あけまして、おめでとうございます。19年1月1日
老荘思想では感覚は不確かなもので、人は現実を正しく認識できないと説いている。認識できるのは現実のごく一部で、残りは断片的な情報を寄せ集め空想で補っているだけだ。しかし、人はその不確かな現実に翻弄され、喜んだり、悲しんだり、不安に苛まれたりする。
だから、情報に対する感覚は鈍いのが良いと老子は説いた。
そのような不確かな現実から得られた知識など、得々と人に話すべきではないし、さほど重要視する必要もない。もし、そのように感覚を抑えた生き方ができたら、人は自由に楽しく生きられる。
知る者は言わず、言う者は知らず。その兌(あな)を塞(ふさ)ぎて、その門を閉し、その鋭(えい)を挫(くじ)いて、その紛(ふん)を解(と)き、その光を和(やわら)げて、その塵(ちり)に同(おな)じくす。
上記は老子56章からの抜き書き。
意味は
本当に理解している人はそれらについて得々と話さない。
語りたがる者はまだ理解が足りないのだ。
本当に道理が解っている人間は耳目や口を塞いで余計な知識の出入り口を閉ざし、
鋭敏な感覚を鈍くして意識のもつれを解きほぐし、自分の輝きを抑え、人が見過ごすような塵に扮する。
2018年最後の夕日。
2019年初日の出。
実際の日の出はこれより7分前だが、地平線に雲があり、ご来光を見るのは7分ほど遅れた。
2019年元旦。
街並みの間から見えた朝富士。
元旦の荒川土手の霜。
去年の元旦は厳しい寒気だったが、今年は暖かい。
それでも、東京と埼玉の境のこのあたりは気温が低い。
神戸の大震災とオーム・サリン事件の年の5月。大阪で作品展をした。
その時、チャリティーなどで震災復興に協力したのを縁に、裏社会に詳しい人の案内で大阪飛田新地を訪れた。
飛田新地とは遊郭が密集する地域で、江戸から続く遊郭文化が息づいていた。
絵はフランス人形のように着飾った女郎さん。
鮮やかな緋毛氈上の分厚い座布団に無表情に座っているだけだが、それがなんとも言えずエロチックだった。
飛田新地について作品展の後援をしてくれた大日本印刷の担当者に聞くと、普通の人は怖くて近づけない地区らしい。
しかし、案内人が強面だったので、客引きたちは伏し目がちに目をそらして、誰も声をかけてこなかった。
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