米中覇権争いの行方。日本の国としてのブランド力は5年前と同様に今年も世界1位。令和元年7月1日
6月30日、7月1日は十条冨士神社大祭。地元では「お冨士さん」と親しまれ、子供たちの楽しみである。
私は昭和38年から9年間、十条で暮らし、その後は赤羽に引っ越して今に至っている。その間「お富士さん」へのお詣りは欠かしたことがない。
今年の「お冨士さん」は時折小雨が降る天気だったが、いつものように人出は賑やかだった。近年目立つのは、中国など海外からの観光客だ。浴衣姿の子供たちの姿がとても可愛いかった。
20年前まで馴染みの射的屋がいて、5センチほどの土人形を百発百中で落とした。手に入れた招き猫や動物の人形たちはダンボール箱に溢れていたが、何度かの引っ越しの時、殆どを処分してしまった。それは素焼きに手彩色した素朴なもので、作り手の老人たちもとっくの昔に引退した。
お富士山の本祭7月1日は母の10回目の命日でもある。前夜祭の30日に供物を買って仏壇に供えた。身内で母の命日を覚えているのは私だけになった。父と祖母の命日は、さらに誰も、記憶していない。しかし、今年から「忘れているのか」と嫌味は言わないことにした。
十条の町並みは昭和が色濃く残っている。篠原演芸所がある十条中央商店街を富士塚のある通りへ歩いた。小雨に煙る商店街を眺めていると、50年前の情景が幾度もフラッシュバックした。
そんな時、過去・未来は今現在の1点に収束していると感じる。経過時間は観念的にしか記憶できないからだ。そのような脳の仕組みのせいで、10年前、20年前の出来事も昨日のことのように思えてしまう。だから終末期に「自分の人生は一瞬で過ぎてしまった」と思うのかもしれない。

紫陽花の花期は終わり、芙蓉が開花した。
梅雨空の下のピンク色の薄い花弁が可憐だった。

梅雨の合間の荒川河川敷。

荒川河川敷のサイクリングロードに毎日遊びに来ている近所の飼い猫。
近づく自転車を寝転んだまま眺めていた。
先日の「朝まで生テレビ」は朝まで見ていた。
テーマは大阪で開催されたG20の結果予想だが、すでに終わったことで結果は出ている。
討論の最大テーマは米中貿易戦争とイラン対米国の紛争の行方だった。米中貿易戦争については、トランプ大統領が25%への追加課税を止めたのは朝生でも予想され、その通りになった。米中貿易戦争の影響を受けていた産業界はひとまず安堵しただろう。
米中の覇権争いについては、
宇宙と通信では、国力を大々的に傾注している中国が将来的に優位。
AIについてはプライバシーの敷居がな中国の方がビックデータを集めやすく有利。
議論はされなかったが、遺伝子工学の一部については人体実験が容易な中国が有利だろう。
中国にはかって法輪功と言われる宗教団体があったが、信者は徹底的に弾圧され、主要メンバーの全ては投獄された。その囚人たちは強制的に臓器移植の提供者にされている。だから、中国では高額な医療費を払えば、どんな臓器でも数日で移植を受けることができる。
ハイテク技術については、米国の知的所有権が中国人研究者や留学生などによって大量に盗まれ、米国では与野党ともに強い危機感を抱いている。この強硬姿勢は誰が米国大統領になっても変化はない。中国は金儲けには熱心だが、時間のかかる基礎科学は弱い。中国発の画期的イノベーションが生まれない状況はしばらく続くだろう。
「朝まで生テレビ」では米中覇権争いの行方が討論され、中国が勝つと言う者が少なからずいた。しかし、それは単純に推論できることではない。例えば、日米経済摩擦の時は、米国の作った規則に日本は従い、もし日本企業が違反したら厳しく罰せられた。しかし、中国は交わした条約を有名無実にしてしまう国だ。非民主国家の中国での違反を米国が指摘することは不可能で、米中摩擦は終わりなく続くはずだ。
覇権を取るには第三国の支持が重要になる。
米国は中東では憎悪されているが、それ以外の地域では中国よりも信頼されている。
米国は酷いことをして来たが、それ以上に中国のやり口は汚い。東南アジアやアフリカでの中国による経済支配は犯罪に近い。中国の経済援助は建設した施設を担保にとり、中国企業が自国から労働者を引き連れてやってきて資材はすべて中国産を使い、貸し付けた外貨のほとんどを自国へ還流させている。
金利も高く、ほとんどの国は支払いに困窮し、結局、建設されたインフラは中国のものになる仕組みだ。それでも経済援助を受ける後進国が多いのは、現地の政府高官たちが中国から巨額な賄賂を受け取っているからだ。それらの事実は被援助国の国民に知れ渡っていて、将来、中国が敬意を受けることはほとんどない。そのようなダークな中国は世界から信頼されることはなく、覇権を取るのは難しい。今日も香港では反中国のデモが起きた。それは無法国家に支配されることを恐れてのことだ。
「朝生」でも指摘されていたが、今、世界で最も危険な箇所は台湾海峡とホルムズ海峡だ。
討論の中で印象に残った言葉は、先進国中で日本だけが巨大赤字国債を抱えているのに社会が平穏で経済も政治も安定していることだ。日本の経済システムはダメ、日本企業はスピード感がなくてダメ、ダメダメダメと規模や成長速度だけで日本を評価するアナリストが多いが、国民にとって本当に大切なことは安定していることだ。
中国人は、かって日本は豊かだったが今は貧しいと馬鹿にする。
それは国民の平穏な生活の意味を理解していないからだ。
中国で少し難しい病気になったら、高額支払いのために豊かな家庭でも借金漬けになって崩壊する。
米国で盲腸になって正規の治療を受けると、高額支払いのために一般家庭は破産する。
しかし日本では、たとえ無一文のホームレスであっても、月に数千万かかるような高額医療が受けることができる。
日本では餓死や凍死はありえない。日本でも餓死凍死が極めて少数起きているが、それはプライドのために公的機関に頼らなかった特殊理由によるものだ。
豊かさは数値で評価できるものではない。
それに関して、最近、英国フューチャーブランド社が行った国別ブランド力の調査で日本が世界1位となった。
調査対象はGDPの上位75カ国。調査期間は今年1~2月。調査方法は世界各地で過去1年に海外旅行した計2500人にオンラインでインタビュー。それに交流サイトでの各国・地域に関する投稿を分析し、22項目で採点した。調査項目は、製品・サービスの信頼性、健康的な食事や自然の美しさ、独特な文化などだ。
同社は「国・地域の力を測定するのに、国内総生産や人口規模、核兵器の数に意味はない」と指摘。
しかし日本には、高い技術やイノベーションを背景とした製品・サービスがあり、西洋とは異なる無駄を省いたシンプルな独自な文化がある。それこそが「日本の最も偉大な輸出品」だと結論していた。
日本は5年前の前回調査でも1位だった。
今回の2位はノルウェー(前回6位)。3位スイス(同2位)、4位スウェーデン(同4位)、5位フィンランド(同13位)と続く。
上位の国々は総じて、生活の質や環境へのやさしさなどが高く評価された。
米国は五つ順位を落とし12位に転落したのはトランプ大統領の言動が影響した。
EU離脱で混迷する英国も七つ順位を落とし19位となった。
日本の近隣諸国では、韓国が20位(同20位)、中国は29位(同28位)だった。
ちなみに人口では、日本は1億2600万で世界11位。
ノルウェー・約500万で116位。スイス・約760万で94位。スウェーデン・約940万で88位。フィンランド・約540万で111位。
老子の名言に「小国寡民」がある。国は小さい方がまとまりが取れて安定する、との意味だ。人口統計で計れば、世界11位の人口大国日本はブランド価値は下がるはずなのに1位なのは、異常なほどに突出している。日本人は他の国と、どこか違うと思っているが、社会科学的にそれを説明できなかった。だから、この調査結果はとても納得できるものだ。
他の先進国大国と日本の違い。
ガラケーは他国では絶滅しかけているのに、未だ、国民の半数は使っている。
電車で居眠りしても、持ち物を盗まれることはない。
夜道を若い女性が一人で歩いても、ほぼ犯罪被害を受けない。
お金を落としても、落とし主が分かっていれば戻ってくる。
儲からない些細な技術でも、徹底的にこだわって完成度を高める。
阪神大震災、東日本大津波などの大災害が起きても、秩序が保たれ暴動が起きない。
世界一の赤字国債を抱え、税金はさほど高くないのに、財政破綻せずになんとか福祉を維持している。
「朝まで生テレビ」の討論中に出演者の一人がふと漏らした、「なぜか、超債務国の日本はデフォルトせずに社会も穏やかで人心が安定している」との言葉に反論はでず皆は納得していた。ハーバード出身のタレント、パックンは「自分は安全で落ち着いているから日本に住み着いている」と話していた。
昨日は板門店で米朝会談が行われた。
トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会ったのは米国大統領選挙へ向けたものだろう。
韓国も北朝鮮も中国が命運を握っている。そして、中国の大きな収入源は米国人の無駄遣いだ。
金委員長は、米国さえ手懐ければ日本は放っておいてもついてくると考えている。日本に悪口雑言を言い続けている北朝鮮の本音は、かって韓国大躍進の原動力になった莫大な国家賠償を同様に受けることだ。
蒸し返された慰安婦・徴用工問題への報復措置がいよいよ始まった。徴用工の実態について母はよく知っていて、子供の頃から幾度も話し聞かされて来た。
母の話では、働き手が戦地に行って労働力が払底していた日本内地では、朝鮮人徴用工は大切に扱われていた。
当時父は、九州日田の山地で灌漑工事を指揮していた。工事の重要な働き手は家族づれで応募して来た朝鮮人労務者たちだ。当時の日本人家庭には、砂糖や食用油は全く配給はなかったが、彼らは日本人より優先して配給を受けていた。母は朝鮮人部落へ出かけては、牛肉でも魚でも砂糖でも、物々交換で手に入れていた。
母は正直な人間で嘘はつかない。韓国で言われているように骨と皮になるまで強制労働をさせられているなら、彼らは厳重な収容所に入れられ、母が気楽に尋ねられる場所ではなかったはずだ。
近隣の農家も気楽に部落に出入りして、時には農耕牛と貴重な地下足袋や砂糖などと交換していた。彼らは交換した牛を密殺して、焼肉やクッパやビビンバを作っていた。部落を尋ねた母は、親しくなった労務者家庭で、珍しい朝鮮料理をご馳走になったりしていた。
以上は、南北朝鮮では国家機密で国民はほとんど知らない。
戦後生まれ育った韓国人は残虐無慈悲な日本として骨の髄から教育されている。
だから日本人にフレンドリーに接してくれる韓国人たちの本音は、残虐な日本人を許している上から目線の感覚だ。
戦後すぐの韓国・李承晩大統領は極端な反日思想の持ち主で、今の反日教育の基本を作った。さらに、主として朝日新聞発の虚偽情報を叩き込まれたのが今の韓国人だ。だから、韓国人の多くは慰安婦・徴用工問題は当然の帰結だと思っている訳だ。
それなのに、韓民族の正義に異議申し立てをする日本は傲慢不遜な国となる。その本質を見誤ると、最悪の日韓・日朝関係は、永遠に繰り返されることになる。
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