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2017年12月12日 (火)

週刊ダイヤモンド「中国人が日本人には絶対言わない日本旅行の意外な本音」を読んで気分が悪くなった。17年12月12日

ネット版で作家・谷崎 光氏(女性)の「中国人が日本人には絶対言わない日本旅行の意外な本音」を読んだ。中国情報に興味があるなら、既知のことばかりで目新しい事柄はない。親中反日のデフォルメと偏りがあるのは、中国人旅行者動向への警鐘が込められているからだろう。しかし、彼女の考えは偏見と無知に満ちていて、共感できないまま後味の悪さが残った。


彼女の本文から抜粋・・・日本を旅行した中国人がまず驚くのは、あちこちで高齢者が働いていることである。しかも、中国北方だと身長が高い人が多いから、そこから来ると、日本の年配者は非常に小柄に見える。
中国では都市部のサービス業に勤務する人は20代、30代の若者が大半で、人というのは毎日見ているものがデフォルトになる。しかも中国はリタイアが早い。私も日本に一時帰国したとき、スーパーの家電売り場で、白髪の男性が顧客対応に出てきて、ギョッとしたことがある。
「朝、日本の電車に乗ると、出勤する人たちの年齢がすごく高い。中国もそうなるわけだけど・・」
高齢化社会はまさに縮小社会。つまり中国人から見て、日本は小さい、歳をとった人が大量にいる国なのである・・・


記事はそのような意図不明の文から始まった。
少子高齢化は日本人なら誰でも知っていることだ。
小さな老人ばかりの国と指摘するのは事実であるが、容姿によって値踏みをするのは誠に品格がない。小柄な年寄りが誠実に働いている姿は尊敬こそすれ、批判すべき事柄ではない。それらの何が問題で忌み嫌うべきことななのか意図不明だ。

鈍感な私は見下されても何も感じないが、友人は高身長の北欧などへ行くと、いつも見下ろされているようで落ち着かないと話す。その点、体型が近い東南アジアはホッとするようだ。中国人旅行者も欧米より、背が低い日本へ来れば優越感を感じて心地よいだろう。ならば日本人の背の低さは有為な観光資源であり、したたかに利用すれば良いことだ。その点で彼女は経済合理性がない。


・・・街が小さくて古いインフラが更新されていない国。以前、瀬戸内のある島を旅行したことがある。同じ日本なのに道の幅や建物など、なにもかもが一回り小さかった。つまり中国やその他の大陸から来た人には、日本はその島のように見えている・・・


日本は地域性がある。彼女が見た町は海沿いの半農半漁の町だろう。
渥美清の「男はつらいよ」では、地方のそのような細い路地と軒の接した木造家屋の町が舞台になっている。路地を行くと人の良さそうな年寄りに笑顔で挨拶され、懐かしさと安らぎを覚えた日本人は多いはずだ。
しかし、彼女にその光景を楽しむ感性はなく、ただ遅れた古臭さを感じただけのようだ。付け加えるなら、今は新品でも、手抜き工事だらけの中国インフラの老朽化のスピードは日本の比ではない。


・・・さらに日本の都市のインフラは数十年前に基本が完成している。そしてそれが続いた不景気のせいか、あまり更新されていない。地方都市や、都市部でも一部、建物や天井の高さなど、多くのスペックが昔の身長を基準として作られたままである。よく話題になるトイレも中国から来ると、いろんな場所で、「小さっ!」という感じで高さも低い。
「日本人は天井の低い、虫が住むような部屋に住んでいる」
 と言って、中国に帰ってしまった中国人留学生もいた・・・


事実だが、大きいものは良いことだのバブル時代ならともかく、成熟した今の日本に対してそれを指摘することに何の意味があるのだろうか。小さな家が中国人旅行者を不愉快にさせているから、中国風に建て替えろとでも言うのだろうか。嫌なら来なければ良いだけのことだ。彼女の考えが正しいなら観光客はジリ貧になるはずだが現実は逆だ。

日本家屋の地域格差は大きい。例えば富山あたりは中国と比べて、高品質の大きな家に住んでいる。
さらに言えば、これからの日本の老人は大きな家は避けて、小さな家にコンパクトに住むのが幸せだ、との調査結果がある。車や家の大きさで見栄を張るのは中国的な考えだ。対して日本は世界で少子高齢化社会を先取りして学べる教育的価値のある国だ。

余談だが、彼女は北京あたりに地方から出稼ぎに来た多くの人たちが狭く劣悪な住まいに住んで、日本のホームレス以下の生活をしていることを熟知しているはずだ。なのに、なぜこんな批判をするのか意図不明だ。


・・・「日本は清潔と聞いていたのに、東京の地下鉄やJRの階段はなぜ古くて汚いの?端を歩きたくない」(20代、中国人男性)という指摘には、賛成である・・・


古いのは事実だが汚す人は少ないし、頻繁に清掃されていて不潔ではない。所構わず痰を吐く人も、道端で糞尿をする者も日本では皆無だ。私は去年の暮れ、銀座ミキモトの横で子供に小便をさせいる中国人旅行者を目撃したことがある。その時「これが有名な中国人旅行者の愚行か」と軽く"感動"した。多分、彼女は古びた犬の糞だらけのヨーロッパの街角なら批判しないはずだ。


・・・中国の都会育ちの若者からすれば、今や日本は、「昔懐かしい国ね」(20代、中国人女性)なのである。中国の観光地は、その“騙し”だらけの管理の質はともかく、とにかく何でも大きい。黄河は対岸が見えないし、滝もナイアガラみたいなのがある。
「大阪城ね。小さいのがぽつんとあるだけ。大理(雲南省の少数民族の町)のお城と変わらないわ」
「日本の風景はスケール感が足りなくてどこも同じ」
 私も昔、日本の山陰地方に取材に行ったら、村役場総出でご自慢の「逆さの松」というのに“連行”され、それがまた本当に普通の松の木で、(ここではこれが宝物なのか)と別の意味で感動したことがある・・・


歓待してくれた山陰の素朴な人たちをバカにする態度は品格を疑う。
そのように皮相的にしか日本を見ることができない中国人は二度と来日しないから無視すれば良い。

彼女は日本の豊かな自然をよく知らないようだ。
私は母の介護を始めるまで、頻繁に登山へ出かけていた。
東京から電車で1時間足らずで、野生動物にあふれた原生林に出会えることにいつも感動していた。
では北京や上海から電車で1時間足らずの場所にそのような汚染のない自然があるだろうか。
確かに、中国では数千キロも飛行機で旅すれば、彼女が言うようなスケールの大きな景観に出会える。だが中国人民の誰もが気楽にできることではない。
要はバランスの問題だ。
誰でも安く気軽に自然を楽しめることこそ国の豊かさだ。日本なら、初日は東京、二日目は北アルプス、三日目は京都、四日目は沖縄諸島の亜熱帯と多彩に楽しむことができる。

腹立たしいのは彼女が「中国は広大な国だ」と語っていることだ。
そなんなに大きな国なら、南シナ海の小島や、東シナ海の尖閣など必要ないはずだ。
十分に金持ちのくせに、もっともっと小銭にこだわっている中国に醜悪さを感じる。
そこを指摘せず批判ばかりしているところは、朝日新聞の論調と酷似している。
それでも大きさを比較したいなら、中国より美しく広大な海、世界一のブナ林と、中国に勝るものは多くある。


・・・中国人に大人気の北海道だがウニいくら丼は“気持ち悪い食べ物”・・・


日本人同様、中国人も多様で好きな人もいる。
日本人でも生魚やウニが嫌いな人はいるのと同じだ。
中国人旅行者がウニ丼を強制されたのならともかく、嗜好を云々するのは知性に欠ける。


・・・日本で会社の飲み会に参加すると日本人を嫌いになる!
「割り勘が細かすぎる!仕事でもやることが細かすぎて、変態の域に達している」・・・


これは彼女の個人的な意見だ。
割り勘は合理的な理由で生まれた日本の文化であり、他国の習慣を押し付けるべきではない。
私は彼女より人生経験が長く、各方面の様々な飲み会に出席して来た。しかし、彼女が語るような醜悪な場面に出会ったことがない。あったとしても無礼講による精神衛生上の合理的な習慣のせいだ。醜悪に感じたなら、そのことを説明して理解してもらえば良い。もしかすると、彼女が若い頃に働いていたダイエーは、通常より劣悪な環境だったのかもしれない。


・・・「男尊女卑がすごい国。新幹線でおばあさんが席を探し、荷物をあげておじいさんを座らせているのを見て、あれ、何?と思った」・・・


偏見が過ぎる。その逆に、おじいさんが電車の座席に膝の悪いおばあさんを座らせている光景は何度も見たことがある。上記のように、おばあさんがおじいさんの席を取っているとしたら、体を壊しているおじいさんをいたわってのことだろう。

彼女の著書に「男脳中国、女脳日本、なぜ彼らは騙すのか」がある。
本は読んでいないが、題名に男女差別の匂いがする。
彼女こそ、隠れ男尊女卑なのかもしれない。


・・・コンビニのエロ雑誌は、女性の中国人や中国が長い私にも衝撃だが、東京オリンピックを控えて地方自治体やコンビニチェーンでは規制しようという気運が高まっている・・・


彼女の情報はとっても古くていい加減だ。
ネット主流の今はとっくの昔にコンビニでエロ本は売れなくなっている。
オリンピック対策といったお上が規制する風紀良俗のためではなく、今は売り上げのためにどんどん他の商品に入れ替わっている。赤羽界隈のコンビニからも、かなり以前からエロ本は見かけなくなった。そんなことより、オリッピクがあるからエロ本を追放しようなど後進国がすることだ。成熟国家の日本はいつでもどこでも堂々とエロ本を売ったらいい。そうすれば、中国人観光客が喜んで土産に買って帰るだろう。


・・・先日、私が日本でホテルに泊まったときに、ふと中国での現住所を宿泊カードに書いたら、それまで笑顔だったフロント係の対応が突然変わり、怒り声で「パスポート、見せてください!!」・・私は純ジャパニーズだって!!・・・


とても納得。純日本人の彼女が中国人に間違えられた怒りが、この記事を書くエネルギーになっているようだ。彼女は本当はエリート意識の強い差別主義者なのかもしれない。文中でさらりと実姉が美大教授だと書いているあたりに、そう感じた。

「それは違う。中国人が差別されていると感じたからだ」と彼女は反論しそうだ。しかし、記事を読み返すにつれ「どちらが偉いか金持ちか」の序列付けに彼女は終始していた。


・・・いまだに現金で買い物
ファクスを使用する「奇特な国」日本
日本での食事や買い物については、まずスマホでピッと決済ができる店が少ない、あったとしても店員が慣れていないことに不満が多い。「日本は先進国のはずなのに、どうして?」。
中国では現在、スマホ決済がどこでも普及しており、ちょっとした屋台の買い物も配達やレンタルなどいろんなサービスもスマホで決済できる・・・


まるで現金が悪でスマホが善のような一方的な書き方だ。
現金主義の何が悪い。これはガラケーと同じ日本文化だ。
中国で現金決済が衰退したのは、現金が極めて汚くて不衛生で偽札が多く、釣銭をごまかす者が多かったからだ。
中国の思想家・荘子の言葉に「機械を用いるものは機械によって損なわれる。便利に囚われると真の生き方ができなくなる」がある。
スマホはすぐに電池切れになったり故障することもある。スマホ決済に頼っていたら、いつかスマホによって酷い目にあうことになる。

私は近年、アナログな紙の本の魅力にはまっている。
メモや文章も、紙のノートに鉛筆で書いている。
これがとても心地よい。
同じ理由で、少々不便でも私はガラケーや現金にこだわっている。


・・・買い物そのものや消費については、サービス、商品の質・価格ともに皆さん大満足で、「なんでも中国より安〜い!」と昔の日本人のアジア旅行みたいなことを言っている。
それ以外の「水がきれい、空が青い、食べ物が安全……」、という彼らのホメ言葉もウソではない。
だけどそれは全部、旅行地としての一時的なものばかり。
「日本で発展したい」、「未来をかけたい」という言葉は、あまり聞かない。
まだファックスすら使っている日本は、逆に“奇異な国”なのである・・・


褒め言葉で終われば大人だと共感するものを、最後まで皮肉とは人間が小さい。
彼女は人間本位の文化の意味を理解していない。
長い中国生活で、拝金主義が骨の髄まで染み込んでしまったのだろう。
中国人観光客が日本の古臭さに魅力を感じるのなら、それは大切な観光資源でしたたかに利用すれば良い。日本文化を捨てて安易に中国に擦り寄ったら逆に観光客は減っていくだろう。


・・・政府批判ができる、警官が威張っていない…
心からの「日本いいなあ」は中国の現体制批判に
日本のそこは認める。民度の高さも認める。しかし、結論は、
「日本で遊ぶのはいいけど働きたくない。ストレス強そうで、人と人との関係が冷たそう」・・・


私の住む赤羽には実に多くの中国人が住み着き働いている。
そんなに嫌な日本になぜ働きにやってくるのだろうか。
彼らに来日して働く義務はない。
これは多くの日本人が抱く疑問だ。

世界各国、どの国民でも他国へ行けば違いを感じ喜びもあれば不満もある。それが旅行の良い点だ。犯罪が多いとか食べ物が危険と言った要素があるなら改善すべきだが、日本は世界ではバランスが良い国だ。


・・・中国の内陸の安徽省に西逓・宏村という有名な観光地がある。
昔栄えた村で、中国らしくなく、古い建築がそのまま保存されている。水もきれいで汚染されていない。交通が隔絶されており、閉じた社会で人々は非常に善良で騙す人がいない。しかし老人ばかりで、たまにいる若者は足抜けできず不機嫌そうである。取り残され物価も安い。
ここに発展に疲れた都市部の中国人たちが、近年のひなびた田舎観光ブームで観光バスを仕立てて大挙して押し寄せている。そして短時間のうちにバーっと消費し、帰っていく。「いいね、いいね」と言いながら。中国の桃源郷と呼ばれるここ、私は日本に重なるのだが、どうだろうか・・・


かって、日本の悪口を言うことがインテリの証だった時代があった。
谷崎 光氏にもそのような自称インテリの古臭ささを感じる。

記事に中国・西逓宏村の若者が不機嫌と書いてあるが、日本の田舎の若者は穏やかだ。昔と比べ受験競争も緩くなったし、政治運動も過激ではなくなった。
彼女は刺激的な言葉で売れている作家のようだ。
その戦略は理解するが、ジャーナリストとして真実と人格を尊重する最低限の節度は必要だ。
事実を捻じ曲げて褒める必要はない。
客観的に事実のみを淡々と語ってほしかった。

文中で「日本が素晴らしい」との番組も批判していた。
しかし、彼女がそれらの番組をきちんと見ているとは到底思えない。
私は日本の職人仕事が大好きで、専門の研究者以上に深く詳しく実技も持っている。
そんな私でも番組で、私が知らなかった伝統的な職人仕事が数多くあることを知った。枕詞の「日本が素晴らしい」は蛇足だが、それを除けば、どれも知らなかった仕事を見せてもらえるとても楽しい番組だ。

結論を言えば、中国人旅行者のリピーターは多い。
それは彼女には理解できない日本の魅力を彼らは感じているからだ。
「灯台下暗し」の諺のように、中国に長く住んでいるから中国人をよく知っているとは限らない。
読み終えて感じたのは「チビで貧乏でよぼよぼで古臭い日本は躍進する大国中国に生意気なことなど言うな」との偏見だった。

今日の日本貿易振興機構の発表では、中国の中間層・富裕層の日本製品や訪日に対する意識調査で今後行きたい国で日本は40・2%と米国と僅差で1位になった。ちなみに2位米国にイタリア、フランスが続いている。それについてもアナリストたちは人気の実質は日本よりはるかに遠方の欧米がずっと上だと批判していた。しかし、幼時から強烈な反日教育を受けて来た中国人としては驚異的な数値だと思っている。


Ma_3

Ma_4

Ma_5

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