人生最後の"終活"は"前後を際断して"対応する。豊洲移転は安全でも反対だ。17年2月22日
人生の最後をどう迎えるかはとても大切だ。だから、終わりについて考える「終活」が流行っているのは良いことだ。
一昔前は死が忌み嫌われ、死や病を話題にすると白い目で見られた。その頃、祖母と父を在宅で看取ったが「病院にも入れずに家で死なせた。ひどい子供だ」と影で言われた。
それから30年過ぎて、母を在宅で看取った。今度は「最後までよく世話をされて、本当に大変でしたね」と大勢からねぎらってもらえた。
人生の最後を考えることは大切だが、そればかり考えて過ごしては味気ない。
知人は家族に迷惑をかけない死に方ばかり考え悩んでいた。知人は望み通り周囲の手を煩わすことなく亡くなったが、もっと人生を楽しめばよかったのに、と気の毒になった。
禅語の「前後を際断せよ」は "過ぎたことも明日のことも思い悩まずに際で断ち切り今を楽しめ" との意味だ。
人が最期にできることは限られ、考えてもできないことばかりだ。だから、できないことは考えず、なすがままに身をまかせるのが良い。
と、軽く言ってしまったが、実際はとても難しい。"何が起きても受け入れてしまう潔さが唯一の解決法だ"とひたすら信じる他ない。
散歩中、ヨーヨーマの「シルクロード」を聴きながら、北赤羽の旧居を眺めた。それは寒空に巨大な墓標のように見えた。「火花」で芥川賞をとった又吉直樹が「憂鬱でないと書けない」とNHKで話していた。その気持ちはよく分かる。人生の終盤に入った今、常に死のイメージが憂鬱につきまとう。だが、それは嫌な気分ではない。憂鬱さは制作意欲をかき立てるからだ。
旧居に近い北赤羽駅は好きだ。都心へ出てここへ戻ってくるとホッとする。空気清涼で親しい人が多く安堵するからだ。墓標にマイナスイメージはない。墓標には安らぎや懐かしさがある。だから、毎日のように墓参りする人がいるのだろう。
昔、檜枝岐に行った時、家の敷地に墓があって、季節の花で埋め尽くされていた。村人たちは亡くなった人たちと、毎日、生きている時と同じように親しく接していた。
縄文時代は住居の真下に死者を葬った。
それには呪術的な意味があるがそれだけではない。死者たちに親しさを感じていたのが大きな理由だ。檜枝岐のような山深い土地には縄文文化が色濃く残っている。家の敷地内に埋葬するのも縄文から営々と繋がっている風習だろう。
土葬では地下水汚染が危惧されるが、檜枝岐は清らかで豊かな沢水を使っていたので、その心配はなかった。
昨日から猛烈な風だ。
いつもの土手道を向かい風に歩くと、体がふらつくほどだ。
写真は東京医療センター下の公園。
1ケ月後は花見客で賑わう。
豊洲問題を安全性を基準に考えるのは間違っている。
豊洲程度の汚染では食品汚染の心配はない。
しかし、豊洲移転は昔から大反対だった。広告や市場経済に関わっている者なら、ブランド力の大きさを身をもって知っている。その視線で見ると、豊洲プランドは昔から無価値で、対して築地ブランドは歴史的にも世界的にも大きな価値があった。
石原都知事が豊洲移転を決定した時、彼の無知さを痛感した。
ブランドを成立浸透させるには、多大な年月と費用がかかる。加えて、高級ホテルより高額な建設費の豊洲市場の建設経緯も土地の取得経緯も不透明すぎる。だから、豊洲市場が完全に安全であっても移転は反対だ。
築地市場を現状のまま改築するのは不可能だと関係者は言う。しかし、東京ではもっと困難な工事が日常的になされている。もし前例がなくても、世界トップクラスの日本の建築技術をもってすれば改築は可能だ。例えば渋谷駅は、1日数百万人の通行と過密ダイヤを維持したまま大改装工事を続けてきたが事故は起きなかった。それと比べたら、築地市場を運営しながらの改築は難しくない。
豊洲はマイナス要素が多すぎる。移転すれば市場使用料が高騰して市場は慢性的な赤字に悩むことになる。加えて、今は市場を通さない流通が大きく魚市場は衰退して行くばかりだ。移転推進派たちは、将来、空き家だらけになった豊洲市場をどう運営するつもりなのだろうか。その点、築地市場なら観光と組み合わせ、多様に生き残る方法を生み出せる。
東芝の大赤字を海外メディアがゾンビ企業は潰すべきと論評していた。
いつも感じることだが、海外メディの日本の捉え方は皮相的でいい加減だ。第一に東芝はゾンビ企業ではない。世界的な技術開発を次々と成し遂げ、世界中で18万以上を雇用している。ただし、技術は一流でも経営陣は三流以下で、彼らこそゾンビが当てはまる。
ウェスティングハウスの原発事業の買収は問題を内包していたとしても、当時の脱化石燃料のエネルギー事情では間違った選択ではなかった。もし、福島原発事故が起きなかったら、今も原発部門は稼いで貢献していたはずだ。だとすると、今起きている東芝問題の遠因は東京電力にあったと言える。
福島第一原発の建設時、海岸寄りの大地を30メートル削って原発を建設した。岩盤に近づけて強固な土台を作るためと今になって言い訳しているが偽りだ。この程度の深さの地盤なら削らなくても問題なく建設できた。
当時言われていた理由は、冷却水をくみ上げるコストの軽減のためだった。コスト削減を安全に優先する経営陣の感覚は、東芝の無能な経営陣に通じる。
津波に対する安全性を重視して、原発を今より30メートル高い、元のままの台地に建設していたら原発事故は起きなかった。それどころか、原発は大地震に強いと評価されていた。東芝の大赤字は経営陣の無能さに運の悪さが重なって起きたと考えるのが正しい。
18日深夜のザ・プロファイラー「女性に自由を・ファッション界の革命児・ココ・シャネル」は面白くて見入ってしまった。
記憶に残った言葉は、出演者が言っていた「入り口男」だ。昔のできる女の成功の影には、金と地位とセンスがある「入り口男」との出会いがあった。孤児院で育った貧しいココシャネルも、そのような有能な男に次々と出会い恋愛して、才能が開花し成功した。
現代のできる女は「入り口男」を必要としない。
今は女性でも独力で成功できる時代だ。
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