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2019年11月27日 (水)

厚労省の「人生会議」ポスター批判は図らずも、死について考える終活に光を当ててくれた。令和元年11月27日

 厚生労働省のポスターとPR動画が、がん患者支援団体などからの猛批判を受け、公表が見送られた。肉親3人を在宅で看取った身としては、真摯な内容のポスターが反対団体によって潰されたのは残念でならない。
ちなみに、ポスター内容は以下の通りだ。

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背景写真は、病院ベットで酸素吸入を受けている終末期患者を、お笑い芸人の小籔千豊さんが演じている。

命の危機が迫った時、想いは正しく伝わらない。

まてまてまて オレの人生ここで終わり?
大事なこと何にも伝えてなかったわ
それとおとん、オレが意識ないと思って
隣のベットの人にずっと喋りかけてたけど
全然笑ってないやん
声は聞こえているねん。
はっす! 病院で おとんのすべった話 聞くなら
家で嫁と 子どもと ゆっくりしときたかったわ
ほんまええ加減にしいや
あーあ、もっと早く 言うといたら良かった!
こうなる前に、みんな「人生会議」しとこ
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とてもよく練られた素晴らしい文面で、私の体験と照らし合わせても違和感は全くない。
今回の「死とは無関係で暮らしたい」との関連団体や一般の反対意見を否定はしない。しかし、とても残念だった。誰でも必ず死ぬ。4000万の国費を使って作ったポスターとPR動画を、このままお蔵入りさせるのは実にもったいない。同省在宅医療推進室は「指摘を受け止め、改善を含めて検討する」としているが、希望者たちだけにでも提供する方法を考えるべきだ。

制作費4000万についても話題になっている。PR動画を含めての費用だろうが、昔、郵政省関連団体からポスターを受けた時の予算は200万ほどだった。デザイン関係予算が極端に低下しているので、これをきっかけに全体が引き上げられれればありがたい。

 誰にとっても死は大問題で、どんな権力者でも決して死からは逃れられない。
昔の人は死を当たり前のこととして死に対して寛容で、今のように神経質ではなかった。
私が子供の頃は、ほとんどの人が在宅で家族に看取られて死んでいた。だから、子供でも死とはどんなことか知っていた。今は違う。近年では、ほとんどの人が病院のベットで孤独に死んでいく。在宅死が普通だった時代は、死んで行く者の周りには常に家族がいて、孤独ではなかった。死が一般から切り離されてから、死を論じることが忌み嫌われ、今回のような否定的な意見が大手を振るようになった。これは極めて残念な風潮だ。

しかし、批判・否定されることで、死をどう迎えるかの終活が注目されたのは、怪我の功名だ。もし批判されなかったら、このポスターは世間から注目されず、ひっそりと無視されてキャンペーンは終了しただろう。


 この問題は終末医療に深くつながる。私は母と最期は在宅で看取ることを、10年近く幾度となく話し合ってきた。だから、終末期に「すぐに入院していただかないと、今夜にでも亡くなります」と家庭医に言われた時「母と繰り返し交わした約束ですので、在宅で看取ります」と強く主張できた。家庭医は私たちの考えを了解して、酸素吸入や気管吸入などの必要器具を手配してくれた。

もし、母との話し合いが一、二度ほどだったら躊躇して、医師の指示に従ったかもしれない。
終末期の母は口からの食事が大変で、わずかな量を小一時間かけて食べさせていた。当然ながら病院ではそのような手厚い介護は無理だ。胃瘻と点滴によってスパゲッティ状態にされ、骨と皮になるまで生かされたはずだ。加えて、私が常に傍にいることはできず、母は孤独感から急速に呆けたはずだ。
絵描きは家でできる仕事だ。だから24時間いつでも母に対応できた。母が危篤状態になった時、私は医師を呼ばず、母の最期の吐息と心音を確かめることができた。これは母と私にとって、とても幸せなことだ。


 日本で普通に行われている高額な延命治療をやめたら、日本の公的医療費は劇的に健全化するすると試算されている。ちなみに、他の先進国では特別な場合を除いて、延命治療は行われていない。米国の一部の州では、スプーンで食事介助することも、患者の人権を侵しているとして禁止されている。しかし、日本では人権派弁護士たちが横やりを入れるので、延命治療中止は検討すらできない状態だ。それどころか、今回のように終末期を考えるキャンペーンでさえ潰されている。

 多くの人が多幸感の中で死を迎えることを願っている。今の医療技術を駆使すれば、多幸感の中で死を迎えるのはさほど難しくない。しかし、死を敗北と考える医師が多く、真面目に検討すらされていない。

私は一般人として多くの臨終に接してきた。
「眠るように死を迎えた」と、臨終の様子が伝えられているが、それは高齢で天寿を全うした方たちのケースだ。まだ生命力を残した中年あたりで迎える最期では、甚だしく苦しむ方が多い。私が臨終に接した知人たちの中には、言語を絶する苦悶の中で最期を迎えられた方たちがいた。彼らの多くは家族の強い要請で、最期は大量の鎮痛剤などが投与され、死を早められた。
患者の人権を真に考えるなら、医療機関は安らかな死を迎えることができるように配慮すべきだ。

 

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荒川土手沿いの秋景色。

 

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荒川の虹。
今年の秋は雨ばかりで洗濯日和が少ない。

 

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1991年のコント大会のビラ。イラストとデザインを担当した。


 バブル期はすごい。4500円と高額にも関わらず、広いサンシャイン劇場は若者たちで超満員だった。出演者の記入がないその他大勢の中に、綺羅星のように今活躍している芸人さんがいた。キャスト記入にないが、司会者が「ダウンタウン」を関西で大活躍している新人として紹介していた。大観客を前に緊張していた二人は、今では考えられない初々しさがあった。

一番面白かったのは「爆笑問題」だった。
打ち上げ会場で私は爆笑問題に「君たちはビックになるよ」と声をかけた。しかし、彼らはそれから長く鳴かず飛ばずで、深夜放送で時折見かけるくらいだった。


 27日にインフルエンザの予防注射を受けた。
ちなみに、風邪防止に役立つ食物一位は小松菜。二位はプロッコリー。以下、納豆、キノコなどが並ぶ。私は全て、毎日摂取している。歳をとってコストがかかるのは病気だ。体調不良はストレスだけでなく費用もかかる。予防が一番の生活防衛策だ。

 

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