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2020年3月28日 (土)

「ジャパン・パラドックス」欧米は日本のゆるゆるのコロナ対策を奇跡と呼び大注目している。令和2年3月28日

海外が、花見に人が集まっている日本の光景を批判していた。本当は野外で行われる花見には、ほとんど感染の危険はない。都知事が花見自粛を訴えたのは、その周辺に感染の機会が多いからだ。花見へ行く交通機関。花見のついでにみんなで行く飲食店。駅中の混雑。それらに感染の危険がある。
小池都知事はオリンピック延期が決まった途端、テレビへ出演して感染者の急増を訴え、このままでは都市封鎖だと危機感を煽っていた。この人は政治嗅覚が鋭く変わり身が早い。しかし、論理性に欠ける。彼女はいつも深く考えずに発言して、どのような結果を招くかまでは考えていない。

重大な警告を発する場合、丁寧な説明を加えるべきなのに日本の為政者の多くは省略してしまう。その結果、都市封鎖は間近で買い物ができなくなると都民は早とちりして、スーバーへ殺到した。幸いにも小売側が「商品は十分に供給できます」と適切な広報をしてくれたおかげで、買占めはすぐに沈静化した。冷静に現実を伝える注意喚起と、不安がらせてパニックを起こさせる扇動では結果が逆になる。
今日、東京都で60人以上の感染者が見つかった。その半数は病院を起点としたクラスターで制御可能だ。毎日変わる数値に一喜一憂せず、冷静に注意すれば新型コロナはやがて沈静化する。

韓国では「都市封鎖寸前の危機的状況なのに、花見をしたりする日本人は訳がわからない」と痛烈に皮肉っていた。彼らにとって、日本が困ることはワクワクする事態だ。「ジャパン・パラドックス」と、欧米のマスコミや医学者たちが日本のコロナ対策を奇跡と呼び始めたのも、彼らは気になって仕方がない。「奇跡を起こしたのは日本ではなく、いち早く新型コロナを制圧したわが国だ」と、SNS上に飛び交っている。何しろ隣国は、世界から問い合わせが殺到していると言われているPCR検査キットの名称に「独島」と名付けようと20万以上の署名を集めた国だ。引かれ者に石を投げつけるのが大好きな彼らを、さらに喜ばせることは避けよう。

重要なのは、「柔よく剛を制す」老子の言葉のように、日常をさほど壊すことなく、新型コロナを柔らかく制することだ。中国は強引に新型コロナを押さえ込んだが、少し緩めれば再暴発する。もし、日本が新型コロナを今の柔らかな対策で乗り切ったら、強権独裁中国に対して、民主主義日本が勝利したことなる。

中国で何が起きていたか、少しづつ日本にも聞こえて来る。新型コロナ治療のために、多くの腎不全や癌治療の患者たちがベットを追われ死に至ったこと。新型コロナで重症化したのに、治療を拒否されて投身自殺した患者。そのような非人道的な蛮行が無数に行われて来た。
対して日本では、厳しい指導はなされず、のんびりした普通の生活を保ちながら、なんとかやり過ごしてきた。感染者増をできる限り緩やかに抑えることは、集団免疫を得るための大切な過程だ。

欧米の医療専門家の一部は、日本の指導者はのろまで愚かすぎると痛烈に皮肉っていた。日本では政治家や医療関係者が気づかぬ間に、感染者が暴発していると覚悟すべきだ、と彼らは言う。しかし、東京に暮らしている私には、彼らは日本の現実を知らずに批判しているだけだと思っている。日本の医学者たちはのろまで馬鹿ではない。むしろ逆に、慎重で心配しすぎるほどだ。国民がのんびり見えるのは見かけだけだ。一人一人は神経質なくらい清潔に気を払って感染防止に努めている。しかし、海外からはそれは見えない。

日本国民は欧米のように厳しく指導しなくても、良い意味で国に忖度する。「週末は不要不急の外出をしないでほしい」と都知事が言っただけで、街中から人並みが消えた。欧米がそれを実行するには、都市の首長が怒鳴り散らして重い罰金と刑罰を科さないと実現は不可能だ。

これからも、国民はきちんと指示を守るだろう。この民度の高さは、一朝一夕で獲得したものではない。世界の25パーセントの災害が集中する災害列島で長く生き抜く間に身につけた英知である。だから日本人は生活の質を大きく落とさずに、規律を守り、新型コロナ対策を粛々とやり遂げるだろう。

中国の強圧的な押さえ込みは、速やかな感染防止に効果を上げたが、それは一時的なものだ。緩めれば再度新型コロナは暴発する。今、中国の強圧方式と日本のゆるゆる方式、どちらが正しかったか世界は注目している。日本のゆるゆる方式は世界唯一のもので、日本以外の全ての国が中国方式に傾きつつある。世界は日本のコロナ対策の奇跡を「ジャパン・パラドックス」として注目している。このまま、暴発を防止して、軟着陸できれば、日本の価値は世界から大きく評価され、コロナ後の経済回復につながるだろう。

関連して、最近耳にする嫌なことある。ワイドショーや週刊誌に再三登場する自称専門家たちの非科学的な暴言が医療現場の大きなストレスになって混乱を招いていることだ。彼らは多額のギャラを稼ぐだけで、発言への責任は取らない。マスコミは不用意な発言で医療現場を混乱させ疲弊させる愚は止めてほしい。冷静に正しく啓蒙する、本来の役割を取り戻してほしい。

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新河岸川の桜。早く咲いたのにまだ咲き続けている。今年の桜はどことなく寂しい。

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東京北医療センター庭の桜。今年は静かに眺めている。

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