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2018年10月14日 (日)

他と比較することで人は悩む。哲学のない経済学とAI産業は人を不幸にする。18年10月14日

 先日、鎌倉へ行った。
近年、毎年のように親しくしていた人が亡くなる。
それで秋になると供養のために鎌倉の円覚寺へ行くことにしている。

北鎌倉駅そばの円覚寺は海から離れた山裏だが、先の24号台風の塩害によりモミジが枯れ、紅葉することなく散り始めていた。
今回の塩害は広範囲で、赤羽の散歩コースのモミジも葉の縁がチリチリと枯れている。
そんな鎌倉でも気持ちが安らぐ。出かけて本当によかった。
いつものように佛日庵の茶席で抹茶を飲んだ。
境内は去年より外国人旅行者が増え、日本人より多く感じた。


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 北条時宗を祀る佛日庵。
500円で抹茶を味わった。
境内は静かで、カラスの声に子供の頃の遠くへ遊びに行った帰りの侘しい夕暮れが蘇った。

円覚寺には1時間ほどいて、そのまま帰路に着いた。
北鎌倉から隣の大船で東海道線に乗り換え赤羽まで直進した。
電車は都心に近づくにつれ混み始め、東京駅あたりで満席になった。


 グーグル地図のストリートビューにはタイムマシン機能がある。
毎日の散歩コースは2009年まで遡ることができる。
これまでの9年間で風景はかなり変わった。野菜から酒類まで何でも扱っていた"何でも屋"はなくなり、「かぼちゃの馬車」のアパートに建て変わった。以前の"何でも屋"の映像を見ると、店入り口に熱中症で亡くなった主人が写っていた。システムにより顔はぼかしてあるがシルエットで彼と分かった。
5年前に死んだ、可愛がっていた散歩中の犬を見つけたこともあった。
関東財務局の古びた官舎は取り壊され、跡地に民間の高級老人ホームが建った。
少子化によって廃校になった中学校は私大に建て替わった。
老荘思想では、他と比べることで煩悩が生まれるとある。その通り、今はなくなった人や建物や樹木を昔の映像に見つけると虚しさを覚える。だから他と比較せず、現実をそのまま受け入れれば悩みは消える。
現代中国人の幸福感が大きのは、昔と比べて豊かになったからだ。これから先、経済が停滞し始めれば、中国人の幸せ感は減少するだろう。


 緑道公園には瀟洒な陸橋がある。古いヨーロッパ風の石造りの橋で写真撮影によく使われている。・・石壁は砕石をプラスチックで固めた模造品であるが・・
母の介護をしていた10年前まで、その橋を毎日のように車椅子を押して渡っていた。母は橋に差し掛かると決まって口笛を吹いた。樹木が多いので小鳥を呼び寄せているつもりのようだ。しかし、口笛は下手で、仲間と勘違いする小鳥はいなかった。
母と死別してからも毎日のようにそのあたりを通る。
私も時折、口笛を吹いてみる。
私の口笛も下手で母と瓜二つだ。
親子は妙な箇所が似てしまうものだ。


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 陸橋の上でアダルト系の写真撮りをしていた二人。
カメラマンは見上げるような2メートルはありそうなアフリカ系の大男だった。
モデルはロシア系で、彼女もかなり上背があった。


 先週から、NHKスペシャルでお金について取り上げている。
内容はキャッシュレス化すると皆んなが浪費するので景気が良くなると言った内容だ。すでにヨーロッパなどで実証されていることだが釈然としない。浪費によって豊かになっても、地球全体で考えれば禍根を残すだけだ。

ちなみに、日本とドイツがキッシュレス化が遅れている。理由は、現金取引が世界一進化した国だったからだ。スーパーのレジは現金を入れると自動的に計算し、正確な釣り銭が自動的に出てくる。お金の信頼性も高く、日本人のほとんどは不自由さを、さして感じていない。その点はドイツも似ているだろう。


 温暖化は炭素系燃料だけでなく浪費によっても起きる。
旺盛な浪費のためにアマゾンや東南アジアでは、木材を伐採した後、焼き払って農地に変えている。安物の家具作りのために樹木を浪費すれば、炭酸ガス排出は増える。

昔は木材を大切に使って家具作りをしていた。丁寧に作ると堅牢で何世代にも渡って古物として流通する。父が使っていた物置台にキャスターをつけて絵の具や画材の棚として使っている。それは昔の安物だが、ベニヤではなく無垢材を使い木組みで組み立ててあり、とても頑丈でさらに100年200年使い続けられそうだ。
しかし、イケヤの家具は数年であちこちノリが剥がれ壊れ始める。
イケヤの本国のスウェーデンは環境意識が高いと思われているが、やっていることは正反対だ。

 日本近海の漁獲量は激減しているが、実際は、規格を満たさない魚は海上で大量に捨てられている。
魚や農産物は生産段階で食べられるのに大量廃棄され、さらに流通に乗っても、その25パーセントは食べられることなく捨てられている。浪費は景気をよくするが、長期的には地球を疲弊させてしまう。

 ストローを紙にしようとの運動も盛んだ。しかし、ストローは総プラスチック製品の千分の一以下だ。日本の調査では、日本近海で採取したプラスチックは中国、東南アジア、インドネシア発が大部分だ。日本ではプラスチック類は回収し、焼却処分しているので、流出量はフィリッピンよりも少ない。

海洋汚染で問題になっているマイクロプラスチックの原因は、欧米で騒がれているのに反しストローによる汚染は極めて少なかった。見つかったのは人工芝の破片、肥料を封入した微小カプセル、大量に使われている衣類などの化学繊維の残骸だった。

電気自動車に関しても、欧米の環境問題への騒ぎ方は合理性を欠き感情的で疑問が多い。未来予測では2030年時点でも、まだ70パーセント近くの車が内燃機関を使っている。それでも騒がれているのは、電気自動車関連企業を買いに走っている投資家の思惑がかかわつているからだ。

私見だが、ガソリンや軽油の代わり、水素を燃料にすれば炭酸ガス排出は0にできる。具体的にはオーストラリアの低品位石炭から水素を作り日本に輸送する方法が計画中だ。製造過程で生じる炭酸ガスは廃用されたガス田の地層に封入することで解決する。

 番組を見ながら、経済学と人工知能に欠けているのは哲学だと思った。
AIが完全に実用化されたら規制が必要かもしれない。例えば、AIを人の下位に序列化する。人の能力保持のために職人仕事を復権させる。ロボットが作ったものに課税する。それらの施策で人間らしい幸福感と豊かな地球が維持できるはずだ。無秩序にAIに頼り切っては人は幸せに生活できない。

 AI擁護派は、AIは人の創造力を永遠に超えることはできないから脅威にならないと考える。しかし、人の脳は神秘的で特別な存在ではない。極めて複雑な構造なだけで、脳と同じ能力を持つAIを作ることは可能だ。擁護派の楽観的な予測が通用するのはこれから2,30年の間で、それ以降の未来では難しくなって行く。

理論的に可能なら、やがて究極のAIの頭脳と五感を備えた人型ロボットが作られるだろう。それができれば、人以上の創造性を持たせることは難しくない。
先日、AIが描いた絵が高額で売れた。それだけではなく、全ての分野で人がAIロボットに負け始めた時、人は自分の存在について悩み始めるはずだ。
人がAIを作った理由は人の幸せのためだ。それなら、徹底的にAIに奉仕させて人は安楽に生活すべきだ。

しかし、人型ロボットの完成度が高まって人に近づくに連れ、ロボットは人に隷属することに不満を持つだろう。その事態を避けるために、AI研究に哲学が必須項目になりつつある。


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