4羽のツバメのヒナはカラスに補食され全滅した。16年6月11日
6月9日、エレベーターホールのツバメの巣のひなは4羽すべてカラスに補食されてしまった。
車椅子の隣人と私。
5月5日に巣を作り始めて、床に糞よけのダンポールを敷き、毎日、見守ってきた。
ヒナが孵ってからは日に三度、エレベータホールの糞の掃除をしてきた。
ヒナが小さいうちは、親ツバメは糞をくわえて巣から離して捨てる。そうしないと、カラスにヒナの存在を感づかれてしまうからだ。
成長してから巣から丸い頭を並べてこちらを見ている姿は実に可愛いく、子供が増えたように眺めるのが楽しみだった。巣立ちまで2週間ほどだったのに、カラスにヒナを捕食されてから、言いようもなく寂しい。呆然と手すりに止まっている親ツバメも哀れだった。
カラスは先月、卵が産まれた頃にも巣を壊したことがあった。
グズグスになった巣はガムテープで補強した。
それ以来、巣近くにいるカラスをツバメが猛スピードで攻撃し、追い払う姿を幾度か見かけた。
しかしカラスは利口だ。卵を確認してから、ひなが育つのを待ち、隙を見て巣を襲ったのだろう。去って行った親ツバメはどこか安全な場所で二度目の子育てに励んでくれることを願っている。
ヒナがいなくなった今、壊れた巣は自然落下の恐れがあるので、10日、撤去して壁の泥も雑巾で拭き取った。
撤去しながら分かったのは、壁への泥の接着はとても堅牢だったことだ。接着面の泥はゼラチン質の多い唾液で練っているからだろう。しかし、接着面以外の部分は脆く、ヘラで突くとポロポロと壊れた。荒川河川敷の泥は粘土分が少なく巣作りには向いていない。
これで、住まい近くの荒川土手を飛んでいるツバメは雌にあぶれた雄1羽だけになった。42年前、始めて荒川土手へ散歩へ行った頃は、いつも、たくさんのツバメが舞っていたのに、すっかり寂しくなってしまった。
田舎の人はツバメをとても大切にしているが、東京は違う。糞が汚く家を汚すとか、ひなが育つと鳴き声がうるさいと撤去する人がいる。このままでは東京からツバメは消えてしまいそうだ。
今、散歩コースで確認しているツバメの巣は東京北医療センター近くの民家1階の車庫だけだ。いつも乗用車が二台駐車しいるが、日中はシャッターを下ろしていない。住人はツバメが好きなようで、毎年、ツバメは営巣して無事に子育てを終えている。今日、覗くと、巣の前にカラスよけのネットが下げてあった。巣の真下に車があるが、持ち主は糞でボンネットが汚れるのを気にしていない。そのようなおおらかさは好きだ。
テレビではモアメド・アリ氏の盛大な葬儀を放映していた。
くらべて、ヒナたちの死は砂粒のように小さい。
巣に残されていたヒナたちの羽毛はゴミとして捨てるに忍びず、散歩道の明るい草原に埋めた。
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近況・・・
絵本「おじいちゃんのバス停」を完成させて、Amazon Kindleの電子図書 にてアップした。
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絵本の内容
おじいちゃんのバス停・篠崎正喜・絵と文。老人と孫のファンタジックな交流を描いた絵本。
おじいちゃんは死別した妻と暮らした家に帰ろうとバス停へ出かけた。しかし、家は取り壊され、バス路線も廃止されていた。
この物語は、20年前に聞いた知人の父親の実話を基にしている。対象は全年代、子供から老人まで特定しない。物語を発想した時、50代の私には77歳の父親の心情を描けなかった。今、彼と同じ77歳。ようやく老いを描写できるようになった。
概要・・初めての夏休みを迎えた小学一年生と、軽度の認知症が始まったおじいちゃんとの間に起きた不思議な出来事。どんなに大切なものでも、いつかは終りをむかえる。終わりは新たな始まりでもある。おじいちゃんと山の動物たちとの、ほのぼのとした交流によって「終わること」「死ぬこと」の意味を少年は学んだ。
描き始めた20年前に母の介護を始めた・・このブログを書く8年前だ。
絵は彩色していたが、介護の合間に描くには画材の支度と後片付けに時間を取られた。それで途中から、鉛筆画に変えた。鉛筆画なら、介護の合間に気楽に描けた。さらに、水墨画に通じる味わいもあり、意外にもカラーページより読者に評価されている。それはモノクローム表示端末で正確に表現される利点がある。
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