世界の過酷な僻地で政治色なしに身を粉にして働く日本人ボランティア。そして波乱含みの都知事選。16年7月7日
七夕の今日はよく晴れたので星空が見えるかもしれない。
正午、36度を超えたが湿度は低く、強烈な日差しに朝洗濯したタオルケットは2時間足らずで乾いた。
気温は高いが、屋内は暑くなく、むしろ心地よい。
荒川対岸の菖蒲川の水門。
そこから左手上流2キロほどにボート競技の戸田漕艇場がある。
この眩しい陽光を眺めていると、映画「シェルタリング・スカイ」を思い出す。
90年公開の英国製作で主演はデブラ・ウィンガーとジョン・マルコヴィッチ。
音楽は坂本龍一。
1947年第二次世界大戦直後の北アフリカを舞台に、気怠く破綻へ進む夫婦の物語だ。
映画の冒頭シーンの、
「Traveler(旅行者)は祖国に帰らないこともあるが、tourist(観光客)は祖国に帰る」
この台詞は印象的だった。
子供の頃から、そのような乾いた荒れ果てた北アフリカ辺りの風景が好きだった。
育った南九州の漁師町は強烈な太陽と乾いた砂と岸壁のイメージがある。
だから、この映画は心に残っている。
7月5日テレ朝「世界の村で発見!こんなところに日本人」は良かった。
全部は見ていないが、秋野暢子がインド・ミャンマー国境に住む日本人を訪ねるコーナーは殊に印象に残った。
その村へ至る道路は日本軍がインドの英軍を攻めるインパール作戦のために作った。
日本人の住む村へまでは100キロほどだが、豪雨のために崖崩れが頻発する大変な難コースだった。
チャーターしたのは現地で手作りしたオンボロ車でフロントグラスにはワイパーもなく、手作りの粗末な硬い座席には容赦なく雨が打ち込んだ。
秋野がピョンピョン丸と呼んでいた運転手は坊主頭の10代の少年。彼の運転技術に明野は感嘆していた。崖崩れと落石が頻発する断崖の上の細い悪路を、豪雨で前が見えないフロントガラスから身を乗り出し、崩れ落ちそうな路肩を確認しながら彼は巧みに運転した。
訪ねた山上の貧村で60代の日本人は、一人無償で、現地のために炭焼きを教えていた。
彼は現地の州知事から依頼されると1ケ月で決断し、すべて自費でその辺境にやってきた。生活費は日本の和歌山の妻子から送ってもらっている。
現地の人たちは勤勉に働き炭焼きに取り組み、すでに良質の備長炭が焼きあがっていた。国境地帯はウバメガシが多く、近い将来、日本へ輸出して、現地を豊かにしたいと彼は淡々と語っていた。
この手の番組話見て感じることは、世界の僻地に赴いて、現地のためにボランティアで尽くしている日本人の多さだ。
西欧ではその役割を宣教師が担ってきたが、彼らの進出の裏には侵略的な意味があった。しかし、日本人ボランティアに政治色はない。中国人や韓国人も僻地へ大挙出かけているが、それは私利私欲や国益のためで、儲けの出ない僻地へは赴かない。
レポーターの秋野暢子もすごかった。
僻地にはまともなトイレはない。あったとしても、満足なドアもなく、中へ入るとわけのわからない虫たちが大量に襲ってくると言う。だから、トイレは野外で済ますことになり、この地を女性が旅するには大変に過酷だった。
この地で繰り広げられた英日戦のインパール作戦では母の弟が戦死した。彼は世界最強と呼ばれた久留米の第18師団の一員としてインパール作戦に加わった。第18師団の参加人員は31,444名。その内、20,000名以上が戦死した。
この番組が心に残ったのは、このような寂しく厳しい僻地で食料と弾薬が尽きながら戦い戦死した叔父のことが頭にあったからだろう。戦後しばらく、遺体が累々と残ったその道は白骨街道と呼ばれている。
午後には夕立が来るとの予想。
期待を込めて、先日の驟雨の写真を掲載した。
ワイドショーでも、都知事選立候補者小池百合子氏バッシングが激しい。自民党の意向を無視しての立候補が党の逆鱗に触れたからだ。
自民党が正式に押している増田寛也氏は東京都出身。岩手県知事、総務相を歴任した東大卒エリートだ。この経歴から察するに、彼は党の意のままに動く人なのだろう。対して、有能か否かは抜きにして小池百合子氏は党の思いのままにはならない候補者だ。
ある政治評論家は国と仲良くできない小池氏では絶対にダメだと話していた。
ちなみに東京都民は1人あたり120万円を納税している。納税から還元されるのはその8.1%。言い換えると、東京都は納税の91,9パーセントを国に納めている強い立場にある。
納税の還元率の全国平均は73.0%、赤字県の島根県は494.8%。それは100万納税して494,8万を交付されている。そして、増田氏が知事を務めた岩手県は100万納税して516,3万円が交付されている最赤字県。そのような弱い立場の岩手県知事には中央との繋がりが必須で、役人出身の増田寛也氏が選ばれた訳だ。
その点、東京都は政府より強い立場で、知事に中央との繋がりは不要だ。むしろ、東京都にごねられたら政府は困るだろう。だから、先の政治評論家の国と仲良くできる知事が良いは当てはまらない。
他に立候補しそうな人に鳥越俊太郎氏と石田純一氏がいる。石田氏は論外として、76歳の鳥越氏の立候補には疑問を感じる。彼は大きなガン手術をしている。4年後のオリンピックでは80歳で、健康を保つのは難しい。オリンピックの寸前に再度選挙では都民は困るだろう。
私見だが、小池氏と増田氏の顔を比較すると、増田氏は影が薄い。
都知事を決めるのは政党や評論家ではなく、右へも左へも動く膨大な無党派層だ。
今のところ連日マスコミを賑わしている小池氏の喧嘩を売る戦略は大成功していて、知名度は一方的に高くなっている。
先日の驟雨後の赤羽飲食店街。
森の中にあるように描いた。実際はこのような樹木はない。
5年前までは普通の商店街だったが、古い店は代替わりし、次々と飲食店に衣替えした。今は都内でも有名な新興飲食店街に変貌し、週末は若者たちで賑わう。
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