金正恩政権はJアラートをどのように捉えているか。日本政府がJアラートを発する真意。17年9月15日
北ミサイルが北海道越え軌道で発射されJアラートが鳴り響いた。その後の報道を見続けたが、どれもJアラートの本意を理解せず的外れな意見ばかりだった。韓国人や韓国系のコメンテーターは「日本人は大げさすぎる」とか「弱虫だ」とか冷笑し、日本人は「クソJアラートに朝から起こされて腹たつ」とか「繰り返せば、そのうち狼少年になって効かなくなる」とか、散々だった。
矛盾するが、日本政府は北ミサイルによって被害が出るとは思っていない。まして、被害が出た時の官僚の言い訳説も的外れだ。その証拠に経済界にも危機感はなく株価は安定したままだ。日本政府の意図は他にある。
もし、本当に危機的状況の時は北と米国は無口になる。更に株価が暴落すれば、北か米国からの先制攻撃がありえる。今は双方とも虚仮威しばかりなので、かえって安心できる。
では、Jアラートはなぜ鳴らされるのか。
インドから帰国直後の安倍総理が語った「北朝鮮がこの道をさらに進めば明るい未来はない」が全てを語っている。
当事者の北政権の捉え方は日本国民とは違う。北政権は表面に出ない優秀なブレーン集団が金王朝の意向に沿うように状況分析して支えている。彼らは「Jアラートの頻発によって日本国民に危機意識が植え付けられ、防衛・攻撃能力を増強するための下地づくりを目的としている」と分析している。日本の民意が核武装容認に変化するのは北にとって大変に嫌なことだ。もし、日本が核武装したら対米交渉での北の勝算に綻びが生じるからだ。
日本が核兵器を放棄していると思っているのは日本人だけで、海外では日本は準核兵器保有国とされている。
例えば中国の分析では、
日本は核爆発実験をしなくてもスーパーコンピューターによるシミュレーションで核兵器を作る能力がある。ICBMを含む高性能の核ミサイル開発能力があり、極めて短期間に米露に次ぐ世界第3位の核兵器保有国になれる。日本が保有する48トンのプルトニウムを核弾頭用の高純度プルトニウムへの精製も短期間で可能だ。
評論家は北との対話が大切と言う。しかし、対話の指し手は北と米国だけで、日本は真っ当な防衛能力まで放棄させられた小さな駒に過ぎない。北の要求は米国が現政権を安堵し核ミサイル保有を容認すること以外はありえない。話し合えば北が考えを変えてくれるなど幻想に過ぎない。対話とは真っ当な国相手のみに成立する方法だ。北相手では強力な力を保持しなければ一歩も進めることはできない。
では、これからどうなるのか。
米本土へ届く北核ICBMが完成した時点で、米国は北の核保有と金王朝の安堵をあっさり認めてしまう。
米国の核の傘が無力化した結果、北は日本と韓国を恫喝しまくり経済援助を引き出そうとする。ここまでは北の思い描く筋書きだ。
その先は北の思惑は外れる。日本も韓国も北の恫喝を拒否して核武装を始める。中国はその動きを嫌い、金正恩委員長の暗殺を実行して傀儡政権樹立しようとする。自暴自棄になった金正恩委員長は暗殺される前に周辺国へ核ミサイルを打ち込む。しかし、広大な中国はしぶとく生き残り極東を支配する。米国は終始傍観者のまま過ごし、漁夫の利を得る。
我らが将軍様は世界を照らす太陽。
本当に北の怖さを知っているのは日本かもしれない。
北と交戦状態にあるにもかかわらず、韓国のインテリは北に毒され服従している。米国国民は北の脅威をまだ人ごとのように捉えている。欧州となると、ドイツのメルケル首相など、ドイツが中国と共同して北を説得すれば核放棄してくれると大甘だ。
しかし、誰が何を言おうと北が核放棄することは絶対にありえない。
世界は無法国家である北がISなどのテロ集団に核兵器を売り渡すことを真剣に憂慮すべきだ。もし、テロ集団が核を手に入れれば、欧米などの主要都市で躊躇なく使う。日本にできることは、その怖さを世界に地道に訴え続けるくらいだ。
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