幸せになるための、八つの心を強くする方法。17年8月23日
自我のあり方は幸せ感に大きな影響を与えている。
なぜなら、自我は権利と義務を伴うからだ。
権利と義務はバランスが悪く、大き過ぎる権利はそしりを受け、大き過ぎる義務は不満を招く。それが自我を中心に置く西欧哲学の弱点である。
対して東洋哲学では、ブッタは「諸法無我」と自我の無意味さを説き、老子・荘子は本来人は受け身で自我はないと説いている。
自我を主張しすぎると煩悩を生む。
自我を認めず、自分は世界に属するものと受け身になれば悩みは消える。
米国調査では日本円で年収600万あたりが一番幸せ感が強い。
それは生活の安定と自由な時間のバランスが良いからだ。
収入がそれ以上に増えると仕事に自由時間が奪われる。
自由時間にも様々ある。
人と賑やかに過ごすのは楽しいが、それ以上に孤独に過ごす時間が重要だ。
殊にアーティストにとって孤独な時間は創造性を豊かにする。
世間の認識とは逆に、孤独な時間は精神を強くし、鬱症状を防ぎ、子供の問題行動を減らすとの最新研究もある。
米国の心理カウンセラーによると心が強い人ほど幸せだ。
裕福でも心が弱かったら幸せ感がない。
逆に貧乏でも心が強く、逆境を跳ね返そうと戦う人は幸せ感がある。
不幸は逃げようとすると力を増してどこまで追いかけてくる。
しかし幸せは、掴もうとしてもスルリと逃げてしまう。
「菜根譚」に貞士は福をもとむるに心無し・・で始まる言葉がある。
意味は・・
心が清い人はあえて幸せを求めない。
天はその心に感じ入って幸運を与える。
心が歪んだ人は策を弄して幸せを手に入れようとする。
天はその汚れた心を嫌い、不運を与える・・・と言った意味だ。
心を強くするのは難しくない。
以下の八つを実践すれば誰でも実現できる。
1、自分を信じ、失敗にこだわらない。
失敗を恐れず果敢に挑戦し続け、もし失敗してもその経緯を記憶して同じ失敗を繰り返さない。
2、暗い人と付き合わない。
と言っても親身に愚痴を聞いてあげることは良いことだ。
しかし、相手の暗さに巻き込まれないようにしっかりと境界線を築く。
3,謝罪を求めない。
許すことで、物事が円滑に進み、体調も良くなる。
4、自分を憐れまない。
自分を犠牲者にしてしまうと、本来持っている優れた能力まで発揮できなくなる。
5、他人と自分を比較しない。人を批判しない。
他人の成功を羨んでも自分は幸せになれない。
人と自分は違うのだから成功の形も意味も大きく違う。
だから人と自分を比較することは無意味だ。
「道の道とすべきは常の道にあらず」
老子の冒頭の名言だ。
幸せは立身出世とか蓄財とかの常識にはなく、自分で見つける他ない、と言う含蓄ある言葉だ。
優越感は劣等感の裏返しで、すぐに入れ替わる。
人より優れているとか劣っているとか、考えること自体が不幸の原因となる。
自分は自分、人は人と、比較せずにそれぞれの個性を認めることが幸せに繋がる。
6、怠けない。
これは運動についてだ。
医学的な調査では、運動能力が上がると知力も上がる。
7、悲観しない。
ただし、死や病気について考えないことではない。
悲観的な出来事でも冷静に受け入れることだ。
8, 番外として私はプライドやコンプレックスを捨てることを加える。
全ての争いの根元にプライドがある。子供の頃の争いは動物的な生存競争だが、成長するにつれて損得抜きのプライドのために争い、時には国家間の戦争に到る。
コンプレックスとプライドは大きく関わっている。
コンプレックスは欠点を認めればなくなるが、実際はプライドが邪魔するのでとても難しい
そんなことを考えながら黄昏の土手道を歩いた。
涼しい風が吹き、降るような虫の声が心地よい。
私より何万倍も豊かで家族に恵まれているのに、この幸せ感を味わえない人がいる。
例えば、不治の病で病床についている裕福な人より、貧しくても毎日散歩できる自分は幸せだ。
先日の晴れた夕暮れの荒川土手。
古代中国の老子は「小国寡民」を説いた。
「国は小さい程国民は幸せになり、大きくなれば腐敗を招き、他国を侵略し始めて国民は不幸になる」と言った意味だ。対してジャーナリストの高野孟氏は中国を繁栄する大国として持ち上げ、日本を衰退する小国としてこき下ろしていた。
彼が根拠にしたのは、「日本は今なお先進国だ、と思うのはもはや錯覚」と突きつけた米国ニューズウィークの未来予想記事だ。高野孟氏はこの記事を我が意を得たりとばかりに賛美し、打倒安倍政権のプロパガンダを展開していた。これは反米を唱えながら米国マスコミを金科玉条に崇めてしまう、日本の熟老年インテリが陥りがちな図式だ。
日本のうわべしか知らない米国マスコミに「お前たちの国は先進国ではない」と判断してもらう必要はない。それは、禿げた人を「このハゲー」と罵るくらい余計なことだ。禿げているかいないかは、毎日鏡を見ている本人は、他人に指摘されなくても十分にわかっている。
教えてもらわなくても日本が先進国かどうかは日本人の多くは謙虚に理解している。ちなみに私の未来予測では、AIの進化によって世界の技術格差は小さくなり「先進国」の言葉自体が死語になっているはずだ。
高野孟氏は「習近平の謳い文句の偉大なる中国の復活を聞くと、多くの日本人は、何を生意気なことを言ってるんだ、どうしようもない遅れた発展途上国のくせに、とせせら笑う」と日本人を決め付けていた。彼の頭は10年以上思考停止しているようだ。今時、中国を遅れた発展途上国のくせに、とせせら笑う日本人など見たことも聞いたこともない。
中国は経済や特定分野の科学技術は進んでいるが、民主化は非常に遅れている。勝手に他国の領域に自国の国境線を引き、抗議すれば武力で脅すような国は大国ではない。
日本人が今も大国意識を持っている、との彼の指摘は滑稽だ。大国意識を持っているのは断然中国人の方で、ネット上で日本人は小日本人と呼ばれている。対して、自国を大日本と呼び、中国を小中国などと言う日本人などいない。
彼は人口が減って行く日本を将来がないと切り捨て、人口減の弊害は安倍政権の責任だと決め付けていた。安倍政権は日本の人口減問題に関与できるほどに長く統治していない。人口を右肩上がりに増やせば、資源は食い尽くされて地球は破滅する。日本の人口が減少に向かっているのは未来を予知した人類の生物学的な現象だ。人口減を弊害なく軟着陸させるのが先進国の責務で、その実現に一番貢献できるのは日本である。
彼は次のようにも語っていた。
「人口学的に中国の圧倒的有利が蘇って日本は中等国として生きるしかなくなっているというのに、米国という20世紀の旧超大国にしがみついて、米国を盟主として日本がそのアジア支店長のようになって中国の拡張と対決しようという「中国包囲網」の外交・安保政策を追求するというのは、歴史の流れに対して抵抗勢力化していることだ」
いかにも元共産党員らしく中国が対日包囲網を築くのには目をつぶり、日本が包囲網を突破して自国を守ろうとすれば「内外政経のあらゆる方面における失敗」とこき下ろしている。
彼は中国の繁栄が米国によってもたらされている事実を無視している。日本も経済と食料は米国頼りで、中国頼りでは1年も生き抜くことはできない。日本が中国より米国を大切にするのは自然な帰結だ。
ちなみに中国は資本主義の弱肉強食の超格差国家で、日本は社会主義がある程度成功している国家だ。さらに日本が核の傘に守られていることも厳然たる事実だ。日米安保条約があるから北朝鮮は迂闊に日本を攻撃できない。
最後に中国の外交姿勢を
「中国は東アジアで地域的覇権国家となってユーラシア全体に影響力を持とうとするのは当然だが、その地域覇権の形は数千年の歴史を持つソフトな朝貢交易関係が基本」と彼は夢想している。
現実の中国外交は朝貢交易関係などと言ったソフトなものではない。武力と金をチラつかせた恫喝が中国外交の基本だ。南シナ海における武装中国漁船の海賊行為に当事国が泣き寝入りしているのも、中国の恫喝外交が功を奏しているからだ。
金を出すと言っても、自国の国策企業と自国民を大量に送り込んで、内需で消費しきれない余剰物資の消化先として利用しているに過ぎない。しかも、中国の援助の多くは粗製乱造で、橋が完成前に崩落したり、道路がすぐに穴だらけになったり、建物が数年で廃墟になったりしている。援助された国で潤っているのは政府高官だけだ。
高野孟氏は米国の大国主義を非難する一方、中国の大国主義を賛美していた。その歪んだ姿勢は戦後の左翼運動を無批判に受け入れた結果だろう。
20日日曜、赤羽駅近くのカフェにて。
アイスコーヒーを飲んでいると、空になったミルクカップにゴキブリが寄ってきた。
バックからゲル状の消毒用アルコールを取り出して数滴かけた。ゴキブリはゲル状アルコールをかぶると呼吸ができなくなって弱る。ゴキブリはテーブルから飛び降りて逃げて行った。
少しして、隣席の夫婦者が「キャッ」と声をあげた。
足元を見ると弱ったゴキブリがいる。
すぐに踏み潰した。
様子に気づいた店員が紙ナフキンを持ってきて潰れたゴキブリを処理した。
「助かりました。本当にありがとうございます」
見上げるほどに体の大きな彼が体を小さくして礼を言った。
「ゴキブリが怖いとは可愛い奥さんですね。
そのうち、平気で踏み潰すようになりますよ」
そんなことを言うと、男性は照れ笑いしていた。
田舎育ちなので虫は平気だ。
いつも休む公園のベンチには蚊が大量に出没する。
最近気づいたことだが、蚊は大量に見えても、実際はせいぜい10匹ほどだ。だから、10匹殺すと全くいなくなって2時間は刺されない。
東京の蚊は前後左右に素早く動き回る。だから空中で叩き潰すのは難しい。叩くには手の甲を無防備に晒しておいて、蚊がちくりと刺したら真上から叩く。これが一番確実な方法だ。もし、少しでも斜めから叩くと敏捷に逃げられてしまう。昨日はそうやって7匹叩いて蚊はいなくなった。
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