオールを作る腸内菌を持つ者は日本人の半分で、若いほど少なくなる。

がん発症にも腸内フローラが大きく関係していた。
がん研有明病院の原英二氏はがん患者から集めた便から、がんを引き起こす腸内細菌を発見し有明菌と命名した。有明菌が出す物質DCAは細胞を老化させ、老化した細胞は発がん物質を周辺に撒き散らしてがんを引き起こしていた。

有明菌は前立腺、肝臓がん、乳がん、大腸がんなどの発生に大きく関係する。ことに女性の肥満者に多い大腸がんは有明菌が大きな原因だ。昔から肥満者に大腸がんが多発することが知られていたが、それは肥満により増加した有明菌が原因だった。対して、腸内有用菌のナッツ菌(スラキアSP・Natts)は前立腺ガンを予防する働きがある。

ガン研での有明菌の発見と研究は科学誌サイエンスの年間最重要項目に選ばれた。

善玉菌を増やして肥満を防止し心身の健康を保つには、バランス良く様々な野菜や豆類を食べることが大切だ。腸内フローラを良好に保つことで、美肌、ガン・生活習慣病、アレルギー、ストレス予防に大きな効果がある。

善玉悪玉は便宜上分けられた名称だ。悪玉菌でも人体には大切な役割があり、排除すると悪影響がある。要はバランスが大切だ。それはコレステロールを善玉悪玉に分けるのに似ている。悪玉コレステロールにも大切な役割があり、排除すると人体に悪影響がある。


人の性格も腸内細菌が左右していた。
動物実験では、臆病なネズミに好奇心いっぱいの元気なネズミの腸内フローラを移し替えると、臆病なネズミは勇敢なネズミに変身した。

脳には1000億個の神経細胞がある。脳の次に神経細胞が多いのは腸で、1億個の神経細胞がある。腸内フローラの出す物質が神経細胞に作用し、それらが発する電気信号が脳に伝わり鬱を起こしたり改善させたりしていた。内向的、外交的な性格にも影響していた。悪玉細菌が出す4EPSは脳に悪影響を与え、コミュニケーション能力を阻害していた。

難病を引き起こす腸内細菌もあった。
デフィシル菌が異常繁殖して、全身の不調が起きて死亡する難病がある。これまで治療法はなく米国だけで年間1万人以上が死亡していた。

その治療として便微生物移植が試された。
それは健康な人の便100グラムほどを1リットルの水に溶かして患者の腸内にチューブで注入するだけだ。その効果は劇的で、生命維持装置が必要だった重症患者が翌日には元気に歩き出したほどだ。便移植は日本では公認されていないが米国では一般的な治療になっている。

便移植は他にも様々に応用できる。内向的な人を外交的にし、コミュニケーション能力を高め、美肌にし、ガンや老化を防ぐことができる。

腸内細菌は膨大すぎて、まだ研究は始まったばかりだが、人は経験的に野菜や豆類をバランスよく食べることで心身の健康を保てることを知っている。

そのように、食生活は人生に大きく関わる。インスタント食品などの劣悪な食生活で腸内細菌が劣化している人は心身も肌も病んでいる人が多い。残念ながら、現代日本人は有用菌を増やす植物繊維や大豆類などの必要量を満たしていない。


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昨日は、正月に亡くなったボランティア団体代表のYさんのお別れ会に山の上ホテルへ出かけた。ホテルは明治大学裏手の山の上にある。今はどうか知らないが、昔は締め切り前の作家を部屋に缶詰にして書かせていた。そのせいかロビーにも知的な雰囲気があった。

1時間遅刻して着いた。会場では関係者が次々と演壇に立って思い思いに話していたが、客は談笑したり、記念写真を撮ったりして誰も聞いていなかった。その中で未亡人が一人、顔を赤くして涙をこらえているのが寂しい光景だった。

菅直人元総理も来ていたが、来客の人気はなく手持ち無沙汰だった。
しかし、演壇に立つと生き生きと変身した。
「原発のことを話し始めると1日はかかる。今日は割愛しますが・・・」
彼は話が長いのを自覚していた。


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雰囲気に馴染めず、部屋を出てロビーで休んだ。
壁際にホテルのコレクションのガレなどのガラス器が飾ってあった。それらをじっくり眺めて部屋へ戻ると、菅氏の話はまだ続いていた。
5人ほどの旧知の人と言葉を交わして、予定より1時間早く会場を後にした。


今日は春のように暖かい日だった。
午前3時まで寝付けないまま、7時に起床したのでとても眠い。
朝食後、しばらくすると睡魔に我慢しきれなくなって早い昼寝をした。

夢に母が出てきた。
場所は20年前まで暮らしていた赤羽台の家だった。
庭から差し込む日差しの中で母は編み物をしていた。
「なんだ、元気だったんだ」
声をかけると「何、言ってんの」と母は笑った。


母が夢に出たのは、寝入る前に「鶴瓶の家族に乾杯・松坂桃李・福岡県久留米市」の再放送を見たからだ。久留米は母の故郷だ。40年昔、母や兄たちと久留米の水天宮に訪れたことがあった。お盆の頃で、水天宮前の通りに、供物や花で飾られた1間ほどの立派な精霊船が二艘、置いてあった。昔は筑後川に流していたらしいが、今は海を汚すので流さず飾るだけだ。

筑後川際の水天宮の楠にミノムシが大発生していた。
遊んでいた4,5歳の可愛い男の子が落ちていたミノムシをつまんで私たちに見せに来た。
「すいとっと」
男の子が話しかけた。
「すいとっと」
母は語尾を上げて、嬉しそうに答えていた。

久留米弁は博多弁とは微妙に違う。
訳すと「ミノムシが好きだよ」と言ったのに対し母は「ミノムシが好きなの」と答えていた。
もし、男の子が健在なら40代半ばだ。
番組の久留米風景を眺めながらそんなことを思い出していた。


小倉に住む母違いの姉からの電話で目覚めた。
ベランダから差し込む陽光が眩しかった。

80歳の姉は6年前に脳梗塞で倒れ、今も体の一部や言葉が少し不自由だ。
「何か食べたいものないの。何でも送ってあげるから言いなさい」
急に言われても思いつかない。いつものように、ウニの瓶詰やお茶など日持ちのするものを頼んだ。

「私のこと、覚えていてね」
姉は電話を切る前に言った。
「忘れるわけないでしょう。いつまでも覚えているよ」
慰めると、姉は涙声になって言葉がつまり、そのまま電話は切れた。死が近いと感じているのだろう。70代になってから、年寄りの気持ちが更に分かるようになった。


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電話を切ってから散歩に出た。薄日が差して暖かく、冬の服装では汗ばむほどだった。
荒川土手にはわすれな草が咲いていた。
生暖かい南東の風には排気ガスの匂いが混ざっていた。


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帰りは雨模様になって、強く降り始めた。
リュックにコートを入れて出たので、雨はしのげた。


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Goof

Mas

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