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2016年7月 2日 (土)

1日の母の命日は東京ビックサイトにAIの講演会に行った。英国EU離脱後記。16年7月2日

1日は母の命日。早いもので今日から7年目に入る。

早起きして東京ビックサイトへAI・人工知能の講演会へ行った。
開演は10時から。
いつになく早起きして8時半に家を出た。
赤羽からりんかい線で、国際展示場駅まで乗り換えなしに行ける。
電車は通勤時間なのに意外に空いていた。
新宿を過ぎると空席が出て座れた。
早起きして、猛烈に眠かったのでとても助かった。


開演30分前に着いた。
人工知能への関心はとても深く、広い会場はあっという間に満席になった。

しかし、講演内容は初歩的で目新しさはなく期待外れだった。
唯一耳新しかったのは、わずかな期間に将棋・囲碁のAI・人工知能は人に対し圧倒的に強くなり、どんな大名人も太刀打ちできない段階に入っていることだ。
半年前までは、そうなるには10年はかかると予測されていたのに、この分ではAIのシンギュラリティはかなり前倒しになりそうだ。

将棋では、昼夜ぶっ続けにAI同士が戦っていて、それをすべてネット中継している。AIが繰り広げる打ち手は将棋名人たちの発想を凌駕していて、新手が次々と生まれ、プロ棋士たちはそれを学び勝ちに利用している。それは囲碁・将棋のプロ棋士が自ら存在意義を否定しているようなものだ。子供の頃から名人に弟子入りし、師弟関係を経てプロ棋士になるシステムは、今、完全に崩壊した。

講演の後は、ビックサイト内のゲーム、アニメなどのコンテンツ会場を訪れた。
こちらも目新しいものはなかった。見本市は実現している新技術の売り込みの場だ。だから、近未来の技術がないのは当然かもしれないが、これでは日本は取り残されそうで心配になる。
各ブースの可愛いコンパニオンをひやかすのは楽しかったが、すぐに飽きて会場を出た。


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帰りはゆりかもめに乗った。
東京ビックサイトより有明地区の近未来風景の方がはるかに刺激的だった。
車内では欧米人らしき一団が、一心に車窓の風景に見入っていた。
日の出桟橋で下車し、すぐに出航するシンフォニークルーズ50分コース1500円に乗船した。

乗客のほとんどは外人ばかりだ。
インド人2,3百人の団体客が乗り合わせ、みんなで大声で話すので、船内はムンバイの街角みたいだった。


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インド人たちは誰もかれもがこのポーズで記念写真を撮っていた。
インドでヒットしたドラマに、このようなシーンがあったのかもしれない。
サングラスはインドでのステータスなのだろう。

甲板の乗客の中で日本人は私一人だった。
大部分はインド人で、他に4,5人の欧米人がいた。


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甲板は日差しが強い上、インド人たちが騒々しい。
逃げるように、冷房の効いた客室に戻った。
広い窓の沿岸風景を眺めながら、「二十世紀の映像」のテーマ曲を聞いた。
このテーマ曲を聞いていると、沿岸の巨大な建造物群が廃墟のように見えた。

新橋から銀座へ出て、ギャラリーオカベに寄った。
事務室に可愛い新人が入社していた。
タレントみたいな綺麗な人で、しばらく楽しく話し込んだ。

帰り、御徒町に寄って食材を買った。
相変わらず中国人が多いが、以前の爆買いはない。
最近、東京中の繁華街から賑わいが去ったように感じる。
週末は雑踏でまっすぐ歩けないくらいだった赤羽の飲食店街も暇な店が散見され、以前いなかった客引きが現れるようになった。景気は明らかに下降傾向を辿っているようだ。


英国のEU離脱決定後の株価暴落と円高は落ち着き始めた。
EUが出来た時、違う文化の国々が本当に融合できるのか信じられなかった。しかし、加盟国が増えるにつれそれは杞憂だったと思い始めた。だが融合は表面上だけのことで、文化摩擦はマグマのように噴出を待っていたようだ。

EUで得られた安く多く働く移民によって資本家と国は豊かになった。
しかし、その国の文化は損なわれ、本来の国民は貧しくなって行った。
EU不支持は、単純な移民排斥といった民族問題ではない。
立派なEUの理念は富裕層や知的インテリ層に支持されたが、現実には民衆を惹きつけていなかった。今、EUで起きているのは「尊厳を取り戻す」ための戦いのようだ。

英国で起きたことはアメリカでも起きる。
すなわち大統領選でヒラリーが、トランプに負けることもあり得る。
そして日本でも、参議院選で自民党が勢いを増すかもしれない。

インターネットの発達で、大衆は左翼インテリのマスコミ支配に影響されずに自由に情報を手に入れ始めた。選挙権は18歳からに変わったが、若者たちの殆どは、マスコミがこぞって持ち上げる反日若者集団シールズを支持していない。そのあたりを左翼マスコミは完全に見誤っている。
日本のマスコミは英国の国民投票をEU離脱か残留の経済合理性だけで論じていた。
しかし、英国民は貧しくなったとしても自国の誇りを優先した。
この現象に、アマゾンのクリチカ族首長の言葉が思い浮かんだ。

・・・自然がそこにあって、鳥が歌い、森がささやく。
なんと素晴らしいことか。
あなたたち白人は優れたテクノロジーを私達にもたらした。
しかし、テクノロジーは私達を幸せにしない。
私達の幸せは自然とともにあり、自然が消滅すれば、私達もほろびる。

クリチカ族の自然とテクノロジーを、英国における経済と文化に置き換えると分かりやすい。

・・・自国の文化がそこにあって、国民は文化をたたえ楽しむ。
それは何と素晴らしいことか。
あなたたちEUは豊かな経済を英国にもたらした。
しかし、経済は英国民を幸せにしなかった。
私達の幸せは自国の文化とともにあり、文化が消滅すれば、どんなに豊かになっても私達はほろびてしまう。


今、EUは肥大化して官僚化してしまい、法令もバカバカしいものが多い。
例えば、タンポンの消費税を決める法律とか、掃除機の吸引力が強すぎてはいけないとか、ゴム手袋は洗剤を扱えなければならないとかだ。スーパーで売られるキュウリとバナナは曲がっていてはいけないとか、ネラルウオーターのボトルに「脱水症状を防ぎます」と書いてはならないとか、国民の実生活を無視したバカバカしい規定が多く生まれている。


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