美しい月の光とアーティストたちの生活の苦渋。そして朴政権後のさらなる混乱。17年3月11日
仏壇の灯明用に10年以上使っていた電子ライターのガスの出が悪くなって着火しない。それで750円の電子ライターを買った。
新ライターは炎が大き過ぎる。ライター底の炎調整ダイヤルで炎を小さくした。
調整しながらハッと気づいた。もしかするとと壊れたライター底のガス注入穴を見ると、小さくプラス・マイナスの記号がある。精密ドライバーでプラス方向に回すと、ガスの出は戻り、再度使えるようになった。
古いライターが本当に壊れるのを待っていたら新ライターを使う機会がなくなる。それで、古いライターは仏壇の引き出しにしまった。引き出しには30年前からの古い百円ライターがいくつも転がっていた。試すと、どれもすぐに着火した。
日本の道具は本当に耐久性がある。
最近新しく買った衣類も道具も、私が死ぬまで使えるものばかりだ。
夕暮れの荒川。
絵描きに限らず、芝居、音楽、小説などアートを仕事にしている者の生活は厳しい。
純文学やファインアートを目指す者は初めから生活できないことを前提に打ち込んでいる。その点、職人要素が多い演奏者とか、デザイナーやイラストレーターや陶芸家は生活が比較的安定している。
昔、劇団に関わっている頃、ベテラン役者たちは定期的に結婚式場の司会とか企業PRビデオに出演して糊塗をしのいでいた。それでも、結婚して40歳を過ると、多くは先行きを考えて芝居をやめ定職についた。
その点、絵描きは絵画教室を開いて固定収入を確保できるので、終生絵描きを続けられた。しかし、少子化の今は、殆どの絵画教室の運営は厳しく、その方法も万全ではなくなった。
その点、生活苦と無縁なのは主婦作家たちだ。彼女たちは夫の定収でのびのびと仕事をして認められる者が多い。彼女たちが認められるのに必要なもう一つの要素は美人であることだ。殊に日本ではその傾向が強く、アート界の後進性を示すものかもしれない。
私は超低空飛行ながら絵だけで何とか暮らしてきた。
今は時折、デパートなどでの催しに作品を預けるがほとんど売れない。理由は、デパートで絵を買う階層の好みは薔薇や風景で私の作品は合っていないからだ。そんな私と母は暮らしていたが、絵が売れないことをぼやいたことは一度もなかった。
その点、世間の女性たちは違う。
夫や息子が私のような生活をしていたら、「生活どうするの。作品を銀座あたりに持ち込んで営業してみたら」と叱咤する。絵描きにとってこれほど辛い言葉はない。なぜなら営業が通用する世界ではないからだ。母はそのことをとてもよく理解していたので、私がどんなに貧しくても明るく振舞っていた。そんな母だったので、私は絵描きになれたと思っている。
気丈な母の本当の気持ちを初めて知ったのは、母が終末期に入った頃のことだ。
私は家賃も払えなくなり露頭に迷うかもしれないと覚悟していた。
そして、一度だけただ一言「家賃を滞納して公団から退去を求められた」とブログに書いた。すると数日後、昔、仕事などで関わっていたYさんが車で飛んで来た。
「生活は何とかするから、絵を預けられるだけ自分に預けてほしい」
彼はそう言って30万ほどの現金を置き、作品20数点を車に積んで持って行った。
Yさんが帰った後、お金が入ったと母に伝えると、母はベットで声を出して泣いた。
母が泣くのを見るのは初めてだった。
その頃、散歩に連れ出すと食品売り場で「ウニが食べたい」とか「コノワタが食べたい」とかノーテンキで贅沢なことばかり言って困らせていた。しかし、母の涙で母が私の窮状を全て分かっていたと知った。
それからの日々は思い出すと嘘みたいだ。
毎日、Yさんが絵を持ち込んだ先から、絵の代金を振り込むとメールが入った。
そして10日ほどの間に、2年間は生活できるほどのお金が入った。
母はそれから3ケ月後に、在宅で私一人に看取られて死んだ。
Yさんも数年後に死んだ。
新聞で彼の訃報を知り、山の手にあったホテルでのお別れ会に行くと、奥さんだけが会場の隅で一人泣いていた。出席者たちは名刺交換や記念写真撮りに忙しかった。私はいたたまれなくなって早々に会場を出た。
誰の死でも等しく寂しい。
毎日のように死者たちを思い出し、時には独り言のように死者たちと会話している。
明日12日は満月である。
昨夜、荒川土手に出ると寒風が刺すように吹き付け、月光が荒川河川敷を冴え冴えと照らしていた。そのような夜景を眺めると、決まって子供の頃に母と歩いた月夜の田舎道を思い出す。歩きながら「月が綺麗だね」と呟くと「本当に綺麗ね」と母は心の中で応えた。
この地に引っ越して来てから、昔の人が月を愛でた気持ちが理解できるようになった。そのことを都会育ちの友人に話すと、奥秩父の別荘で、自分も月の美しさを知ったと話していた。
満月前夜。
東京北医療センター下。
p-126「月の光」
野ウサギの足音はとても大きい。
昔、福島の山中で野営していると、ドスンドスンと足音がして、
熊だと思って飛び起きたら野ウサギだった。実際の熊は足音がしない。
最近、体のあちこちが痛む。
右目の眼圧も高い。
このまま下がらなければ、より強い点眼薬に変わる。
老いは否応無く進行して行く。
気がつけば、死は目の前に迫っているのだろう。
ただし、私は死のギリギリまで働かねばならず、ギブアップできないので、世間の同年齢よりいくらか元気かもしれない。
東京北医療センター庭の梅にメジロ。
梅に鶯の図柄はこの誤解から生まれた。
鶯の羽毛は地味な褐色で、ウグイス色はメジロの羽毛の色だ。
鶯は虫を食べるので花には集まらない。
対してメジロは花の蜜が大好きで花に集まる。
韓国・釜山の公文書館に植えられていた日本原産の常緑針葉樹のカイヅカイブキ12本が、植民地時代における「われわれの魂への抑圧」の象徴だとして、敷地内から撤去された。それらは海軍施設に移植され、海風の防風樹にされる。
「われわれの魂を抑圧するため、日本人の植民地支配者らによって国内各地に植えられた木々を放置することは不適切であり、移し替えることに決めた」と釜山記録館の報道官は述べていた。
戦前の日本出自のものが全部ダメなら、韓国のインフラ、鉄道網、ダム、港湾施設、全て破壊すべきだ。教条的な反日姿勢にはにうんざりするが、それが韓国民の総意だとは思っていない。韓国人にもうんざりしている者は多くいる。しかし、本音を言えば袋叩きに会い、社会から葬られてしまう。
韓国には北が送り込んだ5万人の活動家が反日活動をしている。韓国の法曹界などのインテリの多くは北朝鮮系の団体から援助を受けて学業を成した。そのような彼らが反日を熱烈に支え今の混乱を招いている。
5月には新大統領が決まる。候補者たちを眺めると、誰が選ばれても朴政権以上の反日政府が生まれることは間違いない。
「そうなったら日本は困るだろうから、さっさと謝れ」
大統領候補者たちは口を揃えて的外れなことを言っているが、まともに取り合う日本人は左翼活動家たちだけだ。
それに関連した朝日新聞ニュース。
・・・韓国の憲法裁判所が朴槿恵大統領の罷免を宣告した。安全保障関連法への抗議活動を続けてきた学生団体SEALDs元メンバーで、韓国で大統領辞任を求める集会にも参加した玉川大4年の矢部真太さんは自宅でテレビの速報を見て罷免を知り、衝撃を受けた。
「韓国では国民が政治を動かした」
そう思うと、鳥肌が立った。
韓国で朴氏への批判が高まっていた昨年、矢部さんはソウル中心部で約150万人の抗議集会に参加した。
---主催者発表の膨らました数値で、実際は50万もいない。日本でもSEALDsや朝日などは同じように国会デモの頃、動員した数を何倍にも膨らまして垂れ流していた---
老若男女が集う会場を歩き回って感じたのは憧れと悔しさ。
「こんなに人が集まるなんて。隣の国なのに、なんでこんなに(日本と)差があるんだろう」・・・
SEALDsもそのシンパの朝日も、民主主義を理解していない。
彼らにとっては、北朝鮮が送り込んだ反日活動家が民意を操り反対意見を暴力的に圧殺するのが理想国家のようだ。明日にも北朝鮮の核ミサイルが暴発しそうなのに、朝日や野党たちが森友学園詐欺事件を上位案件にする政治感覚は恐ろしいほど偏向している。
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