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2018年5月16日 (水)

フリーランスの年齢の壁 18年5月16日

住まい下の荒川土手に以前から50センチほどの桑の木が生えている。
荒川土手は年に3〜4回草刈りをする。
桑はその都度、根元から刈り取られるが、2ケ月ほどで元の丈を回復する。
桑は再生力の強い木だが、この桑を眺めると「自分も頑張らなくては」と励まされる。

今年の荒川河川敷の山桜は例年になくサクランボが大豊作だ。
今年は好天が続いたので、桑の実もとても甘く熟した。
毎日、歩きながら仄苦く甘酸っぱいサクランボと桑の実を贅沢にたっぷり食べている。
田舎ではそのようなことはできない。
なぜなら、どの桜も桑も必ず個人所有者がいて、よそ者が勝手に採って食べると叱責される。
その点、東京の空き地はほとんどが国有地で、誰でも自由に採って食べることができる。


先日、医学冊子の表紙絵を納品した。
7月納品でも良かったが、集中してやりたい個人的な仕事があるので先に済ませた。
時間はたっぷりあったのに、いつもの癖で、納品日前日は徹夜になった。去年あたりから徹夜仕事をすると目の調整機能がガクンと落ちた。筆先が二重に見えてどう頑張っても絵が描けなくなる。以前はなかった症状に老いを強く感じる。

絵を納品した後、銀座へ回って、知人が参加しているグループ展のオープニングに顔を出した。
遠方の知人は上京していない。知人に送るために、会場の様子を写真に撮った。身内ばかりの会場は居心地が悪く、早々に辞した。

好天の銀座は静かだった。以前との違いは、騒々しい中国人を見かけなくなったことだ。もしかすると、彼らは日本の規範を受け入れ、目立たなくなったのかもしれない。

銀座は画廊などの旧知の人たちと会えるのが楽しい。しかし、30度の暑さに加え、徹夜疲れを感じたので長居せずに帰路についた。
北赤羽まで電車で行くつもりだったが、赤羽の埼京線のホームは人で溢れていた。どこかの線路に人が入ったようで電車が止まっていたが待つ気分ではない。赤羽から家まで歩くことにした。その前に、赤羽駅そばのドトールによってコーヒーを飲んで休息した。

疲れていても、赤羽で下車すると安らぐ。
いつもの高架下のショッピングセンターは抜けずに、久しぶりに赤羽台下の道を抜けた。埼京線と新幹線はその道に並行している。以前はそれらの路線はなく、赤羽・池袋間の赤羽線を羊羹色の古い車両が行き来していた。


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右は新幹線と埼京線の高架。
それ以前の平成の初め頃は小さな飲食店が並び、その先に日本通運の作業所があった。その頃、九州へ送る絵を持ち込んで、美術梱包をしてもらって送ったことがある。10万ほどかかったが、高いとは思わなかった。左手の崖は赤羽台の丘陵を削ったもの。崖には軍事用の巨大な防空壕があったが、戦後、石垣で埋められた。

この道には昔の旧居方面へ向かうバス停がある。
不意に、赤いショッピングカートをガラカラ引いてバス停へ向かう母の姿が幻覚のように蘇った。母に声をかけると「おや、いま帰りなの」と嬉しそうに振り返った。そんな情景をリアルに感じたのは寝不足のせいだろう。


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散歩コースの芙蓉。

最近「フリーランスの40歳の壁」の記事を読んだ。
自由業では40歳を過ぎると仕事が激減する、と言った内容だ。
なぜなら、仕事を出すクライアントの担当が作家より若くなって、年上は使いづらくなるかららしい。

私は昭和から平成に変わった頃に、43歳で絵描きに転職した。
絵描きに転向したが、絵は安定して売れないので主軸はイラストに置いた。
40歳過ぎていてもイラストの仕事は断るほど依頼された。それは人脈が良かったからと思っている。
「フリーランスの壁」にも人脈の重要性が書いてあった。
若い頃に編集者やデザイナー達と親しくしておけば、やがて彼らが出世して仕事を出してくれる、と言った内容だった。

今は人脈も役立たないほどにイラスト業界は超氷河期だ。本業だけで食っているイラストレーターをほとんど知らない。対してゲーム業界は活況だ。こちらは高度なCG技術が必要で、誰でも参入はできない。

今は本業の絵も売れなくなった。
日本経済の規模は大きくなったのに、年々絵は売れなくなって行く。銀座あたりの老舗画廊も次々と閉廊している。以前は個展の案内状が毎日送られて来たのに、今は月に1,2枚だ。なぜそのように低迷してしまったのか皆目分からない。私の絵を買ってくれていたのは中小企業の経営者とか、医師、弁護士などだった。それらの伝統的な富裕層の縮小を感じる。これから売れる絵は、有名作品の材質も形状も全く同じクローン絵に変わると思っている。そうなれば、新人が入り込めるチャンスは更に小さくなって行きそうだ。


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絵の納品帰りの車窓から、日暮里駅のホームで見かけた男女。
ともに派手な花柄パンツに黒Tシャツ。
東欧系らしい女性は、携帯をかけている男性の会話を遮るように黒ひげをシゴいていた。
女の手つきが何となくわい雑だったので印象に残った。


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Goof

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