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2015年6月26日 (金)

夏至過ぎて、史上最悪デザインの新国立競技場にオリンピック史上最大の巨費をつぎ込む愚かさ。15年6月26日

夏至を過ぎても涼しい日が続いていたが、一昨日昨日と夏日差しが戻った。


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土手の階段を上ると広大な河川敷が広がる。
この変化は劇的で、幾度味わっても素晴らしい。


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先日の夜、玄関前通路で隣家を訪ねて来た2階に住むおばあさんと言葉を交わした。

「広々と遠くまで見えて綺麗ですね、まるで外国みたい」
おばあさんは荒川向こうの高層マンション群の夜景を眺めながら感動していた。
2階からは川向こうは見えない。土手を登れば同じ光景が眺められるが、彼女は足が悪くそれは無理だ。


昨日、散歩に出かける前、猛烈に眠くなって午睡をとった。
寝入ったのは15分ほどだが、母の夢を見た。7月1日の母の命日が近くなり、あちこちから供物が届き始めたので夢を見たのだろう。

夢の中で母は赤羽北の旧居の住まいで編み物をしていた。
「みんないなくなって、心配していたんだよ」
母は編み物をする手を止め、嬉しそうに私を見上げた。
引っ越したので、その住まいには誰も住んでいないと話そうとしたが、迷って言い出せないでいるうちに目覚めた。

散歩へ出ても、編み物をしていた母の姿が頭から離れなかった。
土手道から1キロほど南東に赤羽北の旧居が見えた。
なんとなく、今はいない昔の私と母に手を振ってみた。
しかし、すぐに寂しくなって手を振るのは止めた。

旧居の頃、玄関前に出て遠い土手道を眺めながら、10年後の自分がトボトボと散歩している姿を想像した。手を振ったのは、その過去の自分が、旧居から現在の自分を眺めているように感じたからだ。
記憶は現在過去を無視して同時に心の中に在る。それは映画「メン・イン・ブラック3」の、時間を超えて自在に未来を眺めることができる5次元の世界に住む宇宙人・グリフィンの感覚に似ている。


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日当たりの良い芝生の至る所にネジバナが咲いている。
3ミリほどの小さな花だが蘭の一種だ。
拡大すると、間違いなく蘭だと納得できる。


先日、沖永良部島が噴火した時、島の老人たちがインタビューを受けていた。彼らは、穏やかで朴訥で、私が子供の頃の老人たちのような日本人の雰囲気があった。近年、均一化が進み、日本中どこへ行っても若者から老人まで見た目のスタイルは東京とほとんど変わらない。老人たちは家にこもってテレビを見てばかりで、昔のように、どこかの家の縁側に集まり、みんなでお茶を飲むことなど減ったようだ。地方の個性がなくなっていくことは、文化の衰退につながるように感じてならない。


近年、グローバル化がよく語られる。
「グローバル化しなければ日本は3流国へ落ちる」
評論家は警鐘を鳴らすが、多くの若者が海外へ出て、外国語と海外の生活習慣をネイティブのように操り、日本人の個性を薄めることこそ衰退につながる。世界がグローバル化した時、勝ち残るのは強欲で利己的な民族だ。同じ土俵に立てば、温厚な日本人はとても勝ち残りそうにない。

むしろ、日本人はグローバル化を拒否して、日本の風土に閉じこもって独自に技術や文化を進化させた方が、生き残るチャンスが生まれる。韓国や中国のように猫も杓子も大量に留学生を送り出す必要はない。むしろ、この素晴らしい風土に留まり、日本独自の技術を生み出すのが日本の生き残りの道だ。

その例がガラパゴス化だ。
それは日本でしか通用しない高度な技術を言うのだが、ガラパゴスから生まれ世界基準になった技術は無数にある。スマホ、薄型テレビ、タブレット、ノートパソコン、デシカメ、携帯電話のメール機能、HV車、リチウム電池、メモリー、クリスタル時計と現代の文化を形作っているものばかりだ。それらの技術はローカルに日本独自の風土に留まったからこそ生まれた技術だ。

それらの新技術が衰退した最大の原因は、国や経営者がグローバル化していなかったからだった。そのため、新技術はたちまち後発国にキャッチアップされて日本製は世界から駆逐されてしまった。だから、政治家や経営者たちがグローバル化することは否定はしない。学者もアーティストも多国籍の環境で刺激を受けて切磋琢磨することは合理的だ。


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緑道公園のアジサイ。


最近知った新技術の「プラズマアクチュエータ」は大変に素晴らしい。
プロペラ、飛行機の翼、車の車体などに0.1ミリと極薄の膜状の装置を貼り付けて電気を流すとプラズマが発生し、ビル風から、タバコなどの煙、エアコンの風の流れまで、自在に操ることができる。自然エネルギーの風車に貼り付ければ発電効率も上がる。

プラズマアクチュエーターの原理は50年前に考案された。
その実用化を世界各国が競争している。
日本での第一人者、宇宙航空技術=JAXAの藤井孝藏氏(63)によると、車の車体などに薄さ0.1mmの膜状の装置を貼るだけで空気の流れをスムースにし、空気抵抗の原因の空気の渦の発生を抑え、著しく燃費が低減する。藤井氏はリニアモーターカーの風圧抵抗の分析、JAXAでは火星探査飛行機の研究に携わっている。

プラズマアクチュエーターの仕組みは、2枚の薄膜の電極に電圧をかけることによりプラズマを発生させ、プラズマが乱れた空気を引きつけ流れを整えることで空気抵抗低減効果が得られる。

応用すれば、エアコンの性能アップ、 飛行機の翼に貼れば燃費が軽減、自動車や電車の風圧抵抗の低減、風力発電のプロペラに貼れば著しく発電効率が上がる。

飛行機の翼にプラズマアクチュエーターを貼ると、気流が翼から離れて空気抵抗が増していたものが、気流がスムースに翼に沿って流れ、揚力が効率良く働く。

その効果は劇的で、既成の風力発電のプロペラにプラズマアクチュエーターを貼り付けると、同じ風力において、貼り付けたものはそうでないものに比べ10倍の回転数になる。

換気扇に付けると騒音が消え、エアコンの空気の流れも特別の装置なして自在にコントロールできる。また、簡単にタバコの煙を周りに拡散させない装置や、列車の風圧を周りに及ばさない装置もできる。

燃費軽減競争をしている自動車業界も、劇的に燃費を軽減できると期待している。
車が走ると必ず車体の後方に空気の渦が生まれ、燃費を悪くさせる。その為、自動車の設計はデザイン優先か、低空気抵抗優先かのせめぎ合いだ。しかし、プラズマアクチュエーターを使えば空気抵抗低減を考慮せずに、自由にデザインできるようになる。


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今年のヤマモモは豊作だ。
枝が折れそうなくらいたわわに実っている。
果実酒にして、毎日芳醇な香りを味わっている。


新国立競技場デザインが問題になっている。なにしろ、建設費の2500億円超は、シドニー、アテネ、北京、ロンドン五輪のすべてのメイン競技場の建設費を全部足して倍にしたほどなの巨額なのだから呆れる。これから数十年、悪趣味巨大カイガラムシに巨費を費やして日本の恥を世界に晒すことになりそうだ。

こんなことなら、既存の国立競技場を壊さず、手を加えて安く作ったが良かった。
コンペでは敗れたが、日本のSANAA+日建設計案は自然に周りの景観と調和して、ゆるやかな曲線で形作られた観客席は心地良かった。比べて今回のザハ案の観客席は意外に凡庸で、趣味が悪い奇抜な天井の形は、競技者の集中をそぐような気がする。

ザハのデザインは近未来的だが、無数に描かれているSF美術と比べたら驚くほどの作品ではない。むしろ凡庸なスタイルだ。それが更にカイガラムシみたいに劣化するのだから目も当てられない。今更デザイン中止は無理で、悪趣味の為の世紀の無駄遣いを傍観しなければならないのは実に歯がゆい。

ザハ案がカイガラムシに変貌したのは大雪に耐えられないからだ。それくらいのことは審査委員長の安藤忠雄は始めから承知していたはずだ。その証拠にコンペで3位になった日本のSANAA+日建設計案を強度が保てないからと落としている。この問題の責任は審査委員長安藤忠雄にもある。

予算の問題以外にも、ザハ案では神宮外苑の景観が悪くなると建築家たちが反対している。維持費が膨大になるのも問題だ。

ちなみに、コンペ最終選考に残ったポピュラス(ロッド・シアード:イギリス)の作品は自然にとけ込んでいて目に優しく、岩山へ分け入って行くような感じがとても良い。

同じく最終選考に残ったUNS Studio(オランダ)の作品はシンプルだが、天井の透明感がとても良く、観客席の雰囲気もいい。

私的には最終選考に残ったツヨシ・タネ=田根剛(フランス)の作品が最高だと思っている。外観は植樹された人口の山で、緑に覆われた古墳の感じだ。もしこれが採用されていたら、神宮外苑の雰囲気が素晴らしく変化していただろう。観客席もすっきりしていて観戦に集中できそうだ。


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