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2019年2月 9日 (土)

あらためて、歌手の夢を一瞬で掴んだ、ただのおばさんだったスーザン・ボイルに感動。しかし、日本人の魂を揺さぶるのは演歌だった。19年2月9日

明日は雪の予報だったが、美しい夕暮れだった。

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環八、小豆沢あたり。
西方、中山道方面を眺めて。

先日の、マツコが丹下健三設計の東京カテドラル聖マリア大聖堂を訪ねる番組で、パイプオルガンの演奏があった。曲の中にはバッハのトッカータとフーガがあった。
50年以上昔のフランス映画「去年マリエンバートで」ではそれと似たBGMを使っていたが、曲名は思い出せない。それで、「去年マリエンバートで」のBGMを検索してみた。
同じ曲にはたどり着けなかったが、その過程で様々な音楽動画に出会えて楽しかった。

その中に、2009年、スーザン・ボイルが夢をつかんだ瞬間のドキュメンタリーがあった。大聴衆が見つめる舞台にキスの経験もない47歳の幸せ薄い失業女性現れた。彼女は美しさとは無縁のボサボサ頭の小太り中年女性。
審査員が夢を聞くと「エレイン・ペイジのようなプロの歌手になりたい」と答えた。「なぜプロになれなかったのか」と問われた彼女は「チャンスがなかったから」と答えた。
それらのやりとりを冷ややかに眺める観客たち。
「無謀な夢を」と、うんざり顔の審査員たちのアップ。
しかし、レ・ミゼラブルの「夢破れて」を彼女が歌い始めると会場の雰囲気は一変した。審査員や観客たちの侮蔑の薄笑いは消え、賞賛の大歓声が会場を揺るがした。

これから何かに挑戦しようとしている人たちにこの動画を薦めたい。この動画を観ると、勇気が湧いてくる。本当に優れたものには何の飾りも必要なく、人の心を一瞬で鷲掴みできる。

下画面をクリックすると動画が始まる。

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現代日本の声楽家たちの多くは西洋音楽を実に立派にものにしている。しかし、どこかに借り物感が残る。殊に、スーザン・ボイルのような西欧人特有の声を聴くと、日本人とはズレを感じる。だからか、いつも完全に没入できないでいる。

音楽に関連して、1月30日のEテレ科学番組の「又吉直樹のヘウレーカ“空耳”はなぜ起こる」は音と人の感情の関係を取り上げていた。音についての解説中、科学番組には不似合いの北島三郎の「風雪ながれ旅」が突然に流れてきた。解説者の音研究家、NTTコミュニケーション科学基礎研究所・柏野牧夫氏は、中学生の頃から演歌の大ファンだったからだ。
番組によると、無音室では自分の心拍から血液の流れる音まで聞こえて、長くいると頭がおかしくなるそうだ。

音楽は不意を突かれると強い感動を覚える。
早速、アイチューン・ストアで「風雪ながれ旅」を手に入れようと検索したがなかった。
代わりにユーチューブで見つけたのが下の動画だ。聴きながら、やっぱり日本人には演歌だと痛感した。
「島津亜矢 北島三郎 風雪ながれ旅--まつり」
下画面をクリックすると動画が始まる。


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明日の東京は寒く雪になりそうだ。だからでもないが、雪の舞う動画があったので下に記載する。
動画は公園らしき場所にカメラを固定して写した白黒動画。
BGMはロシア民謡のトロイカを静かな曲に編曲したヒーリングミュージック。
舞い落ちる雪をぼんやり眺めていると、不思議に癒される。
私的な感想だが、舞い落ちる雪の一片一片に様々な人生を重ねてしまう。まっすぐ落ちていく雪、落ちたり上ったしている雪。それでも最後は全ての雪が落ちてしまい、消えて行くのが少し寂しい。

「Evgeny Grinko--Field」下画面をクリックすると動画が始まる。


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次は以前何度かテレビで紹介していたので、観た記憶がある人は多いはずだ。
中世風の牧歌的な曲が心地よい。

「FAUN---Federkleid」下画面をクリックすると動画が始まる。


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最近読んだ記事で「ミスタードーナツの顧客を奪う意外な競争相手について」がとても面白かった。
その競争相手とはニトリや百均の進化だ。

私は知らなかったが、1980年代後半のミスタードーナツはポイントでもらえるグッズ目当ての客で売り上げを伸ばしていた。当時の若者たちは、西武百貨店の「おいしい生活」のキャッチコピーに踊らされ、雑誌「ポパイ」と「オリーブ」が流行っていた。
その頃、若者たちの住まいは木賃アパートからワンルームマンションに変わった。そのフローリングと白い壁には雑誌に掲載されていたおしゃれな家具やグッズが似合っていた。だから、高額にも関わらず飛ぶように売れた。

当時の景気は本当に良かった。
私の収入も潤沢で、節約なんて針の先も考えなかった。
その頃、ミスタードーナツを躍進させたのが、300円の買い物毎にもらえるラッキーカードだった。そのスクラッチを削って出てきた点数を集めると原田治のイラスト付きの生活グッズが手に入った。
ロフトあたりで売っていた生活グッツはとても高かったので、若者たちはドーナツの景品グッツに飛びついた。
しかし今は、それらのグッツはニトリや百均で昔の10分の1の値段で買える。だから、ラッキーカードの魅力は薄れ、ミスタードーナツの売り上げも落ちた。

ミスタードーナツ以外の店が成長できなかった訳も面白かった。
それは、彼らはミスタードーナツとは別種のスマホに敗れたという説だ。
例えば、セブンイレブンもドーナツに参入して失敗した。
参入のきっかけはセブンカフェの成功だった。私もセブンカフェは好きで週に2,3回は飲んでいる。香りとコクにこだわった高品質のコーヒーはスタバ以上で、サラリーマンたちはセブンイレブンでコーヒーを買って職場にでかけるようになった。
これはニューヨークの出勤シーンの後追い流行だった。少し違うのは、ニューヨークではコーヒーと一緒にドーナツを買い、片手にコーヒー、片手にドーナツを持ち、それを交互に口にしながら歩くスタイルだった。それでセブンイレブンはセブンカフェの隣にドーナツを置けば売れると踏んだ。しかし、その目論見は外れた。
その理由がとても面白い。
セブンイレブンがドーナツに参入した頃にスマホが登場して、ニューヨークスタイルは時代遅れになっていた。片手にスマホではドーナツは持てなくなり、ドーナツは売れなくなった訳だ。
スマホの登場で、ドーナツ自体が売れなくなっていた。
ニューヨーカーは素手でドーナツを食べるので指先が油でベトベトになってしまう。それでは画面をタッチできないので、ドーナツは敬遠されるようになった。

スマホの登場で、指先が汚れるスナック自体が売れなくなっている。明治のカールや森永のチョコフレークの生産終了もスマホが原因だった。そのように売れ筋商品の盛衰には思いもよらない原因があるようだ。

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喫茶コーナーで見かけた老人。
日に焼けたホームレス風だが、読んでいる本は専門書だった。


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Goof
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