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2015年11月21日 (土)

イノベーションの停滞とグローバル化の遅れ、への疑問。15年11月21日

死について、若い頃からいつも考え続けて来た。
昔は死は怖く不安だらけのものだったが、70歳を超えてからはほとんど悩まなくなった。それは祖母、父、母を介護し看取った経験のおかげかもしれない。

自分の死は自分には絶対にわからない。臨死段階に入ると時間の感覚は消え、放出されるエンドルフィンのおかげで多幸感に包まれ、死は理解の外に去ってしまう。悟りを求める心は現世の煩悩の内にあり、その点では聖人も凡人も変わりはない。


先日までシリーズ絵を描いていた。
かなり無理をして描いて来たので疲労困憊してしまった。倦怠感、食欲不振と様々な症状が出たが、その中でも寝違いの痛みは実に不快なものだ。床に入って横になると激痛が走り、安眠できない。

そこまで無理をして描くことはないのだが、70歳を過ぎて、創作能力が日に日に衰えて行くことを思うと、今できることを頑張りたくなる。だから、どの作品も遺作になる覚悟で、無理をしてでも描くことにしている。


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夕暮れの荒川土手の草紅葉。


イノベーションは停滞しグローバル化が遅れている。
海外の経済評論家は日本を批判し、日本のアナリストたちは好んで引用する。

グローバル化とガラパゴス化は対極にある。
日本国内だけの独自進化は経済上は失敗したが、世界では大きな技術革新に繋がった。その代表例がスマホなどの携帯タブレット類だ。それらの原型を作ったのは横並びで不毛な競争に明け暮れた日本の電機メーカーだった。今成功しているアップルやサムソンは日本メーカーのアイデアをキャッチアップしたに過ぎない。

グローバル化の号令のもと推し進められる合理化は諸刃の刃だ。それは特定企業の利益独占を生み、その他大勢の国や国民を貧困へ追いやる。韓国のサムソンはグローバル化しイノベショーンに優れていると評価されている。しかし、サムソンの莫大な利益は韓国国民に還元されず、恩恵に浴しない多くの若者が国外脱出を考えている。それはグローバル化しイノベショーンに優れていても国民の幸せに結びついていない代表例だ。

ガラパゴイ化の無駄は、本当は日本の魅力を形づくている大きな要素だ。今、世界市場から排除されてしまった個性的な日本製スマホの再登場を願っている購買力のある欧米人は多い。

なぜ世界中が同じものを目指さなければならないのか理解に苦しむ。ガラパゴス化しても、我々が使いやすい良質なものをじっくり作ることは物作りの王道だ。日本には日本の個性がある。近年、ようやくそのジャパンブランドの魅力が世界に理解されて来た。


今、中国産業界は温水便座や炊飯器を生み出した日本企業の異常に完成度にこだわる匠の技に注目している。ただし、ガラパゴス化は反面教師として、陥らないように厳しく自戒している。そのように日本を学ぶ姿勢には失敗しない合理性を感じるが、危うさも感じる。

不毛な努力を否定する姿勢は合理的だが、それでは産業技術の大きな革新は生まれない。近年、多くの日本人学者がノーベル賞を受けているが、彼らの研究逸話を聞くと、無駄な失敗を繰り返すことで革新的な発見を生み出している。同様に、無数のガラパゴス化した技術革新を積み重ねていく内にとんでもない発明が生まれることがある。無駄な努力だと合理化し過ぎると大きな進化を阻害してしまう。


産業と違い、芸術や趣味の世界ではガラパゴス化は大きく評価される。誰にでも満遍なく受け入れられる芸術は魅力がない。

観光もガラパゴス化が大きな吸引力につながる。今年、日本観光が飛躍した大きな原因にガラパゴス化した日本文化がある。例えば丸の内や新宿新都心の現代的なビル群は観光資源にはならない。外国人観光客が殺到するのは、かってうらぶれた街とされていた、浅草などの下町にある。中国人観光客が爆買いする商品のほとんどはガラパゴス化した日本独自の商品群だ。生活を楽しくさせるものは、そのように日本的個性で研ぎ澄まされたものにある。


外国人観光客に関して驚いたニュースは、多くの中国人観光客が靖国神社を訪れていることだ。反日極まって抗議に押しかける政治的なものではない。中国人は軍事オタクが多く、境内に併設されている遊就館の零戦や人間魚雷などの武器類が大人気のようだ。

そう言えば母も靖国神社が大好きで、孫を連れてよく出かけていた。母は参拝の後必ず遊就館を訪ねて、特攻隊の遺書などを読んで涙していた。


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欧米の調査機関による世界ランク付けが度々報道される。
その中で英国の団体が他人への優しさを数値化した。それによると、日本は人助け指数が世界134位と先進国中で最下位だった。この結果は頭でっかちの国内評論家が飛びつきそうなランク付けだ。

内訳は、人助け指数では世界134位。ボランティア指数は39位。寄付指数は62位。後者二つは数値化しやすいので、その通りかもしれないが、人助け指数は実にいい加減な調査結果だ。私は8年間、母の車椅子を押したが、幾度他人に助けてもらったか数え切れない。アキレス腱を切って松葉杖の時も、数限りなく見知らぬ人が助けてくれた。

日本人の人助けは世界的には特異で、相手に心理的負担をかけないように、分からないようになされることが多い。このような奥ゆかしさは欧米人には理解できないだろう。

欧米で生活した日本人の多くが、欧米では親切ですら強く主張しないと理解してもらえないと話す。まさしく、そのような日本的奥ゆかしさが人助け指数への誤解を生んでいるのだろう。

友人の経営する会社では多くの欧米人を雇用しているが、彼らが母国に一時帰国すると、自己主張の強さに辟易して日本に戻ってくると言う。控えめだが優しい日本の風土は彼らにも実に居心地がいいようだ。

日本の大学の国際ランクも落ちていることも話題になっている。
それについて日本の大学関係者がいい加減な調査だと怒っていた。欧米の調査機関が英語論文の多寡で判断していることが国際ランクを大きく引き下げている要因だ。英語で教育することがグローバル化ではない。グローバル化のために完璧な自動翻訳機を開発するのがイノベーションだ。


健康関連のネット記事で、フランスの研究者がどんなに微弱な放射線でも発がん性があると、日本を例にして恐怖を煽っていた。

しかし、地球でも宇宙でも放射線0の場所はあり得ない。海外には福島の汚染地より自然放射線が強い地帯が多くあるが、大昔から何の問題もなく人は生活し続けている。骨に強く蓄積するストロンチュウムなど原子炉由来の一部の放射性物質による内部被曝は例外として、放射性物質の大部分は人と共存できるものだ。放射線による遺伝子の書き換えにより生物は進化してきた。もし自然放射線がなかったら、我々も地球上の自然もあり得なかった。

放射線や発がん物質などで遺伝子が傷つくと、遺伝情報のコピーミスが生じ、がん発生のきっかけとなる。遺伝子を傷つける攻撃は毎日膨大に起こっている。しかし人間の体には遺伝子を修復する酵素を備えていて、傷ついてもすぐに修復される。もし遺伝子が修復不可能な傷を受けた場合は、細胞が自殺するアポトーシスのシステムがある。

それらの防御機能をすべてかいくぐり、がん細胞は1日に3000〜5000個ほど生まれている。しかし、それらは免疫細胞であるリンパ球が、一つ残らず除去してしまう。

恐怖を煽る学者や活動家が問題なのは、そのような風評のために多くの人が心を病むからだ。心を病むと免疫機能が衰え、がん発症しやすくなる。もし福島でがんが増えたとしても、心理的な要素を加えないと正確な疫学調査にはならない。


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夕暮れのアジサイ。
花と思われているのは葉と同じガクで、ガクは美しく紅葉する。


先日「ターミネーター:新起動/ジェネシス」と「ペンギンズFROM マダガスカル ザ・ムービー」をiTunea Storeからレンタルして観た。
ターミネーターは理詰な筋立てで複雑過ぎて、ドラマに没入できなかった。この手の作品は、少々荒っぽくても単純明快、荒唐無稽に話を進めた方が面白い。

ペンギンズは面白かった。難を言えば、NHKEテレ放映の吹き替えが強く印象に残っているので吹き替えの声に違和感が残った。ペンギンズの本来の面白さはNYにある暇なセントラルパーク動物園を舞台にした動物模様のバカバカしさにある。その点も物足りなさの一つだ。


今日から上映される映画で注目しているのは「美術館を手玉にとった男」
11月21日(土)よりユーロスペース。それよから全国順次ロードショー。

実在の主人公のランディスはとんでもなくユニークな贋作の名人だ。
彼は資産家や神父を装って、自作の贋作を米国各地の美術館などに寄贈し続けた。面白いことに、ほとんどの美術館の専門家が贋作と気づかなかった。その事が明るみになったのは2008年オクラホマシティ美術館のレジストラー(情報管理担当者)マシュー・レイニンガーがランディスから寄贈された作品が贋作だと気づいたからだ。

しかし、ランディスはまったく金儲けには興味がなく、単に才能を証明し権威を失墜させることが目的だった。FBIが熱心に捜査したが、彼の行為の犯罪性を立証することはできなかった。映画は本人や関係者をドキュメンタリーとして追ったものだ。

完璧な贋作は、歴史的な巨匠が実際に描いていない贋作だ。完璧な偽札が誰も気づかず、本物として流通しているように、完璧な贋作は本物として有名美術館に飾られているはずだ。
分野は違うがモーツアルトを始め歴史的な名曲の1割ほどは他の作家が作曲した贋作と言われている。


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