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2015年10月 4日 (日)

風清涼 夏の夢みる百日紅 15年10月4日

題名は昔作った句で、使うのは三度目だ。
毎年、今の季節にわずかに咲き残っている百日紅を見ると思い出す。

日中は夏の名残を残しているが、風は冷たく爽やかだ。
今はベランダの日差しが明るく仕事部屋を照らしている。
眩しさの中でぼんやりしていると、次々と昔のことが蘇る。

30年以上昔、庭に野鳥の餌台を作った。
初冬の頃、母は毎朝、リンゴやミカンを刻んで置いた。
餌台には大小様々な野鳥がやって来た。
中でもカケスたちは毎朝大騒ぎで食べていた。

母の声は明るくよく通る。
「静かに食べなさい。うるさいと起きちゃうでしょ」
2階で寝ていた私は、カケスたちの声ではなく母の声に起こされていた。当時、私は朝まで仕事をしていて、午前中は寝ていた。


すぐに昔へ回顧してしまうのは老いの所為だ。
10年はあっという間に過ぎて80歳を迎える。しかも、その歳を迎えられるかどうかは極めて不確かだ。だから、先のことは考えなくなった。


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画像の百日紅は先月のもの。
今はわずかに咲き残っているだけだ。


土曜のEテレ「こころの時代」のテーマは「人生是公案」だった。
講師はまだ50代の禅宗・松雲寺住職の安永祖堂花園大教授。
彼は世界を飛び回っている高名な人だ。
公案は禅修行で与えられる難解な課題。公案は千数百あって全てを学ぶのに15年はかかると言う。講師は公案の解を語りながら、「どうだ、偉いだろう」と得意げな顔をした。彼は嘘のつけない素直な人のようだ。その俗物ぶりが可笑しかった。

公案は救いを求める衆生のどのような疑問にも応えられるために膨大になった。だから、我々は全てを学ぶ必要はない。

若い頃から無数の思想・宗教・哲学書を読み漁った。しかし、それらの中身のほとんどは心に残っていない。
僅かに心に残った言葉はどれも、古来から世間で言い古された言葉だ。真理は生活の中にあり、お金では買えないもののようだ。

ふと目にした言葉が心を打つのは、すでに、その言葉が自分の中で醸成されているからだ。漠然と自分の中にあった考えが明瞭に一つの言葉で表現されていた時、深く心に残る。荘子の「不測に立ちて無有に遊ぶ」はまさしく心に残る言葉だった。


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先日のスーパームーン。
荒川に映った月光が幻想的だった。


フォルクスワーゲンの不正には心底驚いた。
メルケル政権のシリア難民大量受け入れなど、ドイツの良心は高く評価していたが、そこには日本人では気恥ずかしくなるような欧米人特有の計算高さがあったようだ。

VW告発のきっかけは、自動車・環境性能の向上を目指した米国NPOが13年にウェストバージニア大学に依頼した環境性能調査だった。米国NPOの意図はドイツ車の優秀さを証明するのが目的だったが、結果は贔屓の引き倒しになってしまった。これでVWに課せられる罰金は2兆円を超え、イメージダウンはドイツ産業界全体に及びそうだ。

難民受け入れは、その根底に人手不足に悩むドイツ産業界の後押しがあった。VW不正事件は難民受け入れに微妙な影響を与えるかもしれない。

現在、日本は殆ど難民を受け入れていないが、難民対策費の拠出は世界トップ水準を保っている。難民を受け入れない日本でも、昭和25年〜28年の朝鮮動乱時は200万の難民が流入した。当時の朝鮮半島出身者は日本語が普通にできたので、それは自然な流れだった。

北鮮中共連合軍に韓国軍が釜山近くまで追い詰められた時、李承晩政権は日本を激しく憎悪していたにもかかわらず、山口県に亡命政府を作る計画を立ていた。その折衝は山口県の県史に記録されているが、本国ではタブー視され、殆どの韓国人は知らない。


日本語ができた半島出身の難民と比べて、シリア難民の受け入れはとても難しい。ちなみに欧州の右派は日本の難民拒否政策を高く評価している。

私は政治難民は受け入れ、経済難民は制限を設けるべきだと思っている。重要なのはシリアの政情を安定させて、自国で生活できる状況を作ることだ。

東欧のEU加盟国は難民問題でドイツに反発している。
それは、東欧がEUに加盟した時、自由に出稼ぎに出かけられると期待したのに、ドイツが門戸を閉ざしたからだ。東欧はかって自分たちを拒否したドイツが、シリアの経済難民受け入れを求めていることに反発している。


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画像の彼岸花はすでに終わった。
オシロイバナとキバナコスモスは咲き残っている。


爆買いの来日中国人たちは慢性的に宿不足だ。窮余の策で、連れ込みホテルが活用されている。それが、意外に好評のようだ。連れ込みホテルは一般ホテルと比べ、防音が完璧で、衛生状態もいい。遊園地のように趣向が凝らされているのも中国人旅行客は楽しいだろう。それで最近は、家族連れのために子供用の組み立てベットを導入しているホテルも出てきている。

老後を過ごす国として、中国では日本が人気がある。殊に日本企業に長年勤めて、日本の年金をもらっている中国人の中には、郊外マンションを買って日本へ移住する人が多い。

犯罪の少ない安全な環境。穏やかな国民性。充実した医療。漢字を使う文化的な近さ。少し日本で暮らすと、それらの長所が歴史問題のマイナスイメージを凌駕してしまうようだ。

殊に、若い知識階級には、漢族が失った文化が日本に残されていることが魅力になっている。彼らによると、傲慢で利己的な今の国民性は、元や清などの異民族支配によってもたらされたもので、謙遜や穏やかさを尊んだ漢族の文化は日本に残っていると感じている。


春画展が文京区の永青文庫で始まった。大英博物館で開催した時は女性客が多く、96パーセントの来館者が期待以上の満足を得た。

行って来た版画家の菊池君によると、妙齢の美しい人が多かったと話していた。展示作品の中で、女性客や好事家には衆道の絡み絵が密かに大人気だったようだ。

豪華な図録、春画をプリントしたTシャツ、座布団、豪華な布団カバーなど、どれも限定品で今後の入手は難しい。ちなみに菊池君は四千円の図録と一万五千円の粋な座布団を買った。春画がプリントされた座布団は若い女性客に座らせるのを楽しみにしているようだ。

永青文庫
東京都文京区目白台1丁目1−1
03-3941-0850
月曜休み。
平日9時半〜20時
日曜9時半〜18時
前期は9月19日〜11月1日。後期は11月3日~12月23日。

国内外の第一級の保存状態の良い肉筆画や版画が展示されている。
私も早く行きたいが、仕事が終わるまでは行けない。

日本には春画の専門画家はいなかった。セックスをタブー視しない文化だったので、狩野派から北斎、歌麿、春信などすべての画家が手がけていた分野だ。殊に、春画の多角に視点を設けた技法はピカソなどのキュビスムに大きな影響を与えた。今見ても、構図の大胆さと美しさには感動する。

明治初期、来日した欧米人高官たちは、良家の婦人たちが春画を恥じらいもなく説明するのに驚愕した。今回の春画展が殆どの公立美術館に拒否されたのは、明治期に入ってきたキリスト教文化による教条的な悪弊の結果だ。

永青文庫が引き受けたのは所有者で理事長の元総理細川護煕氏の義侠心によるものだ。この春画展の成功をきっかけに日本文化が自由を取り戻すことを切に願っている。

浮世絵版画は原画を描く作者、彫り師、刷り師と専門的に分かれている。着物の柄は彫り師に、色味やグラデーションなどは刷り師に任されていて、三者の芸術センスが結集したものだ。

春画において彫り師は淫毛の表現に心血を注いだ。髪の毛の直線的な表現に比べ、縮れた陰毛を木版に彫るには高度な技術を要する。鑑賞される方は、それらを男女で見事に彫り分けている点に注目してほしい。

春画は男視線を重視したポルノとは決定的に違う。
そこが女性に人気がある理由だろう。

おまけ
 馬鹿夫婦 春画の真似して筋違え


春画展は別主催で銀座の永井画廊でも開催されている。
来館者の7,8割が20〜30代の女性で、大盛況のようだ。
東京都中央区銀座4-10-6 4・5・8F
TEL:03-3547-9930
9月20日〜12月23日。
休館日なし。
開場時間:11:00〜18:00 (入廊は閉廊の 30 分前まで)
入館料:大人 1000 円(税込) ペアチケット 1600 円(税込)
※18 歳未満の入廊禁止。


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