« おじいちゃんのバス停留所 第一章 令和2年4月16日 | トップページ | おじいちゃんのバス停留所 第三章 令和2年4月18日 »

2020年4月17日 (金)

おじいちゃんのバス停留所 第二章 令和2年4月17日

 おじいちゃんのバス停留所 第二章

 6

 ある朝 霧が出ました。
ボクは おじいちゃんと 裏山へ出かけました。

 すると どんぐりが 点々と 落ちていました。
それを 辿って行くと 生きている木でできた 不思議なバス停留所がありました。

6_bus

 7

 おじいちゃんと ベンチに腰掛けて待っていました。
すると 霧の中から 山バスが 現れました。

「どんぐり山行きのバスだよ。
霧が晴れないうちに 早く 乗りな」
山バスから キツネが 声をかけました。

7_bus

 8

 山バスは 人里離れた山の中を
グングン進みました。
 途中で 山の動物たちが
たくさん 乗り降りしました。

「山バスは 人に見つかると まずいので
霧の日だけ 運行しているんだ 」
キツネが 教えてくれました。

 やがて、どんぐり山に 着きました。
しかし、おじいちゃんの家は どこにも
ありません。


8_bus

 9

「さて、どんぐり山の じいさんの家は
どこへ 逃げて しまったのだろう」
キツネは 運転席で 考えていました。

「おーい、じいさんの家は どこにいるんだー
聞こえたら 返事しろー」
山バスの 動物の乗客たちは 大声で 呼びました。
すると 霧の中から
「ここに いるぞー」と 低い声が 聞こえました。

声の方向に 急いで 飛んでいくと
霧の中に おじいちゃんの家が プカプカ 浮かんでいました。

9_bus

 10

 プカプカ 浮かんでいる 家の前に
死んだ おばあちゃんが ニコニコ笑って 立っていました。

「霧が晴れる前に 必ず 迎えに来るぞ。
絶対に 忘れるな」
山バスのキツネは そう言って 去って行きました。

「あら、可愛いボクちゃんも 一緒に 来てくれたの。
会うのは初めてね」
おばあちゃんは 優しく ボクを抱きしめました。

10_bus

 明日の第三章に続く。

Ma_3

Ma_4

Ma_5

Mas

|

« おじいちゃんのバス停留所 第一章 令和2年4月16日 | トップページ | おじいちゃんのバス停留所 第三章 令和2年4月18日 »