世界は極東の日韓紛争など眼中にない。日韓は米中関係を起点に思慮すべきだ。絵描きにとって一番難しいのは絵を売ることだ。令和元年9月4日

今、日韓マスコミやネットニュースでは、日韓紛争ばかり注目されている。しかし、世界の最大関心事は米中貿易戦争と中東問題で、慰安婦や徴用工問題やホワイト国除外を主軸にした日韓紛争など些細過ぎて眼中にない。
先日、トランプが韓国を振り向いたのは、自国防衛に関するGSOMIAを勝手に廃棄してしまったからで、一瞬の出来事だ。米国にとってのGSOMIA破棄は「こっちが中東や米中で大変な時に、韓国は勝手なことをしやがって」程度のことだ。世界の関心は日韓の歴史問題でも日韓紛争でもなく、現実の自国利益のみだ。例えば、インド対パキスタン、英国対アイルランドなど、隣国同士で昔から紛争を続けているが日本人の多くが興味がないのと同じだ。

米国にとっては朝鮮半島より米中貿易紛争と中東情勢の方がはるかに大きな問題だ。石油輸出国に変わった米国では、もはや中東産石油には興味ない。米国の中東問題の核心はイスラエルだ。イスラエルは米国のトランプ支持層と密接な関係があるからだ。
米国経済界も国民も、米中貿易戦争にウンザリしている。再選を狙っているトランプは、選挙民の動向に敏感で、鉾の納めどころを考慮している。一方の中国も米中貿易紛争や香港問題など内憂外患にさらされ、このままでは習政権は危うい。勝ち負けは抜きにして、突然に米中が和解する可能性はとても大きい。

この国際情勢の中、日韓紛争は米中和解を前提に考える必要がある。
ただし、米中ともに文政権の韓国を重視していない。中国は韓国に適当に儲けさせて支配下に置き、いずれ韓国産業を収奪するのが本心だ。韓国の得意分野の半導体、スマホを始めとする電気製品、車、鉄鋼、すべてが中国の射程内にある。中国の優位性は、すべての業種が巨大な国内消費だけで成立できるからだ。例えば車は、中国人は低価格の韓国車には見向きもせず、国産車を買っている。高価格帯ならドイツ車か日本車を買う。今は韓国が優位にある半導体とディスプレーも射程内で、数年後には追い越しているだろう。

中国はハイテクで世界一になると宣言して、米国の大反撃を受けた。
そして韓国サムソンも巨額投資を発表し、世界一になると宣言した。
次に起きるのは、IT分野での中韓紛争だが、サムソンの計画は中国市場を前提にしたもので、達成は厳しい。

その一方、米はIT分野でトップ、日本は再興を狙っている。
半導体、液晶・有機ディスプレーの素材と製造機器のすべての分野で日本は圧倒的な競争力を持っている。今回の日韓紛争をきっかけに韓国はいくつかの分野で国産化に成功するだろうが、その間、日本企業も必死で引き離しを図り、優位性を保とうとするはずだ。ITの世界ではわずかな失敗や数ヶ月の遅れが命取りになる。

何れにしても、実力のある日本企業の立ち位置は韓国より有利で、今、中国が日本にすり寄っているのは当然な流れだ。例えば、LGが成功したと発表したフッ化水素は、その原料の中国産フッ化水素は、中国産蛍石の安定供給との引き換えに、日本が技術供与した中国メーカーのもので、日本製より高価格だ。
注, 詳細な情報は発表されていないが、成功したと言われるフッ化水素はディスプレー用で、半導体製造用と比べると低純度だ。日本の専門家によると、半導体用高純度フッ化水素は、成功まで少なくとも1年は必要になりそうだ。
ただし、日本が注意すべきは、中国による日本素材メーカーの買収だ。その対策として、日本はしたたかで精緻な戦略が必須となる。

今、日本の素材メーカーは将来の命運をかけて、韓中を値踏みしている最中だろう。
文政権が続くなら、韓国財閥の多くは主力を海外へ移し多国籍化する公算が大きい。米国移転なら準米国企業となる訳で、日本の素材メーカーは動きやすい。サムソンやLGとしては素材国産化などに無駄なエネルギーを注がず、計画達成を目指したいのが本音だろう。何れにしても、韓国のWTO提訴が決着している頃は、日韓ともにホワイト国問題などどうでもよくなっているはずだ。

文政権が任期を全うしたら、韓国はプライドと引き換えに経済を失うことになる。
それが分かっている文政権は、資源大国の北と統合することで日本を圧倒したいと夢見ている。しかし、北の資源調査は日本企業が戦前に行った、古い資料によるもので採算性に問題がある。採算性を度外視するなら、日本だって広大な排他的経済水域に北朝鮮並みの資源を持っている。

韓国はドイツの東西統一をモデルに、南北統一を夢見ている。しかし、統合ドイツは未だ経済格差を解決できていない。統一前の1対2の東西ドイツの経済格差に比べ、100倍も違う南北が統一したら、南北は一緒に貧困に陥るだけのことだ。さらに深刻なのは、韓国国民の自由が著しく奪われることだ。

現実的にはそれより先に、北朝鮮と米国が和解する可能性が大きい。それを後押ししたのが無能な文大統領だ。だからネット上では、彼は史上最高の大統領と誉め殺しされている。米北が和解すれれば、日本は北への莫大な経済援助を求められる。その結果、日本と米企業は北特需で潤う。その一方、中韓北米日露は集合離散を繰り返し、複雑に絡み合い対立することになる。

今、「断韓」が日本のマスコミを賑わせている。
将来的にメリットが小さい韓国とは、冷静に距離を保つのが最善だろう。今までの韓国の輸出力の強さは日本との密接な関係にあった。韓国はその極めて恵まれた状況を自ら破壊してしまった。
「仲良く協力して助け合うべき」との考えが一部で根強いが、熱烈な反日教育を受けた韓国国民と真に信頼し合うのは極めて難しい。もし、反日強硬派の玉ねぎ男=チョ・グクが法相に強行任命されれば尚更だ。 
日韓親善は民間交流の自然な流れに任せるのが良いと思っている。

新河岸川夕景。

本業の絵描きとは無関係なのに、政治経済問題が大好きだ。
良い例ではないが、絵描きを目指していたヒットラーは、途中から突然、政治家に転身した。
私見だが、絵描きのやっていることと政治経済はどこかで似ている。それは、政治もアートも夢を構想することから始まるからかもしれない。

今、ネット上でスーパーリアルの絵が流行りだ。
リアルな絵は一般受けがいい。
本業の立場で言えば、画学生のほとんどは、あの程度の絵は描け、さほど凄い事ではないと思っている。

イラストの世界で、昔、エアブラシを使ったスーパーリアルが流行った時代があった。
当時のイラストレーターのほとんどは世の中から消えてしまったが、知人の中にスーパーリアルの達人が幾人もいた。
彼らに言わせると、例えば、動物園へ行って、立っている象をモデルに、空を飛ぶ象を真下から描けるのがプロなのである。
実物や写真を見ながら、見えたままリアルに描けるくらいの技術では売り物にならない。
ファインアートなら精神性やメッセージ性。イラストなら、嫌味のない軽やかさや、美味しそうなシズル感などがないと売り物にならない。

描く以上に難しいのは作品を売る事だ。
これは本当に難しい。私の生活の軸足はファインアートに置いているが、昔世話になったコレクターのすべては老齢化し、絵市場の縮小で画商達は次々と廃業した。だから、数ヶ月絵が売れないと、このまま永遠に絵は売れないのではと恐怖に苛まれ、眠れなくなることがある。

ほとんどの絵描きは絵画教室などで最低限の生活を保持している。
赤羽で絵画教室をしている知人の話では、絵画教室はストレスのたまる仕事らしい。
以前の教室の主力は子供だったが、今は少子化で、経営は大変になった。それで、成人相手に主力を移した画家は多い。しかし、大人相手では別の問題が生じる。生徒さん達とは公平に接していても誤解され、特定の人や派閥を大切にしているとと妬まれることがある。そのようなストレスから絵画教室をやめ、今は弁当屋さんで深夜働いている知人がいるくらいだ。

昔、プロで生きて行くなら、どんなに苦しくても制作に徹するべきだ、と先輩絵描きに言われた。それで私は今もアルバイトはせず、製作のみに徹している。絵描きは本当に大変だが、時たま良い絵が描けると、嬉しくなって夢が膨らみ爆発しそうになる。それが今の自分を、くじけさせずに支えてくれている。

おおおとこエルンストから。
平成の初めの頃、小学館の絵本のために描いた。

先日「千と千尋の神隠し」を見ていたら、この溶鉱炉の絵に釜じいの釜は雰囲気が似ていた。
もちろん、私の方が「千と千尋」よりずっと先に描いた。
銭婆の姉の住む沼のほとりに行く電車のシーンの窓外風景のほとんどは、昔、そっくりな写真を写真雑誌で見た記憶があった。
ジブリ作品が、あちこちの絵本や写真集を参考にしていることは、よく知られた事実だ。