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2016年3月15日 (火)

NHKクローズアップ現代 20年後に仕事がない世界がやってくる 16年3月15日

番組は少子高齢化対策としての出産奨励と、労働人口増のための移民受け入れ政策へのアンチテーゼであった。

素朴に考えても、資源も土地も有限な地球上で、際限なく人口を増やしていく政策が正しいとは思えない。すでに、インド・中国・アジアアフリカの国々では人口爆発により、自然破壊は進行し大気汚染も深刻になっている。

人口増が経済発展につながるのは一時的な現象に過ぎない。
シンクタンクの試算では、20年以内に人工知能やロボットによって従来型の多くの仕事がなくなる。例えば、日本の労働人口の49%の仕事は20年以内に機械に置き換えられる。

今までの技術革新では、自動化による大量生産で失業した人たちを受け入れる新たなサービス業が生まれていた。しかし、それは過渡的な幸運で、これからの受け皿は人工知能やロボットが担うようになる。


今、米国のタクシー業界ではネット登録した一般ドライバーが配車を請け負っている。
具体的には、タクシー利用者はスマホを使ってサービス会社に配車を依頼する。すると、利用者から最短距離にいる登録ドライバーのスマホに利用者の位置と目的地の情報が送信される。受信した登録ドライバーは速やかに利用者を拾い、目的地へ運んでくれる。

このサービスは経費が極めて小さいので、運賃は安く、利用者にもドライバーにも好評だ。そのような新しい形態のシステムは極めてシンプルで、サービス会社に必要なのは開発部門と営業部門だけだ。
新システムでは、配車、経理、総務、整備部門は不要で、新たに失業者を生むことになる。

問題はサービス低下や犯罪などだが、登録ドライバーの評価は常に利用者を通じて査定され、悪評がたてば直ちにサービス会社によって登録は抹消される。
運転技術については、失業したプロのタクシードライバーが自分の車を持って登録し始めるわけで、自然に解決する流れにある。

同様のシステムに、インターネットを使い、ホテル代わりに一般住宅を提供する民泊がある。こちらもタクシーのオンデマンドサービスと同じ問題を抱えている。当初は問題が多発するだろうが、システムは改善され自然に解決するだろう。

そのようなオンデマンドエコノミーで収入を得たことがある人は米国では4500万人に達した。これからは更に爆発的に増え続けて、サービス会社は莫大な収入を独占することになる。

すでに、このサービスの台頭で、米国では大手タクシー会社の倒産が連鎖し、車を持てない貧しい失業ドライバーたちは日雇い生活に陥っている。

このような、配車や民泊などのオンデマンドサービスは日本もオリンピック開催年へ向けて、規制改革をして取り入れようとしている。


日本でも、5年後10年後に自分の仕事がなくなるのは当たり前のことだと覚悟すべきだ。それは革命的な変化で、従来型の企業では経営トップですら安泰とは言えない。

生産の自動化や人工知能によって失われる仕事の人口比率は後進国ほど大きい。
以下はその順位である。

イギリス-35% 米国-47% 日本-49% ナイジェリア-65% アルゼンチン-65% 南アフリカ-67% インド-69% タイ-72% 中国-77%。

今後20年間に人工知能やロボットが担うようになり、失われる職種は以下のようなものだ。

事務、物流、警備、広告、調理、農業、清掃、建設、通訳、秘書。

広告業界ではインターネットの発達で、TVCM、新聞・雑誌広告、車内広告、街頭ポスターなどで大量に無駄打ちする広告は壊滅しつつある。今はビックデーターを活用して需要者を特定し、需要者個々が求める広告をピンポイントで無駄なく発信している。

無料のネット記事には広告が掲載されている。
しかし、全ての接続者に同じ広告が流されているわけではない。ネット業者がその人が求めるものを推測し、ピンポイントに絞って発信したものだ。
とは言え、偶然に出会う広告に魅了されることは多い。
しかし、その偶然性すら推測して人の考えを誘導してしまうところに、人工知能の末恐ろしさがある。

ホームページ制作においても優秀な人工知能が生まれている。
それはビックデーターなどを活用した内容とデザインで、従来の一般制作者よりはるかに洗練されたホームページを制作できる。
特別に優秀なWebデザイナーは例外として、大多数のデザイナーは10年以内に全て淘汰される。それはグラフィクやパッケージデザインでも同じ状況にある。

物流も、アマゾンなどが開発中のドローン配送だけでなく、自動運転のトラックによる配送システムの構築はすぐそこまでやってきている。

調理師も、特別に優秀な料理人を除いて、大多数は淘汰されそうだ。

農業ではすでに無人の野菜工場にて、無農薬で衛生的で栄養豊富な野菜が水耕栽培されている。エネルギーコストが下がれば、狭い日本での食料の完全自給が実現する。

建設は部材の規格化によって、建設労働者がロボットに代えるのは難しいことではない。


今、一部の政治家や企業家たちの間で人手不足対策として移民促進が言われている。しかし、10年20年後の技術革新を思うと、その政策は未来に禍根を残すことになる。

産めよ増やせよ政策も同じだ。
少子高齢化は弊害ばかり喧伝されてきたが、想像を超えた近未来の技術革新を思うと、この状況は日本にとって幸運なことかもしれない。なぜなら技術革新にはアンチエイジングも含まれているからだ。
80歳の老人が20歳代の健康を得たら、社会保障費は激減する。
むしろ政府は、元気になった老人たちに仕事を与えることに苦労するだろう。


米国では2000年まで労働生産性が上がるに比例して雇用数も上がっていった。
しかし、2000年から現在にかけて、労働生産性が上がっても雇用は横ばいで、企業家と労働者の所得格差は広がっていく一方だ。

これから20年後に向かって、労働生産性に反比例して雇用は低下していく。今までは技術革新によって生産性が上がり、その結果生まれた失業者は新たなサービス業に受け入れられた。これからはそのような経済の好循環は確実に壊れることになる。


未来への軟着陸への模索が始まっているが、決定打は見当たらない。
失業率20パーセント以上のスウェーデンでは、ある自動車整備工場が、収入を減らすことなく8時間労働を6時間労働に短縮することに成功した。労働量の軽減によって作業効率が高まった効果だ。しかし、その裏に淘汰された整備工場が必ずある訳で、全体から見れば失業者を減らす効果は限定的だ。

介護現場などのサービス業を除いた一般企業では、効率をあげれば必ず失業者を生むことになる。
それらの矛盾を根底から変える方法として、アメリカやスイスでは全ての国民に毎月一定額を支給する最低生活保障=ベーシックインカム導入の検討が始まっている。

だが、その巨大な財源を得るのは難しく、6月に行われるスイスでの国民投票にて採択される可能性は小さい。とは言え、多くの仕事が失われる20年後を考えれば、今の所、対応策はそれくらいしか考えられない。


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先々月1月末に「父は空 母は大地」の版元、ロクリン社の人たちとディズニーランドへ行った。
好天だが大変に寒い日だった。
写真は京葉線舞浜手前の車窓から撮った富士山と夕日。
見た目は南の国のように暖かい風景だが、実際は厳しい寒風が吹いている。


3月15日雑記。
「なんでも鑑定団」のゲストは昭和女子大学長・坂東真理子氏だった。
私より1歳下の彼女は東大卒。初の女性キャリアとして総理府入省。女性問題に携わり、女性地位向上のために国内外を奔走した。

著書は40冊に及ぶ。
中でも2006年には320万部の大ベストセラー「女の品格」を著した。
「父は空 母は大地」の3千部超えを切望している私としては、クラクラとめまいを感じるほどの大部数だ。

本の内容は「礼状はすぐに書きましょう」「恋はすぐに打ち明けないようにしましょう」「無料のテッシュはもらわないようにしましょう」といった他愛のないもの。

そのような前振りを聞いて、どんなに上品な女性かと期待していたら、黄色の派手なシルクに装身具ジャラジャラのおばさんが現れた。
中身はとても優秀で素晴らしい人なのだろうが、「女の品格」とのギャプが可笑しい。そんな姿が、バラエティ向きなのだろう。
もしかすると、ベストセラーにしてしまったのは、世の女性たちの品格のなさかもしれない。


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