ヤマモモをネパールからの研修生と食べた。18年6月12日
東京北医療センター庭のヤマモモ が熟し始めた。
今年は好天が続き、例年になく甘くて美味しい。
しかし、先週土曜あたりからカラスが大挙して押し寄せ、今日はほぼ丸裸にされていた。
カラス被害を受ける前日、たわわに実ったヤマモモ をたらふく食べていると、芝生で休んでいた若い女性グループが私を眺めていた。
「これヤマモモ。 知ってる? 甘くて美味しいよ」
声をかけると、その中の西欧的な顔立ちの綺麗な子が「知ってる」と答えた。
聞くと、ネパールからの看護師研修生だった。
ネパールにもヤマモモはあるようだ。
原産地は中国と日本だが、ヒマラヤの交易路を通じて伝播したのだろう。
現地ではヤマモモのことを「ザポーン」と呼ぶと教えてくれた。
「枝を引き寄せるてあげるから、摘みにおいでよ」
女の子たちを誘うと、楽しそうに近づいてきた。
ネパールは多民族国家で、南からインド系、北からチベット系と入り乱れ、彼女たちも実に多彩な顔立ちだ。受け答えをしてくれた西欧的な色白の子はインド・アーリア系だと思った。
雨の荒川河川敷から川口の高層マンション群。
昨日に続き今日も冷たい雨だった。
このみずみずしい美しさを知らずに過ごす人は気の毒だ。
雨に濡れたノカンゾウ。
前回記した「老いたら明日のことは考えてはならない」は言葉足らずだった。
「明日のことは一切考えない」のではない。
明日、病院へ行くとか、友人と会うとかの事務的なこと、生活費への対策など、考えなくてはならないことは別だ。考えてはならないのは、考えてもどうしようもない死や、病や、不運、などだ。それらを考えたり悩んだりしたとしても解決はしない。貴重な時間を無駄使いしてしまうだけのことだ。
事務的な必要事項であっても10分間以上考える必要はない。
歳を重ねると、人生の殆どの事項は経験して対策は確立している。だから10分も考えれば解決する。
もし、10分考えても解決案が出ないなら止めるべきだ。考えるのを止めて、散歩したり、テレビを見たりしていると、不意に良い解決策が思いつくものだ。今までの人生で幾度も危機的状況に遭遇したが、長時間考え続けて解決した事例は一つもなかった。だから「老いたら明日のことは10分以上考えてはならない」と書くべきだった。
老いたら自分に義務を課しない。
無理せず風に吹かれるように飄々と生活する。
もし、解決できない悩みがあったら、神様か仏様に丸投げしてしまう。
それが日本人の宗教的な生き方だ。
比べるとキリスト教やイスラム教は厳しい。
人は神との厳格な契約に従って、自分を律して生活しなければならない。
そのような宗教観が生まれたのは、中東の自然環境の厳しさがあるのだろう。
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